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    酸化アミノ

    @amino_ammiso

    MDZS (♡✒️→凌澄、忘羨)

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    酸化アミノ

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    こんな感じの忘羨+懐桑の話を書きたかったんですが、おそらく未完でお蔵入りなのでここにお供えしときます

    mdzsで創作し始めた初期の頃に意気込んで書こうとした作品の触り部分ですが、うまいこと続かず寝かせっぱなしでした
    懐桑に対する解釈は未だに難しく感じるので、これは書けないかもなーと断念

    #無言で途中放棄した作品をあげる見た人もやる

    獣の贄(未完) もう随分と昔に退治された妖獣が、長い年月を掛けて封印を破り、今生に復活したそうだ。姿は狼と似ているが、それを実際に見た者はごく僅かだ。今はもう廃墟と化した山村を縄張りにして他の獣や怨霊を使役して人々を襲っている。
     
    「というわけだが、聶宗主は何かご存じだろうか?」
    「……もちろん存在は知っているとも。他ならぬ我が御先祖様が封印した妖獣だと伝わっているから」
    「封印が破られた後は既に大勢の人間を喰っているらしい。さて、宗主はどうお考えだろうか?」
     念押しとばかりに放たれた言葉に懐桑は眉を顰め、視線を真横に逸らす。側に控えている年長の門弟たちにそっと目配せして助言を求めようとするが、「何も答えたくはない」と皆言いたげな様子で沈黙を貫いていた。
     例の妖獣は元々聶家の管轄地にある山村を脅かしていたはずだったが、復活してからはその根城を変えて他世家の狩場を荒らしている。こういった事例は別段珍しくもないことだが、過去に封印を施した清河聶氏の子孫にとって、今回の件は実に頭の痛い話ではあった。
    「聶宗主!」
     魏無羨が威圧的な態度で声高に叫ぶと、懐桑はびくりと大きく両肩を竦めた。その非礼な振舞に聶氏の門弟たちが僅かに警戒を強めたのを横目で見遣ると、魏無羨は唐突に表情を変え、畏まった面持ちで聶宗主へと拱手した。
    「ひとつ、頼みがあります」
    「……何だろうか?」
     わずかな沈黙が流れる。夷陵老祖と含光君がなにゆえ遠路遥々と不浄世へ赴いたのか、推測すれば次に彼らが何を申し入れるのかは想像に容易い。
    「聶家に納められている秘文書の中に、妖獣の記録が残っていないか調べさせていただきたい!」
     やはりそうきたか、と懐桑は苦々しい表情を浮かべて眉間を揉んだ。
     各世家の歴代宗主が遺した文書の数々は、その家々に関わる秘術や秘蔵の法器の詳細が記されているものが多く、本来ならば二つ返事で閲覧を認めて良いものではない。当然ながら魏無羨もその事を知らないわけではないが、如何せん今回の依頼は情報が少なすぎる。大昔の聶家宗主が立ち会って封印したとあらば、それに纏わる記述が必ず残されているに違いないと睨んでのことだ。ここは退くわけにはいかなかった。
     緊張感に耐えられないと言わんばかりに懐桑がさっと視線を脇に逸らすと、魏無羨の傍らで身動ぎもせずにいる藍忘機とうっかり目が合ってしまう。冷氷にも似たその淡色の瞳は彼の携える仙剣の如く、懐桑を今にも射貫かんとばかりに冷徹な目線を向けていた。懐桑を震え上がらせるにはもうそれだけで十分だ。
     はああ、と重い溜息をひとつ落とし、懐桑は側で控えていた年若い門弟へそっと目配せして何かを耳打ちする。物言いたげな表情を浮かべる門弟だったが、いくら世間で一問三不知と笑い者にされる宗主であれど、その命令とあらば決して苦言を申し立てるわけにはいかなかった。
     どうやら聶宗主は腹を括ったようだ。
    「他ならぬ夷陵老祖と含光君の頼みとあらば、私は聞かぬわけにはいかないでしょうね」
     些か含みのある言い方ではあったが、魏無羨たちの嘆願はこの場であっさりと承諾されたのだった。
    「聶宗主に感謝申し上げる」
     一連の遣り取りを黙って見ていた藍忘機がここでようやく口を開き、先程から寸分変わらぬ表情で恭しく拱手する。
    「いえ、感謝すべきはむしろ私の方かもしれない」
    「へえ?」
     それはどういう意味なのかと魏無羨はわざとらしく目を細めて懐桑を見る。
    「正直なところ、今は若輩者の多い我ら一門では手に余ると思っていたからね。藍家諸兄の方々が先陣を切って手を打ってくださるというのなら願ったり叶ったりだ」
     既にかつての名声を落としていることを自覚している一問三不知宗主は、この期に及んで恥じることもなく打ち明けた。四大世家の主がこの様子とは如何なものかと藍忘機は密かに眉を顰めたが、魏無羨の方は腹を押さえてあからさまに笑っている。さすがに不敬だろうと藍忘機が視線で訴えると、口元は緩めつつも詫びの意味で懐桑へと拱手した。

