三井サン誕生日なのにホールケーキ食べねぇの?何と言うか、この歳になってホールケーキで祝われるなんて思っても無かった。
三井の目の前にはいわゆるホールケーキとそれを切り分ける少女がいる。
「ふっふ~ん、主役は大きめだぞ、みっちゃぁ~ん」
満面の笑みでテーブルの上に置かれたホールケーキにナイフを入れ、ケーキサーバーを使いつつ取り分けたケーキを乗せた皿を目の前に置かれ、随分と慣れてんなァと思いつつ「おー…ありがとよ…」と三井は声を返した。
どうしたもんかと隣に座る少女の兄を横目で見れば取り分けたケーキを凝視して片眉を上げている。
アンタ、明日誕生日でしょ?明日予定ないならウチ寄っていってくださいよと少女の兄である宮城に言われたのが昨日の事だ。
「つーか何時もおめーの方がデケーだろ」
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