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    ごんべえ

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    ごんべえ

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    闇の父水もどきです。

    #父水

    おとうさんたち、演技上手だねって話「ああ、なぜこんなにも愛しておるのにワシのものにならぬのじゃ。なぜワシを受け入れてくれぬのじゃ。
     ワシではない者を映す瞳などいっそくり抜いてしまおうか。ワシではない者と愛の言葉を交わす唇など縫い付けてしまおうか。ワシではない者に触れようとするその手など切り取ってしまおうか。ワシではない者と共に歩もうとするその足など折り曲げてしまおうか。
     そうじゃ。そうすればあやつはワシ以外とは添い遂げられぬ。ワシにしかあやつを最期まで愛することなど出来はせぬ。」

     そうじゃろう?●●よ。
    男がうっそりと微笑み一枚の写真に口づけを落とした。
    その写真にはかつて友として接していた頃の男と●●の二人が写し出されていて、男の心の拠り所となっているモノであった。


    「ああ、神様。彼があんなに変わってしまったのは僕のせいなのでしょうか。清らかで優しく愛に溢れた彼があんなふうになってしまったのは、僕が彼の愛を拒絶してしまったからなのでしょうか。でも僕は彼とは大切な友達でいたかったのです。唯一無二のその関係を壊すことなどしたくはなかったのです。」

     その男はとある屋敷の地下にある座敷牢に縄で繋がれていた。
    いつからここに閉じ込められているのか分からない。助けを請う声も壁を叩く音も地上までは聞こえない。
    男がここに閉じ込められていることは、この屋敷の主人以外は誰も知らない。
    ―知ってはいけない。
     
    そして今日も地下に向かう下駄の音がカランコロンと響いている。
     


    「おとうさんたち、すごいです。この迫真の演技。」(拍手)
    「なぁ、鬼太郎。これって本当に小学生のやる劇の内容なのか?」
    「そうですよ?今度の学芸会で発表する演劇の内容で合ってます。」
    「…そうか。もっとこう子どもらしい桃太郎とか浦島太郎とかでいいんじゃないか?これはちょっと大人向けというかドロドロし過ぎだろう。」
    「今の子どもは随分とおませさんなんじゃのう。」
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    ごんべえ

    DOODLE映画本編後の話

    妻を亡くして10年ほど経ったぐらいから妖怪たちから後添いは作らないのかと話が持ちかけられるようになった👁️。と同時期に👁️に懸想している女妖怪が現れ、一度会ってほしいと手紙が寄せられ、会うことに。その場に💧🌳も同席して欲しいと👁️から頼まれた水木は了承するが、、
    という話です。まだ続きます。
    ※👁️は身体あり 💧は記憶あり
    試す男と、言わない男幽霊族の旦那、あんたそろそろ後妻を迎え入れる気はないのかい?」

     どうやら妖怪の中にも人間と同じようにお節介焼きがいるらしい。
    ゲゲ郎に後妻云々の話が持ち込まれたのは何もこれが初めてではない。もう十は数えられるだろうか。
    ゲゲ郎の嫁さんが亡くなって10年過ぎた辺りから、そういった縁談話を持ち掛けられることが多くなった。妖怪の倫理は分からないが、強い種族の者と番になって種の存続や繁栄を求める気持ちは妖怪も人間も変わらないらしい。
    しかし当の本人は後妻を迎え入れる気はさらさらなく、毎回律義に理由を付けては断っていたのだが、あんまりにもしつこく続くためいつからか同居する俺にも相談するようになっていた。人間の見合いでいう釣書のようなものを渡してきて、「今度の相手は大丈夫だろうか?」だなんて聞いてくるゲゲ郎に対して、俺は「岩子さんと同等かそれ以上に愛することが出来ると思えるなら受け入れてもいいんじゃないか」と返し、暗に却下するように誘導している。ゲゲ郎にとって岩子さんの存在こそ最上の愛であると思っているから、それに並びうる相手が現れるなんて絶対無理だと確信していた。
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    ごんべえ

    MAIKING色んなものを引き寄せやすくなってしまっている水木を心配して、とあるまじないを施す過保護なゲゲ郎。
    そんな中、仕事で地方へ出張している水木の身にとあることが起きて…
    みたいな話です
    今回の出張の目的である顧客との打ち合わせ云々の時間までまだ少し余裕があった水木は、途中で見かけた神社に立ち寄ることにした。タクシーの運転手にその旨を伝えると、その神社の歴史を教えてくれた。
    今では古びた小さな神社になってしまったが、その土地に住まう人々に昔から大切にされてきたという。
    昔は子どもたちの遊び場にもなっていて、かく言う自分も子ども時分にはよく境内でかくれんぼや鬼ごっこなんかして爺さんら大人に罰当たりなことするなと叱られたもんですわ、と運転手が話しながら笑っていた。
    その話を聞いていた水木がふと思い出したのは、あの哭倉村の山の手にあった神社だった。
    龍賀家当主が代々引き継ぐというその神社では土着の神を祀っており、あやしい儀式を執り行っていた。その正体は、何の罪もない幽霊族や人体実験の犠牲になった人々の数多の怨念によって生まれた妖怪狂骨を術によって窖の結界内に抑え込んでいたというなんとも惨たらしいものだった。
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