年賀用SS りぱに飼われてるれっさべだー 新年初の朝、リッパーはベッドに馴染みのある温もりがない事に気がつく。
もしや、とリビングへ行けば……居た。
鏡餅の上に橙色のふさふさとした獣が一匹。レッサーパンダのレッサベダーだ。落ち着く、といってちょこんと乗っている。
ベッドよりも、季節に合わせた鏡餅形のクッションの方がお気に召したらしい。
「ひどいですね、冬の朝は冷えるというのにベッドに私を一人きりにするなんて」
冗談交じりに声をかけ、一撫でする。レッサベダーは、心地良さそうに目を細めながら返事をした。
「……ん、おはよう。いや、あけましておめでとう、か? 少し小腹が空いてベッドを出たから、身体が冷えてな」
暖炉の火が消えたキッチンは寒かった、とレッサベダーは自分のしっぽをマフラーのように巻いている。
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