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    junta9583

    @junta9583

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    junta9583

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    マフィAU
    🍌真珠

    何でも美味しく食べられる方向け

    #xicheng
    #曦澄

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    related works

    takami180

    PROGRESS恋綴3-2(旧続々長編曦澄)
    転んでもただでは起きない兄上
     その日は各々の牀榻で休んだ。
     締め切った帳子の向こう、衝立のさらに向こう側で藍曦臣は眠っている。
     暗闇の中で江澄は何度も寝返りを打った。
     いつかの夜も、藍曦臣が隣にいてくれればいいのに、と思った。せっかく同じ部屋に泊まっているのに、今晩も同じことを思う。
     けれど彼を拒否した身で、一緒に寝てくれと願うことはできなかった。
     もう、一時は経っただろうか。
     藍曦臣は眠っただろうか。
     江澄はそろりと帳子を引いた。
    「藍渙」
     小声で呼ぶが返事はない。この分なら大丈夫そうだ。
     牀榻を抜け出して、衝立を越え、藍曦臣の休んでいる牀榻の前に立つ。さすがに帳子を開けることはできずに、その場に座り込む。
     行儀は悪いが誰かが見ているわけではない。
     牀榻の支柱に頭を預けて耳をすませば、藍曦臣の気配を感じ取れた。
     明日別れれば、清談会が終わるまで会うことは叶わないだろう。藍宗主は多忙を極めるだろうし、そこまでとはいかずとも江宗主としての自分も、常よりは忙しくなる。
     江澄は己の肩を両手で抱きしめた。
     夏の夜だ。寒いわけではない。
     藍渙、と声を出さずに呼ぶ。抱きしめられた感触を思い出す。 3050

    takami180

    PROGRESS長編曦澄17
    兄上、頑丈(いったん終わり)
     江澄は目を剥いた。
     視線の先には牀榻に身を起こす、藍曦臣がいた。彼は背中を強打し、一昼夜寝たきりだったのに。
    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
     魏無羨と藍忘機は、二人を宿の二階から動かさないことを決めた。各世家の総意でもある。
     今も、江澄がただ水を取りに行っただけで、早く戻れと追い立てられた。
    「とりあえず、水を」
     藍曦臣の手が江澄の腕をつかんだ。なにごとかと振り返ると、藍曦臣は涙を浮かべていた。
    「ど、どうした」
    「怪我はありませんでしたか」
    「見ての通りだ。もう左腕も痛みはない」
     江澄は呆れた。どう見ても藍曦臣のほうがひどい怪我だというのに、真っ先に尋ねることがそれか。
    「よかった、あなたをお守りできて」
     藍曦臣は目を細めた。その拍子に目尻から涙が流れ落ちる。
     江澄は眉間にしわを寄せた。
    「おかげさまで、俺は無事だったが。しかし、あなたがそ 1337

    takami180

    PROGRESS恋綴3-5(旧続々長編曦澄)
    月はまだ出ない夜
     一度、二度、三度と、触れ合うたびに口付けは深くなった。
     江澄は藍曦臣の衣の背を握りしめた。
     差し込まれた舌に、自分の舌をからませる。
     いつも翻弄されてばかりだが、今日はそれでは足りない。自然に体が動いていた。
     藍曦臣の腕に力がこもる。
     口を吸いあいながら、江澄は押されるままに後退った。
     とん、と背中に壁が触れた。そういえばここは戸口であった。
    「んんっ」
     気を削ぐな、とでも言うように舌を吸われた。
     全身で壁に押し付けられて動けない。
    「ら、藍渙」
    「江澄、あなたに触れたい」
     藍曦臣は返事を待たずに江澄の耳に唇をつけた。耳殻の溝にそって舌が這う。
     江澄が身をすくませても、衣を引っ張っても、彼はやめようとはしない。
     そのうちに舌は首筋を下りて、鎖骨に至る。
     江澄は「待ってくれ」の一言が言えずに歯を食いしばった。
     止めれば止まってくれるだろう。しかし、二度目だ。落胆させるに決まっている。しかし、止めなければ胸を開かれる。そうしたら傷が明らかになる。
     選べなかった。どちらにしても悪い結果にしかならない。
     ところが、藍曦臣は喉元に顔をうめたまま、そこで止まった。
    1437