    (中略)

    「あなた方は、あの頃とすっかり変わってしまった様だね?」
     扇子で口元を覆い、懐桑は苦笑いで答えた。
    一瞬の沈黙の後、魏無羨は藍忘機と顔を見合わせる。ふっと溜息の溢れる音がして、真っ先に小さく首を振ったのは意外にも藍忘機の方だ。それに釣られるように魏無羨は盛大に吹き出すと、「そうだな!何も変わってないな」と腹を抱えて笑った。
    「むしろ変わってしまったのは、あなたの方ではないのかな? 聶宗主」
     魏無羨は意味深に懐桑の目を覗き込むと、その口許を隠す美しい扇子に手を掛けようとする。しかしその腕は懐桑にやんわりと払いのけられ、彼は表情ひとつ変えることなく首を振った。
    「私は何も変わらない。先代と比べれば大した才能もなく、周りからは一問三不知と揶揄されるお飾り宗主だ。まさに玄門百家の大莫迦物だよ」
     わざとらしく魏無羨の肩を何度か軽く叩くと、懐桑は眉根を下げて自嘲気味に笑う。
    (──けれど、それで良いんだ)
     懐桑の秘めたる顔は、生涯誰にも明かされることはないだろう。そして、目の前の旧友が言及することもないと確信している。
     座学時代に起こした魏無羨の数々の出来事を思い返し、あの頃はまだ何も知らない子供で良かった、と懐桑は胸中で呟く。
      過去を懐かしむ懐桑の柔らかな眼差しの裏に閉じ込められているのは、誰よりも計算高く、仄黒い感情さえ秘めた獣の面影だった。


    ≪未完≫
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    酸化アミノ

    MAIKING【交流会 新作】
    金凌と江澄が忘羨の婚礼を見届ける話

    ─────

    (わかりにくいですが)凌澄のふたりだけには前世からの記憶があり、まだ一度も結ばれたことがないという特殊設定を含んでいます
    公開している部分は忘羨要素多めになっていますが、最終的には凌澄が幸せになる話(の予定)

    ※続きは完成次第公開させていただきます
    ハレの日に捧ぐ【凌澄&忘羨(現代AU)】 荘厳なチャペルの扉が開かれ、その中から姿を現したのは、純白のタキシードをそれぞれ身に纏った魏無羨と藍忘機である。
     二人は参列者に向かって一礼をすると、悠然とした足取りで外階段を降り、鮮やかな花々で彩られた庭園内へと歩みを進めはじめた。
     魏無羨は左手に花束を、そして右手には永遠の誓いを立てた夫の手を強く握り、参列者たちが振り撒く祝福の花弁を嬉々として浴びている。普段は表情の変化に乏しい藍忘機ですら、今日は目に見えて頬に歓喜の色を滲ませ、隣を歩く愛しい伴侶へと柔らかな微笑みを向けるばかりだ。
     庭園の中央で二人は立ち止まり、人々を振り返る。魏無羨は藍忘機に目配せで合図を送ると、互いに絡めていた手指をゆっくりと解き、両手で花束をぎゅっと握り直した。
    3233

    酸化アミノ

    DOODLEお題お借りして短い凌澄をひとつ

    恋人設定なふたり
    なんだかんだでこのあとめちゃくちゃ抱かれるんだとおもいます(雑)

