ハレの日に捧ぐ【凌澄&忘羨(現代AU)】 荘厳なチャペルの扉が開かれ、その中から姿を現したのは、純白のタキシードをそれぞれ身に纏った魏無羨と藍忘機である。
二人は参列者に向かって一礼をすると、悠然とした足取りで外階段を降り、鮮やかな花々で彩られた庭園内へと歩みを進めはじめた。
魏無羨は左手に花束を、そして右手には永遠の誓いを立てた夫の手を強く握り、参列者たちが振り撒く祝福の花弁を嬉々として浴びている。普段は表情の変化に乏しい藍忘機ですら、今日は目に見えて頬に歓喜の色を滲ませ、隣を歩く愛しい伴侶へと柔らかな微笑みを向けるばかりだ。
庭園の中央で二人は立ち止まり、人々を振り返る。魏無羨は藍忘機に目配せで合図を送ると、互いに絡めていた手指をゆっくりと解き、両手で花束をぎゅっと握り直した。
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