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    hisoku

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    hisoku

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    キスをした後にじゃれるsgoです
    杉元語り

    #杉尾
    sugio
    #現パロ
    parodyingTheReality

    フレーバー キスするの久し振りだ。
     そう思いながら胸の上にいる尾形の襟足を撫でる。催促のサインだ。尾形が目を伏せて、それからゆっくりと顔を下ろしてきてくれる。ああ、そう、睫毛、長いんだよな。ほんの一、二秒、瞼を閉じる様を見届けながら顔を斜めに傾けて唇を合わせた。少し顔を上向きにして口を開いて迎え入れてくれる。舌と舌とがぶつかって這わせ合うと尾形が舌を引っ込めた。それを追う。すると今度は顎を引かれて重ねていた唇が離れていった。

    お前、何を口にした?

     顔をしかめて問われて首を傾げる。

    舌がぴりぴりする。

     何のことを云っているか解って顔が赤くなった。

    杉元、辛い。

    ごめん、マウスウォッシュ、使った。あ、や、デンタルリンスっていうやつ。

     尾形が一瞬ぽかんとした顔になる。その後に俯いて失笑する。

    だって、会えたの久し振りだったし、なのに酒も飲んだし、さっき〆に大蒜の効いたラーメンも食べちゃったから。今日行った店は会計の時にガムとか出してくれなかったから、ほら、いつも行く店のおばちゃんはいつも食後の板ガムくれるだろ。だからさっきゴム買う時に一緒にコンビニで買ってきて。ガムより良いのかなって思って。お前がシャワー浴びている間に歯磨きして。

    俺もお前とおんなじもの食っただろ。

    食ったけど、でも尾形が嫌がるかなと思って。

     笑いを堪えながら尾形が俺を見つめてくる。すっと首を伸ばして唇をつけ、舌を入れて前歯を舐めると顔を離してまた、辛い、と云う。口角がふにふにと少し上がっていくのが見えた。

    辛くてごめん。

     もう一度謝ると上半身を起こしきって、くくく、と手の甲で口元を隠すようにして尾形が笑い出した。こいつがこんなふうに笑うところを見たのは初めてだ。笑うとあんなふうな目になるんだ。笑って震わせている身体の揺れが跨がられている腹に響いて伝わってくる。額を指で掻く。笑顔が見られたのは嬉しいが、格好悪いと感じて、今度は俺が両手で顔を隠した。

    その、嫌だったら今日はもうキスなしでいいし。

    いや、面白いからする。俺もそれしてこようかな。

    尾形もすんの?

    結構、辛かっただろ。

    辛かった。アップルミントって書いてあったから、ましかと思ったんだけど。

    その辛いのして直ぐに口でしてやろうか。

     尾形が胸の上で髪を掻き上げる。

    それ凄そう。

     苦笑する。尾形が目を細めて、あーん、と口を開いてみせる。いつもは俺から頼まないとしてくれないのに珍しいと思った。

    酔ってんのか?

    お前にな。待ってろ、今、してきてやるから。

     ふ、と微笑むとまた口を吸い、ふふ、と笑ってから尾形が身体から下りる。悪戯に人の陰茎を根元から亀頭に向かってひと撫ですると洗面所へ向かった。
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    hisoku

    DOODLE過去作
    湯沸室で杉と尾がお茶を飲む話です
    前世記憶あり現パロ
    尾語り
    湯沸室 喫煙をする習慣はないので、就業中の休憩といえば緑茶だ。あるいは珈琲。それと少しの甘いものかしょっぱいものを一口頬張るのが日課で、デスクワークに根が詰まり、肩も凝りそうだったので仕事の効率が落ちる前に気分を変えようとひとり湯沸室に向かった。買い置きのドリップコーヒーを淹れるために湯を沸かそうと薬缶のことを思い、買い置きのミネラルウォーターはまだ残っていたっけと思い起こしながら廊下を行く。
     スタッフルームのあるフロアの一角、廊下奥の角の階段と廊下を挟んだ少し離れた斜向かいにトイレが、その対角線上の奥まった場所にひっそり湯沸室はあった。そこは小会議室の並びでコの字に壁と壁と窓に挟まれた造りになっていて、二畳半程の広さがあり、冷蔵庫と棚、その棚の上に電子レンジ、隣に小さな流し台があった。流し台にはガス台が二口と壁にガス給湯器が備えつけてある。どうってことはない必要最低限が備え付けられている極普通の湯沸室だが、流し台が木目調の引き出しのついた懐かしい感じのする流し台で、ばあちゃん家の台所を彷彿とさせて、そこを緑茶を飲みながら眺めているだけでも癒しを覚えた。面積の狭さも落ち着く。
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    PROGRESS花札の牡丹と蝶と雑誌の椿を受け、尾形の頭部がシネマトグラフになっちゃった原作軸夢幻話。序盤は鈴川。いずれR18になるかもしれない
    【杉尾】胡蝶の夢(1) 尾形がわかりやすくなってしまった。

     杉元の目線のさき、ふたり、杉元と尾形は、意味ありげに視線をからませあっている。地についたゆびの、ほんのゆびさきだけをひたむきに結びあい、季節おくれの雪ひらにこごえるくちびる、なにごとかささやきあうしろい息――。
     ただごとならぬ雰囲気。音声はない。
     あれは俺じゃねえ。否定したいところだが、どこからどう見てもあの軍帽は恩人からもらい受けたもので、顔面を分割する傷跡はふたりといない杉元自身の証拠だ。あれは俺だ。尾形のほうは、いかにもにせものっぽいが……。


     まるいしろいひたいから靄がでる。
     もやもやのなかにキラキラしたひかりの粒が浮遊し踊りまわり、視線のあちらがわ、岩壁や森の木々、川面、夜空を照らす。図像をむすぶ。照らされた距離に応じておおきさや色の濃さのことなる幻影が、尾形のひたいから、出るようになってしまった。のちに一行はシネマトグラフを知るが、尾形のひたいはこのあたらしい機械の光源のようになってしまっていた。
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