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    bocchi_takagi

    @bocchi_takagi

    14創作と龍 文字書き

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    bocchi_takagi

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    フォロワーさんのイラストをもとにしたギャグ?的なお話。
    時系列とか諸々は捏造です。(イメージは6後~3K作戦前)

    静けさの前の嵐 寝静まった家の中、遥は一人、居間でノートとスマホを交互に見る。アサガオの運営していくにあたり使ったお金の管理並びに皆の学費や学校行事に伴った出費をひと纏めにするのは、決まって皆が眠りについた夜更けのことである。
     最後のレシートをまとめたところでふーっと息を吐くと、テーブルに置いていたスマートフォンを手に取った。画面には愛する息子。今日は既にベッドで横になっている。
     あまり自分から発信することはないと言っても、やはり年頃であるから何の気無しにSNSを開いたらそこには驚くべき画像が目に入る。
    「えっ、これって……」
     遥のスマートフォンに映ったもの、目の前にいるわけではないのに頭の中で独特のイントネーションで話す声がする。見間違えるはずはない。父のような存在であった人と強い因果で結ばれているかの関東の極道組織、東城会幹部・真島吾朗の姿だった。
    「24時間シンデレラ……? 真島JINGI……?」
     遥の頭の中にははてながいくつも並ぶ。自分にとっては直接の関わりはないにせよ、接点がある人物であり、決して「表の」人間ではない。その人がどうしてSNSに? 例え遥でなくとも、驚かないはずはなかった。
     思わず浮かんだ顔に遥の指先は連絡帳アプリを開いていた。もう随分夜も更けてしまい迷惑だろうことは自明だったし、起きてから冷静になってとも思った。それでも大切な家族である人に繋がる情報とあれば動かないわけにはいかなかった。スマートフォンを耳にあて、コール音がこだまする。あと1コールで出なければ切ろうと思ったところで、コール音は鳴り止み、相手の声が聞こえる。
    「どうしたんだい? 遥ちゃん」
     電話の主はかつて神室町、ひいてはアイドルを目指した蒼天堀でもお世話になった秋山である。
    「こんな夜更けにすみません」
    「いやいや、遥ちゃんがこんな時間に電話するだなんてただ事じゃないよね。どうしたんだい?」
     責めるどころか心配され遥の良心は痛んだ。再び謝罪の言葉を述べた後手短に事の次第を伝えた。
    「真島さんが? なかなか変わった人だけど……っとこれか。伝説の、アイドル……?」
    「なんだかよくわからないけど、偶然これを見かけて……おじさんともゆかりのある人だからもしかしてって思ったんですけど……」
    「あぁ……そう、だよね。ましてや今も現役の極道、しかも大幹部がSNSに出るだなって一体何を……オレも今知ったくらいだから状況はよくわからないけど、もし何かわかったら連絡するね」
    「すみません、ありがとうございます」
     何の収穫も得られぬまま終話し、テーブルの上にスマートフォンを置いた。画面に映るのはどんどん拡散されていく真島の画像。それにしても伝説のアイドルとは一体どういうことだろうか。

     真島吾朗の画像が拡散された翌朝。神室町のとある一室では高らかな笑い声と低い呆れ声が部屋の中で混ざり合っていた。
    「いやぁ~これはなかなかやな」
    「何が『なかなか』なんや、兄弟。なんでまあこないな目立つことやっとんのや」
    「ええやないか。今しかできんやろ? せやからエイプリルフールに乗っかってこういうの一回やってみたかったんや」
     えらくご機嫌な真島に対し、ついていけんと呆れながらどさりとソファーに座る冴島。そう、今日は4月1日――エイプリルフールである。世間では嘘をついても良いという風習が広まり、今ではSNSを使って企業なども面白い企画などが散見されるようになったが、その流行りに便乗したものだったらしい。
    「ほんまは嘘やなくてホンモノにしたってええんやけどな~」
     ソファーの背もたれに背中を預けて笑う真島だったが、楽しげな笑みを抑えて今度は静かに呟いた。
    「目立てるのも今日が最後や。大目に見たってや、六代目」
    ――神室町で3K作戦と呼ばれる動きが始まる少し前のお話。
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    Replies from the creator

    bocchi_takagi

    MOURNINGnotすけべでエロい趙さん書こうと思ったんだけど難しくて頓挫した。
    すけべじゃないエロチャレンジ 誰が言ったかはもう過去のことで、大事なことは目の前にある事実だけである。横浜流氓の元総帥、趙天佑は女から見ても、男から見ても大変色気のある男だ。異人町にある中華マフィアの総帥ともなれば、おいそれと近づくことはできず、一般市民であれば闇を煮詰めたような世界と関わることすらしない。ただ偶然が重なり、彼のそばに近づいた者は口々に言うのだ、彼からとても「良い匂い」がする、と。
     一口に匂いと言っても、鼻を掠めるような香水であったり、風呂上がりの優しい石鹸の香りであったり様々だが、人々が口にするのはそれらであって、そのいずれでもない。見えないはずの匂いが時に色となって現れる。
     それを助長させているのは恐らく、彼特有の話し方が一端を担っている。気だるそうに間延びした言い回し。それでいて放たれる言葉は刃の様に鋭く、音となり首元に突き刺してくる。懐に入り込まれそうな懐っこさを見せたかと思えば、地鳴りを起こしそうなほどの低いではないのにドスの聞いた圧のある響き。彼自身、総帥という立場に対して自信なんてものはないのだが、傍目に見れば収まるべくして収まったとも言うべき器量の高さ。艶めいているように見えるのは贔屓目だろうか。
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