①
子供の頃、父親に連れられて時々遊びに行ってた大きなお屋敷。
そこには遊真と同じ歳の子どもがいて、その子と遊ぶのが一番の楽しみだった。
もの静かで物知りなその子供に、いたずら好きで暴れん方な遊真も大人しく従い、生まれた時から一緒にいたみたいに仲睦まじく過ごす様子は周りの大人達を和ませた。
そんな中、あるウワサが遊真の耳に入ってきた。
『あの屋敷の子供は魔性の目を持っている』
『あの緑の瞳を見た者は魔に魅入られてしまう』
遊真と仲の良い事を知ってる大人にずけずけと
「お前もアイツに魅入られたんだろう」
そう言われた事がある。
意味はわからねど、あの子が悪く言われるのは許せない、と、問答無用で叩き潰した遊真だった。
②
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