宇宙でたったひとりだけ① レティシアの名代として、アベラルドは航宙艦テラヌスの封印作業に立ち会っている。
和平が成立し、総統派スコピアムの危機も排除した今、有事に紛れて自由に国境を跨ぐことが出来なくなった。特に王族であるレティシアやテオは、大義名分をつけなければ帝国に足を踏み入れることが出来ない。テラヌスの封印作業はオーシディアスにとっても大きな意味を持つが、超機密事項であるため、訪問の理由を表向きにすることが難しい。星の世界の存在を知っている必要もある。そんな事情から、必然的にアベラルドが立会人を務めることとなった。当然レティシアは自分が行きたがったけれど、こればかりはどうしようもない。ニルベスからはマルキアが来ているが、ニルベスは国として対処したというよりもトラッセン族として戦った背景が大きい。
6719