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    monarda07

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    monarda07

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    青エク×FGOクロスオーバーその②
    色々考えた結果、ぐだ子の方にしました

    イミテーション・パンドラピトス②【第一幕】
    一方、メフィストが閉じた空間の断裂の向こうにある2年後の世界。
    カルデアのマスターである少女、藤丸立香は落下の衝撃で目を回している最中だった。
    カルデアの支援はなく、またサーヴァントもいない。彼女は下総のときとまったく同じ経緯でここに来ていた。いわゆる、本人の夢が偶然にも別の現実に繋がってしまった、というヤツである。
    場所は現代の日本のようではあるが、様子がかなりおかしい。渋谷と思わしき町中を歩いてみるが、彼女が見知った風景ながらも雰囲気が違う。どこか戦時中のような物々しさが滲み出ていた。
    ニュース映像や新聞などで得た情報を総合すると、どうやらここは“悪魔”の存在によって人類が脅かされている世界であるらしい。さらに一年ほど前から『魔王軍』という勢力も出てきて、さながら世界大戦のような状況だ。

    同じ種族同士でいがみ合っていたはずの人類は、この世界ではただ一人の“強大な敵”を前にして一致団結するようになっていた。
    その中心にいる組織の名は正十字騎士團。この世界は今、騎士團と魔王軍、人類と悪魔との聖戦の真っ只中なのだ。

    ……それが、立香が東京を1日じゅう歩き回って得た情報。誰も彼もがその構図を信じて疑わない中、しかし彼女は妙な違和感を覚えていた。

    七つの特異点を修正し、七つの異聞帯を乗り越えた歴戦のマスターとしての直感が訴える。
    “何かがおかしい”そして“このままでは取り返しのつかない事態になる”
    と。
    思い出したのはブリテン島での一件。妖精國が終焉を迎えた時のにおい。奈落の虫が現れた黄昏の空が視界に被る。
    おそらくここは、異聞帯になりかけの剪定事象。本来ならば剪定されるはずの世界が、何かの手違いで存続しようとしている……その瞬間に立ち会っている。
    確証は無い。そもそもありえない。
    なぜなら空想樹は全部で七つ。立香たちカルデアは、その全てが消滅したのを確認しているからだ。
    まさか自分たちの知らない第三者が、平安京でのリンボのように亜種空想樹を作っていたのだろうか。
    とにもかくにも情報があまりに不足していた。

    どのみち、カルデアとの通信が途絶えている以上は自分の判断でどうにかしないといけない。虎穴に入らずんば虎子を得ず……カルデアに帰還する手がかりを掴むためにも行動を起こさないといけない。リスクはあったが背に腹はかえられない。意を決して立香は、最も近い正十字騎士團の本拠地──すなわち正十字学園町に潜り込むことにした。


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    other8e

    MOURNING幸せであれ
    ※しじみ食べたことないので食感は検索してみたけど実際のところ知りません
    「嶺二」
    ぼくの名前を呼ぶ声にゆっくり目を開けると、ベッドの端に腰をかけたランランの姿があった。
    「おはよう、嶺二。やっと起きたな」
    ランランはぼくの頬をそっと撫でてふわりと微笑む。少しくすぐったい。カーテンの隙間から射し込む陽の光が、ランランのまだセットしていないふわふわの髪の毛を明るく照らしてきらきらと輝いている。
    「いまなんじ?」
    身を起こしながら聞くと、7時だと教えてくれた。ちょうどいい時間だ。
    体を起こしたものの疲労の残る体はまだ少しだるくて、ベッドの上でぼうっとしてしまう。ランランの小さく笑うような声が聞こえたかと思うと、ぎしりとベッドの軋む音と唇に優しく触れる感触。それにうっとりとする間もなくランランはぼくから離れて、物足りなさを感じて見上げるぼくの髪を大きな手でくしゃくしゃとかき乱した。
    「ちょっとー!」
    「目ぇ覚めただろ?朝飯作ってあるから早く顔洗ってこい」
    「うん」


    着替えは後回しにして、顔を洗って歯を磨いてリビングに向かうと、美味しそうな匂いがぼくを待っていた。
    「わー!すっごい!和食だ…!」
    テーブルには、お味噌汁に焼き鮭に卵焼きが並んでいて、どれもまだ白い 2846