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    exc_1219(えー)

    @exc_1219

    なんか書いてる。七五、五条好きだけど素直じゃない七海と七海大好きなのに軽くしか言えない五条が大好き。

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    exc_1219(えー)

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    吸死と七五のクロスオーバー。頭の中に話はあるが書き上がる気がしない。格好良く銃を撃つロナルドは書きたいが最強が居るので仕事できない気がする。ナニコレ。供養。

    #七五
    seventy-five
    #吸死
    suckedToDeath
    #クロスオーバー
    crossover

    94+75でクロスオーバー「遅っそいなぁ、いつ来るんだよ」
     すでに時計の針は夜の八時を回っている。
     横浜の雑踏が騒がしい。
     JR新横浜駅近く、セブンイレブンの近くの歩道に突っ立って行き交う人々を眺めながら、特級呪術師の五条悟は口の中で文句を漏らし、ポケットから引っ張り出したスマートフォンの画面を叩いた。
     慌てて返信してきたのだろう、「あとごふでとうちゃしま」と奇妙な日本語の送り主は東京都立呪術高等専門学校の補助監督だった。年若いことは知っていたが顔をうっすらとしか思い出せないところから考えるに、補助監督になって日が浅いのだろう。
     今日の昼間は一際日差しが強かった。
     仕事はあと一つだし早く帰ってシャワー浴びたいなぁ、と口中でぼやいた五条は騒がしい雑踏に混じって聞き知った声が流れてきた気がして顔をあげ、いやいや違うだろと視線を落として、また顔をあげる。
    「五条さん!」
    「え、……なんで?」
     改めて視線を投げたそこに、一級呪術師の七海建人の姿があった。
     忙しない足取りで歩み寄ってくる。
    「先ほどから何度も呼んだんですが?」
    「まさかオマエが来るとか思わないじゃん。何してんの、ここで」
    「アナタが適当にほっつき歩いているからみなが苦労しているんです。東京駅で合流する予定だったのでは?」
    「仕方ないだろ、横浜(ここ)まで来ちゃったんだから」
    「……――」
     物言いたげに黙り込んだが、それ以上追求することはせず、七海建人は取り出したスマートフォンを操作してどこかへ連絡を取る。ふと思いついて彼の手を取り、連絡を止めさせながら「これから何か食べに――」と言い掛けて、五条は口を噤んだ。
    「……七海」
     アナタなにを、と文句を言い始めていた七海はすぐさま口を閉じる。
     こちらの視線を追い掛けて同じ方向へ顔を向けた。
    「呪霊ですか」
    「七海ィ、見てみて。あの男、めっちゃ顔色悪い」
    「はぁ?」
    「……まるで人間じゃないみたいだ」
    「!」
     呪術師としての真摯な顔から軽蔑しきった表情、そこからまたはっと顔色を変える後輩を器用だなと思いつつ、五条は少しあごをあげて自分で示した男を眺めた。
     まるで中世の貴族のようなずいぶんと古風な衣装の上に引きずりそうなほどに長く黒いマントを纏っている。隣に居る銀髪の男の赤い衣装を見てもコスプレにしか見えないが、やはり顔色が異常に悪かった。
     まるで死人のようだ。
     七海はさり気なくサングラスを外し、また付け直しながら訝しげに目を細める。
     黒いマスクを押し上げた五条は彼に身を寄せた。
     肩に腕を乗せてのし掛かる。
    「オマエはどう思う?」
    「呪霊、……とは思えないですが。隣の男は親戚ですか?」
    「あれ白じゃなくて銀髪だと思うけどなぁ。あ、でももしかして目も青? あれ、僕にあんな親戚居たっけ?」
    「私に聞かないでくださいよ。どうなんです?」
    「たぶん違うと思うけど、どうせなら聞いてみよっか」
    「は?」
     七海の腕をがしっと掴み、五条は周囲の人々を押しやるようにしながら歩き出した。ちょっと、と背後であがる抗議の声を聞きながら真っ直ぐに手を挙げ、そこの赤い人と顔色の悪い人ー! と声を張り上げる。
     三度目に呼んでようやっと、並んで何かを覗き込んでいたふたりがこちらを見た。
    「ロナルド君、誰だね? 君の親戚か?」
    「はぁ? 髪の色が白かったらみんな俺の親戚かよ! そんなワケねぇだろうが! 顔色の悪い人ってどう考えてもお前だろ!」
     うわぁ顔色の悪い人、サリーちゃんのパパみたいな髪型してるなぁと驚きつつ、五条は七海を引きずって二人の傍らまで歩み寄った。近くで見ると本当に男の顔色は悪く死人しか見えず、赤い衣装はなかなか奇抜だった――ドクロじゃん。
     ロナルドと呼ばれた男が覗うように見上げてくる。
    「あの、俺たちに何か?」
    「君たちさぁ、五条悟って知ってる?」
    「ゴジョウ……? えっと、俺は知らない、ですね。おいドラルク、知ってるか? お前こういうのは得意だろ、ゲームとか芸能界とか」
     はぁ? と顔色の悪い男は大仰に眉尻を跳ね上げた。
    「君は私をなんだと思っているんだね? 知らないのなら知らないと言えばいいことだろう。申し訳ない、彼は私が思っているよりバカなので、知らないことをただ知らないと言えないんです」
