繋がったその温もりを 目を開けると、今一番見たい顔がそこにあった。
「アルトさん」
思わず名前を呼ぶと、アルトは僅かに微笑んだように見えた。
「すまない、起こしてしまったか。どうだ、調子は」
そう問われ、ミランは自らの状況を改めて確認する。熱を出して寝込んでいた。少し前までは何ともなかったのだ。それが急に発熱し、体調が悪くなった。ふらふらしているところを元軍師である宰相に見つけられ、強制的にベッドに押し込まれて医者の診察を受けさせられ、この数日間薬を飲んで寝ていたのだった。だが、そのお陰で以前よりは少し良くなっている気がする。そう自らを分析したミランはアルトにそれを伝え、それから肩を落とした。
「……情けないなぁ……今までほとんどこんなことなかったし、少し前までは全然ぴんぴんしてたんですけど」
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