Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🐉 💜 👏 ☺
    POIPOI 64

    肴飯のポイ箱

    ☆quiet follow

    ロマンチストな1人と、そうじゃない1人の話。一度は書いてみたかったネタです。良いホリデーをお過ごしください🎄✨🎁

    #kbdn
    #キバダン

    ベタって言わないでくれ それは、ツンッと鼻が痛くなるような寒い冬の朝だった。
    「はいこれ、やるよ」
     付き合って3年目の冬。12月に入ってから一気に寒さの増したガラルでは街中の至る所にホリデーの飾り付けがされ始め、夜になると街中がまるでおもちゃ箱のように輝き、賑やかな姿となる。朝食を終えたリビングで、無造作にキバナから渡された平べったい箱は、1から25までの数字が順に書かれており、ツリーやリース、雪だるま。おもちゃ箱の街並みをそのまま写したような見た目の物だった。
    「……これは?」
    「アドベントカレンダーってやつ。この間見つけてさ。ちょっと面白そうだなって」
    「おお!これがあのアドベントカレンダーなのか」
    「あのって?」
    「この間ハロンに寄った時、母さんと家にお茶をしに来ていたソニアがドラマを見ていてな。そこに出てきてたんだ」
    「へぇ……」
    「これ、一日ずつこの小窓を開けてくんだろう?」
    「うん、それで合ってる」
    「今日の、今開けても良いか?」
    「良いけど……」
    「おっ!ポケモンの形をしたチョコだ!可愛いぜ」
     コロンっとワンパチの顔を模ったチョコを見て顔を綻ばせたダンデは、好奇心を隠せない顔で次の日の箱にも指を掛けようとする。
    「こらこら。こういうのは毎日一つずつ開けるのがルールだって」
    「それ、ドラマのヒロインも言われてたな。とてもせっかちな性格だったらしくて、オレがテレビ画面を観た時には、彼氏から貰ったアドベントカレンダーを貰ったその日に全部開けてしまったんだ」
     ピクリっとキバナが一瞬だけ片眉を上げる。それが、彼の動揺する時の癖であることを知っているダンデは首を傾げるが、何が彼の動揺を誘ったのかいまいち分からず、そのまま話を続ける。
    「なんと、そのアドベントカレンダーの最後の小窓に、プロポーズ用の指輪が入ってたんだぜ!ソニアと母さん、それ見て『ベタだけど、ときめくー!!』って大騒ぎしてた……キバナ?」
     いつの間にか、キバナはダンデが持っていたアドベントカレンダーを取り返し、ギュッと両腕で覆い隠すように抱え込んでいた。心なしか、顔が汗ばんで視線が狼狽えているようにも見える。
    「なあ」
    「やめろ、それ以上何も言わないでくれオレさまの心の安寧の為にも」
    「すまない、えっとだ……つまり、オレ……ええとその。最悪なタイミングで、最悪な事を話したんだよな……えっとだ、えっと。あっ!!オレは、ベタな展開も好きだぜ」
    「やめろよ傷を抉んなって」
     そこで漸くダンデは確信する。幸せが詰まっているのだろう小箱を抱えているキバナを逃すまいと、ダンデはアドベントカレンダーを反対側から掴んで離さない。いよいよもって顔から煙が出てきそうな顔をしたキバナは、取られまいと引っ張り返すが、強く引っ張ったら箱が崩れてしまう事を懸念してるのか本気では引っ張れないようだ。成人男性2人で、やや遠慮気味で静かな引っ張り合いをした後、やがて観念したようにキバナは箱から手を離す。
    「良いのかよ。きっと女性陣がいうようなベタな展開が待ってるぞ」
     期待と、ちょっとだけの不安。それが混じったキバナの言葉を聞いて、いよいよダンデは蕩けるように笑う。
    「25日の小窓、今すぐ開けても良いか?」
    「バカ!そういうのは1日一つずつ開けるのがルールだって言ってんだろ!」
     カーテンから差し込む朝日が、二つ並んだカップを照らしている。まだ冬は始まったばかりだが、今年は何時もより賑やかで特別なものになりそうだ。そんなことを考えながら、ダンデは幸せそうに笑うのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🎄🎄✨✨👏👏❤❤❤😂😂💞👏💞💒💒
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    肴飯のポイ箱

