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    kpwr1823

    @kpwr1823

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    kpwr1823

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    最近あまりにも書きかけが多いので、どれかひとつでも完成させようねっていう戒めです。
    姫がまだ姿を見せてないけどアベレティになるやつの冒頭だけ。

    #アベレティ
    #アベラルド・ベルグホルム
    #レティシア・オーシディアス
    #SO6
    #スターオーシャン6
    starOcean6

    PA星の海をこねこねしてるやつ 静かな宇宙艦ふねの中から望める広大な濃紺の内で、星たちが宝石のように光り輝いている。
     空の向こうの、星の世界。つい先日その存在を知ったばかりの場所に立っている事実に、アスター四号星のある者は驚嘆し、ある者は目を輝かせ、ある者は決意を新たにしていた。
     アベラルドもそのひとりで、方角の道標とされるほど永久とわに存在すると考えられてきた星々が目の前で死に絶え、そして新たに生まれる瞬間の光に、つい先ほどまで魅入っていた。
     再び部屋にひとりとなった今は、反省の真っただ中にいる。
     いつの間にか後ろにいたレティシアに驚きこそすれ、アベラルドが姫を邪魔になんて思ったことなど、刹那のかけらもない。姫の気配に気づかないほど星に夢中になっていたことも、その姿を見られた気恥ずかしさに負けてまともな返事ができなかったことも。そして、
     ――姫さえよろしければ、ご一緒にいかがですか。
     再び星の海を前にして、そんな考えがよぎった。しかし、振り返っても既にレティシアの姿はそこにあらず。
     機を逃した願いは静かな時間がどれだけ経過しても収まることはなく、むしろ胸の内で占める面積を徐々に増していく。言葉として紡がれることはなくただ胸の奥底に残って、嵐雲のように渦巻いている。
     一緒にいる間も、離れている間にもなぜか積もっていく一方のレティシアへの愛情に幾度もしてきたように。遅すぎた願いにも、ひとまず折り合いをつけてやらなければならない。
     彼女がいた場所に心の中でそっと投げておこうとして、横を向くに留まった。さっきまでただの空間であった場所。さやかすぎる星が照らす隣が、やけに広く寂しい。
     アベラルドは聞かせる相手のいない願いの代わりに、ふうっと大きく息を吐き出した。重たい頭を持ち上げ、また窓の外の星に顔を向ける。手折ることにはもう慣れているだろう、と星を見上げながら強く言い聞かせた。
    (そういえば、姫はなぜ私の部屋に)
     何か用があったのではないか。どこかに行こうとして声を掛けたかったのではないか。なぜすぐに思い至らなかったのか。
     新たに生じた反省点に、胸中の嵐の渦にまた別の雲が加わる。このままここにいても何も変わらない、と背筋に力を入れ直して、アベラルドはレティシアを探すべく、自室を後にした。

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    kpwr1823

    DONE8/25 COMIC CITY VEGA 2024 内の CROSSING SPHERES VG 2024 で発行予定のSO6アベレティR18小説本の全年齢部分サンプルその②

    以外あらすじ
    戦後処理で各地に駆り出されていたアベラルドはレティシアから突然ラーカスに連れ出されるが、束の間のふたりで過ごす時間はあっという間に終わってしまう。 アベラルドが姫の隣にいることを見つめ直す話。
    おとぎ話をあなたに サンプル②玉響の休息

     総統派スコピアムによる侵略の手を跳ね除け、長い旅から戻ってきたレティシアとアベラルドを待ち受けていたのは、想像を絶するほど[[rb:堆 > うずたか]]く積み上がった戦後処理の山であった。
     城下の一部市民の間では、譲位が間近なのではないかと噂が立っている。
     星の世界で受けた治療で気の持ちようにまで変化があったのか、娘にはまだ自由でいてほしいと奮起する国王の姿を、アベラルドはよく知っていた。
     ゆえに噂はただの噂にすぎないとすぐにわかるのだが、深く事情を知らない者なら信じてしまうのも頷けるほど、今のレティシアは政の中枢にいた。
     フーガによって勝利をもたらしたことや、その身を呈した時間稼ぎ、何より双剣を手に帝国に乗り込む果敢な姿に、諸将軍から理術士、市井の者に至るまでがレティシアを中心へ引き上げた。
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