    ─────

    あなたは凌澄で
    『白々しいとか言わないでよ。』
    『嘘でもいいから、信じてよ。』
    『手を繋ぎませんか?』
    のいずれかの台詞を使ってお話を考えてください。

    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/602089
    誘う(凌澄)「……叔父上、手を繋ぎませんか?」
     どこかぎこちない台詞と共に肩を寄せ、おずおずと手の甲に触れてきた金凌の指先をちらりと一瞥し、江澄は鼻先で笑った。
    「何を白々しいことを」
    「白々しいとか言わないでよ!」
     声高に叫んだ金凌の横顔はすっかり朱に染まっており、言葉の裏に見え隠れする真意など、既に分かりきっている。
     江澄は微笑を浮かべ、金凌の腕を肘で軽く小突いてやった。
    「手を繋ぐだけで済む話か?」
    「それは……」
     もの言いたげな表情で視線を泳がせている甥の横顔を眺めながら、江澄は溜め息をひとつ落とす。
    「こっちを見ろ、阿凌」
     低い声で名を呼べば、金凌がびくりと肩を震わせた。江澄はもう一度小さく名を呼び、おもむろに金凌の顎を鷲掴む。すっかり視線を捕らえられてしまった金凌は薄く唇を開き、呆然と瞬きを繰り返していた。
    434

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    MOURNING #無言で途中放棄した作品をあげる見た人もやる

    出来立て門梶のゆ~だいがばくさんとお喋りする話 突然始まって突然終わる
    酔った勢いで……という訳ではない。
     当然である。
     何故なら、酒など一切飲んでいないのだから。


     なのでこれまた当然の事ながら、昨晩自分が何をしたかも全てしっかり覚えている。
     今現在横で寝息を立てている己の専属会員を散々喘がせ、泣かせ、弄くり倒した挙げ句に半ば意識を失うような形で眠りに就かせたという事を。
     目線だけで横を見やると、シーツから覗く梶の首筋に幾つもの鬱血の跡が残っている。

    (……幾ら何でもこれはやりすぎと違うかワシ……)

     賭郎会員とその専属立会人というお互いの立場を考えると誘いに乗るべきでは無かったと思う。
     そもそも門倉自体、本来ならば梶のような子供に誘われた所でそれに乗るような男ではない。
     ならば何故こんな事になったのか。
     子供の懇願を無碍にするのが忍びなかった、或いは性欲が溜まっていてその捌け口が欲しかった……それらしい理由は幾つか思い浮かぶ。
     だが、そんなものは言い訳にしかならない事を門倉は分かっていた。
     何故かなどと簡単な事だ。
     ただ単純に、梶に求められて嬉しかっただけ。
     惚れた相手に求められて断る術を持たなかっただけなのだ。
     しかし 2689

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    DOODLE貴方は時間があるなら『膝枕をして照れている早野のゆかくら』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください。
    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/524738

    親知らずが痛い皋のためにうどんを柔らかめに茹でる昏見
    #お題ガチャ #男ふたりの色んなシーン https://odaibako.net/gacha/1739?share=tw
     いつも通り昏見は皋宅に忍び込んだ。
     そしていつも以上にむっすりした表情の皋にどうしたのか、と聞いて、返答が返ってきたとき、昏見は泣きそうになってしまった。
    「おひゃしらつがいはい」
     信じがたい滑舌である。
     あの皋所縁が!
     奥歯に物が挟まったような言い方って実際にあるとこんなにフニャフニャなんですね録音して逆タイムカプセルに詰め込んでイケイケだったころの所縁くんに聞かせてあげたいですきっと泣いて喜びますよ、と返してあげると、皋は不機嫌そうな顔をしたけれど何も言わなかった。
    『おひゃしらつがいはい』
     昏見の最新式・皋翻訳機だからこそ意味が分かる。つまり、
    「親知らずが痛い」
     ということである。
    「うーん、親知らずって懐かしいですね。私も昔は毎日屋根の上に投げてましたよ。痛いって事は変な生え方をしているんじゃないですか? はい、あーん」
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