ディスタンス週末に先生と、杉元とデートをした。
散策して気になったものを写真に撮って歩くあれをした。
カメラは一台、ハーフカメラを持っていった。
それを使って交互に撮るので俺の撮った写真の隣に杉元の撮った写真が並ぶ。
マスクをしてディスタンスを取って歩き、離れているから会話もあまりせず、カメラを使いたい時にだけお互いに名前を呼んで引き留め合い、カメラを相手に手渡す時にだけ近付いて、被写体をフィルムに焼き付けている相手の姿を見つめた。
人通りの少ない路地裏では少しだけ手を繋いだ。
フィルムがなくなったら、俺の店に帰って自室のマットレスの上でセックスをする。
夜遅くまで何回か交わって寄り添いあって眠り、朝早くに杉元は自分の住むアパートへと帰っていく。
翌日、客足が無い時間を見計らって二人で撮った写真の現像をした。
一駒の枠の中、俺の撮った写真の横に杉元の撮った写真が並ぶ。
杉元が撮った俺の横顔の隣に俺の撮った杉元の横顔が並ぶ。
顔が向き合うよう意識して撮ったそれは、杉元がキスをする前の二人に見せたいと話していて、結果的には狙ったような構図にはなっていなかったが、微笑ましかった。
もう逢いたい。