    「誰がバカだこのクソ砂! お前が知ってるか確かめただけだろうが! いつも一言多いんだよ!」
    「自分の無知を認めたくないだけだろうが若造! 私が知らなくて安心した顔をしておきなが――」
    「!」
     特級呪術師の五条悟と一級呪術師の七海建人は同時に愕然となった。ロナルドと呼ばれた男がドラルクを殴った瞬間、顔色の悪い男が一瞬で砂となって崩れ落ちたからだ。五条は後ろから飛び出し掛けた七海の腕を咄嗟にしっかりと掴んで押し留め、さり気なく組んで間を持たせると、足下の砂の固まりを指差した。
    「あのさ、これ――」
    「え、あぁ、驚かせてすみません。こいつ、ミミズ級の吸血鬼なんですぐ死ぬんで」
    「……吸血鬼」
    「旗色が悪くなったからってすぐに私を殺すな! 往来だと砂が飛ぶだろう!」
     は? と七海が真後ろで不穏な声をあげるのを聞いている間に、まるで先ほどとの逆再生のようにドラルクがもとの姿を取り戻していく――同時に声を張り上げて文句を言う。なぜかちゃんと服も着ていた――なんだこれ、すごいな! どうなってんの?
    「あ!」
     いきなりロナルドが声をあげ、なぜかニコニコと嬉しそうに笑い始めた。
    「もしかして二人とも、どこかから来たハンターさんですか! 服装、はあまり凝ってないんですね! でもそのマスクとサングラス、素敵です!」
    「あぁ、そういうことか。ゴジョウサトルというハンターをお捜しかね? ならばギルドへ行くのが一番早いと思うが」
     何が何だかさっぱりわからないが、この誤解はのちのち面倒そうだった。組んでいた腕を七海が引き抜くのを感じながら五条は自分を指差す。
    「五条悟って僕なんだけど」
    「――――」
     ふっとなぜかドラ公と呼ばれた男――吸血鬼? ――は遠い目になり、腕を伸ばしてきて肩に手をぽんっと載せて無言で首を振り、無言で親指を立ててくる。
     ロナルドが慌ててその手を振り払った。
    「止めろバカ、せっかくシンヨコに来てくれたハンターだぞ きっと俺たちが知らないだけで有名なハンターなんだよ!」
    「……もしかして僕、自分が有名かどうか確かめた痛い人扱いされてる?」
    「確実にそうでしょうね」
     ようやっと色々な諸々を飲み込んで消化したらしく、一級呪術師、七海が後ろでぼそりとつぶやいた。
    「まぁ、普段から五条悟五条悟ってうるさいですけどね、アナタは」
    「当たり前だろ、僕、最強――」
    「ギルドに行くなら俺が案内しますよ!」
    「――……」
     ふたりは一緒になってロナルドを見下ろした。
     銀色の髪、青い目の青年は――え? 中学生じゃなくて青年だよね? ――なぜか嬉しそうなままあらぬ方を手振りで示した。
    「顔合わせするならぜひ行きましょう! 俺は事務所持っちゃったんですけど、ギルドにはよく顔を出してるんで!」
     もしふたりがハンター――大体なんのハンター? ――ならば彼の申し出は間違いなく親切なのだろうが、いまいち状況の掴めていない五条と七海が思わず顔を見合わせると、待ちたまえ! とドラルクがやけにいい声を張り上げる。
    「ロナルド君、まだ私の位置ゲーのアイテム回収が終わっていないんだが! 二人居ないとゲットできないってあんなに何度も説明しただろう!」
    「あとにしろ、あとに。明日ならまた付き合ってやるから」
    「今日までなんだよ、だから来たんだろうが!」
    「うるせぇ、そこで黙って死んでろクソ砂ッ! さぁ行きましょう!」
    「七海ィ」
     また殴られて死んだ砂が一瞬にして人の姿に戻り、ふたりはやいのやいの言い合いながらどこかに向かって歩き出す。だが案内しているつもりのようで、ロナルドは振り返っていい顔でこっちです、と行き先を示した。
     あぁこれ、幻覚じゃなかったら僕の知らない異世界だな、などと胸の裡で独りごちながら五条は手を伸ばし、極めて渋い顔をしている後輩の腕を掴んで引っ張った。騒がしい二人の後を追いながら声を潜めて囁く。
    「大丈夫? 息してる?」
    「……吸血鬼って存在するんですか? でも呪霊じゃないことはわかります。わかるんですが、本当に居るんですか吸血鬼が」
    「さすがの僕も知らないなぁ。でも気付いてるでしょ、オマエも」
     かなり混乱していたようだが、事務的に仕事を装って話を振ると、優秀な一級呪術師は少しばかり青くなった顔でうなずいて額の汗を掌で拭った。
     その手でサングラスを外して訝しげに周囲を見回す。
    「えぇ、わかっています、これだけ人が居るのに恐ろしく“呪い”が薄い」
    「正直言うとこのマスクだと前が見えなくなってきた。うわ、ちょっと無理」
     いきなり目の前が真っ暗になり、五条は急いで顔の黒いマスクを外した。途端、世界が見たことのない輝きと色に満ち、特級呪術師、五条悟は驚いて何度も目を瞬かせる――うわ、ナニコレ。コレが“呪い”のない世界ってこと? めっちゃキレイ。
    「五条さん、足を止めないで」
     いつの間にか立ち止まってしまっていたらしい。七海に名を呼ばれながら腕を掴んで引っ張られ、五条は周囲を緩やかに見回しながら歩き出した。自分の手、車道を行き交う車両、足もとの靴の輝きを見つめて、気が付けばクツクツと笑い出している――マジかぁ、半分くらい意味がわからないけど夢ならもう少し見ていたな!
    「……気持ち悪いんですが、その笑い」
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