    DONEREVELЯY2411「COUNT DOWN vol.2」の書き手クイズ企画に提出した作品となります。
    お題「催眠 付き合ってないキダ」
    開催中はドキドキとしながら過ごしておりました!すごく楽しい企画でした☺️✨ありがとうございました!
    夜空、星二つ ガラルにしては気持ちの良い、からりとした青空が朝から広がっている日だった。ブラックナイトに関する諸問題で暫く奔走を余儀なくされていたキバナは、ようやく業務もひと段落し始めた。屋外での作業は晴れの少ないガラルでは何よりも優先したい事柄だ。そんなこともあって、キバナは温かな陽気の中、ナックルジムの中庭で膝と頬を土で汚しながらせっせと植物の剪定に明け暮れていた。元が城ということもあり、一般の人々が立ち入らない場所には未だに当時の面影を残す部分が多い場所だ。キバナが居る中庭もその一つで、ナックルのジムリーダーが代々手入れをしていくことがいつの頃から習わしとなっていると聞いていた。初めてその役割を聞いた時には正直乗り気では無かったキバナだったが、元々好奇心旺盛な方だと自覚していることもあって、やり始めてみればなんだかんだと楽しみを見つけ出し、気付けば少しずつこだわりも持つようにもなってきた。
    6909

    肴飯のポイ箱

    DONE12月オンイベ展示作品その②(新しいお話)
    みんなが寝静まった夜。こっそりひっそり楽しく過ごす不思議な生き物のキバナとダンデのお話
    「🎄ホリデー編🌟」
    ※ポ世界のクリスマス概念が曖昧な為、あえてクリスマスから正月までをホリデーと設定してお話をかいています。細かく考えず緩くお楽しみください🌟👻👻🎄
    それは賑やかな すっかり夜の帳が下り、静まり返ったとある家のキッチン。小綺麗に整頓されたそんな場所を小さな林檎程の大きさの何かが二つ、白い布を頭から被ってチョロチョロと薄暗いキッチンの中を動き回っている。
    「キバナ、息が真っ白だ!寒いなぁ」
    「今日も月が大きいなぁ。でも、流石に今日はみんな寝てるだろ」
     月明かりに照らされたキッチンを、キバナと呼ばれた大きい方がそれよりも少し小さなダンデの手を引きながらずんずん進んでいく。
     少し前にお菓子を貰ったキッチンは、同じように整えられていた。水切り籠にはジュラルドンとリザードンが描かれたカップが逆さまになって雫を落としていた。今日は、それ以外にもカラフルなカップや皿がたくさん並んでおり、いつもは食器棚の一番上で偉そうにしている白地に金の模様が入った大きな皿も、ピカピカに洗われて月の光を反射している。
    2994

    肴飯のポイ箱

    DONEオンイベ開催、アンド素敵企画ありがとうございます!
    この作品は、12.3歳ごろの2人がナックルシティの片隅にあるとある喫茶店を舞台にわちゃわちゃとしていくお話となっています。
    ※両片想いほのぼのです。
    ※ガラル市民がたっくさん出ます。
    ※視点がコロコロ変わるお話です。
    少しでも楽しんでいただければと思います☺️
    とあるナックルの片隅で◆ライラック色の髪をした少年の回想

    「あ、チャンピオンだ!」
    「チャンピオン!」
    「何かイベントでもあったっけ?」
     困った。
    俺は、大きな街の真ん中で冷や汗を掻きながら、どうしてこんなことになったのかをひたすらに考えていた。
     今日は午前中にシュートでのチャリティイベントに参加した。午後はスポンサーの会社が行うガーデンパーティへの参加が予定されていたが、そちらが主催者側の事情でのキャンセルとなったので、突発的に午後は丸々オフとなった。予定されていた休みより、こういうイレギュラーな休みって得な感じがして俺は好きだ。せっかくだから前々から欲しいと思っていた物を買おうと意気込み、勢いのままユニフォームで飛び出した。自分なりに人目が少ない道を探しながら、地図アプリと睨めっこ。しかし、俺の努力も虚しくうっかり路地から大きな通りへと出てしまった。途端に集まるキラキラとした眼差しの人、人、人。応援してくれる人達の期待の眼差しを裏切ることはできず、突発的に始まってしまったファンサービス。握手に写真、サイン。もみくちゃにこそされないけれど、このままだと行きたい場所に行けないまま休みが終わってしまう。顔には出せないが内心焦りつつも人混みは消えるどころが増えていく。どうしたものかと困っていると、人混みの奥から良く通る声が聞こえて来た。
    9874

    related works

    recommended works