    recommended works

    takami180

    PROGRESS長編曦澄10
    兄上やらかす
     夜明けの気配がした。
     藍曦臣はいつもと同じように起き上がり、ぼんやりとした薄闇を見つめた。違和感がある。自分を見下ろしてみれば、深衣を脱いだだけの格好である。夜着に着替えるのを忘れたのだろうか。
    「うーん」
     ぱたり、と藍曦臣の膝に何かが落ちた。手だ。五指をかるく握り込んだ手である。白い袖を視線でたどると、安らかな寝顔があった。
    「晩吟……」
     藍曦臣は額に手のひらを当てた。
     昨夜、なにがあったのか。
     夕食は藍忘機と魏無羨も一緒だった。白い装束の江澄を、魏無羨がからかっていたから間違いない。
     それから、江澄を客坊に送ろうとしたら、「碁はいいのか?」と誘われた。嬉しくなって、碁盤と碁石と、それから天子笑も出してしまった。
     江澄は驚いた様子だったが、すぐににやりと笑って酒を飲みはじめた。かつて遊学中に居室で酒盛りをした人物はさすがである。
     その後、二人で笑いながら碁を打った。
     碁は藍曦臣が勝った。その頃には亥の刻を迎えていた。
    「もう寝るだけだろう? ひとくち、飲んでみるか? 金丹で消すなよ」
     江澄が差し出した盃を受け取ったところまでは記憶がある。だが、天子笑の味は覚えて 1652

    takami180

    PROGRESS長編曦澄12
    おや兄上の様子が……?
     金鱗台で清談会が開かれる。
     その一番の意味は、新しい金宗主を筆頭にして金氏が盤石であると、内外に知らしめることである。
     江澄はそのために奔走していた。
     今回ばかりは金凌が全面的に表に立たねばならない。彼を支えられる、信頼に足る人物をそろえなければいけない。なにより江澄が苦心したのはそこだった。
     おかげさまで、金光善の時代に金氏を食い物にしていた輩は、金光瑶によって排されていた。しかし、今度は金光瑶に傾倒する人物が残されている。彼らに罪はない。しかし、金凌の側に置くわけにはいかない。
     江澄が目をつけたのは金深微という人物であった。金光善、金光瑶と二人の宗主の側近として職務を果たしてきた仙師である。すでに白頭の老仙師だが、その分見識は深い。
     彼を第一の側近として、その周囲を金凌の養育に関わってきた者たちで囲む。金光瑶の側近でもあった彼が中枢にいれば、派閥の偏りを口実にした批判は潰せる。
     金深微は忠実に黙々と実務に勤しむ。それは宗主が誰であろうと変わらない。そのような彼に信頼が置けるからこそ採用できた布陣である。
     金宗主として宗主の席に座る金凌を、江澄は江宗主の席から見上げ 4006

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄6
    思いがけない出来事
     午後は二人で楽を合わせて楽しんだ。裂氷の奏でる音は軽やかで、江澄の慣れない古琴もそれなりに聞こえた。
     夕刻からは碁を打ち、勝負がつかないまま夕食を取った。
     夜になるとさすがに冷え込む。今夜の月はわずかに欠けた十四夜である。
    「今年の清談会は姑蘇だったな」
     江澄は盃を傾けた。酒精が喉を焼く。
    「あなたはこれからますます忙しくなるな」
    「そうですね、この時期に来られてよかった」
     隣に座る藍曦臣は雪菊茶を含む。
     江澄は月から視線を外し、隣の男を見た。
     月光に照らされた姑蘇の仙師は月神の化身のような美しさをまとう。
     黒い瞳に映る輝きが、真実をとらえるのはいつになるか。
    「江澄」
     江澄に気づいた藍曦臣が手を伸ばして頬をなでる。江澄はうっとりとまぶたを落とし、口付けを受けた。
     二度、三度と触れ合った唇が突然角度を変えて強く押し付けられた。
     びっくりして目を開けると、やけに真剣なまなざしとぶつかった。
    「江澄」
     低い声に呼ばれて肩が震えた。
     なに、と問う間もなく腰を引き寄せられて、再び口を合わせられる。ぬるりと口の中に入ってくるものがあった。思わず頭を引こうとすると、ぐらり 1582