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    bocchi_takagi

    @bocchi_takagi

    14創作と龍 文字書き

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    bocchi_takagi

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    古びた昔ながらのアパートで隣に住んでるわぎさんと真の話。捏造だらけのIF話です。もしかしたら続くかもしれないし、続かないかもしれない。

    隣に住む人は街の中の喧騒はどこ吹く風。一歩道を外れて、繁華街から離れれば先程まであった人混みはなくなり、同じ世界とは思えないほどの静けさである。どこもかしこもバブルの波で札束が舞うことすらあるというのに、立ち並ぶ家屋はいわゆるおんぼろなアパートばかりだ。風呂はなくとも、トイレは各部屋にあるだけマシ、それくらいの差しかない。
    真島は蒼天堀から神室町に戻ってきて早一ヶ月。運良く転がり込めた四畳半足らずの根城は殺風景だったが、もう監視の目もない。極道の世界に戻り、舞い戻った日常を過ごしながら敷いている意味があるかどうかもわからない布団に転がり込む。
    二階建てのアパートの角部屋、極道モンが住んでると知られているのか、この時代最近建ったばかりの高層マンションに移り住んでいったのか、夜になっても人の気配はなく、静寂は蒼天堀という牢獄を彷彿とさせ、真島は舌打ちをするとくたびれた布団の上で図体に合わないほど小さく丸まった。
    うつらうつらとしたまま気づけばそのまま寝入り、窓の外はすっかり闇に溶けている。暗い部屋の中で手を伸ばして時計を手に取るとちょうど二つの針はてっぺんを差しているところだ。食べる気力も起きずこのまま二度寝をしようか、その前に煙草でもと思ったところでずかずかとした足音が聞こえる。
    遠慮のない音に、真島の背筋はピンと伸びた。戻ってまもないとは言え、関東最大の極道組織・東城会に属する嶋野組の一員。極道がいつ誰に狙われてもおかしな話ではない。まして一ヶ月前までは神室町の敷居を跨ぐことすら許されなかった身。懐にしまった愛刀のドスの柄を握りしめたままそっと玄関の扉を開く。
    建付けの悪い家は、最新の注意を払う真島をよそにギィっと音を立てた。風の音すら聞こえないような静けさのせいで、今日ばかりは小さな物音すらも悪目立ちする。真島は心の中で舌打ちをしながら隙間から外の様子を伺った。
    「……誰だ」
    低い声が響いた。足音の主らしいが、自分の部屋の前ではないらしい。どこの組の者かと喉を鳴らしながら更に扉を押し開けた。目に入ったのは意外な人物であった。
    「ア、アンタは……」
    「お前、真島か」
    そこに居たのは一ヶ月前にやり合った風間組の柏木。真島に化けもんと言わしめた武闘派の組員である。なぜこんなところに?組は違えど、面識がないわけではない相手に真島の闘争心はほんの僅かに降下した。
    「アンタなんでこんなとこに」
    「なんでもなにも、ここは俺んちだ」
    柏木は真島の部屋の隣にあたる、今自分の目の前にあるドアを指さした。手には鍵。ここに住むようになってから一度も会うことはなく、人が住んでいる気配すら感じていないほど物音一つ感じなかった隣人は柏木だと聞いて、真島は耳を疑った。
    「物音一つ聞こえんかったで」
    「そりゃそうだろうさ。ここに帰ってきたのは一ヶ月ぶりくらいだからな」
    良いか悪いか、真島が住むようになってから柏木は自宅に帰る暇がなく、事務所で寝泊まりをしていたらしい。恐らく原因の一端には例の、カラの一坪の一件が絡んでいることは明白だろう。堂島組が関わっている以上、深いつながりのある風間組も後処理に追われていると言ったところだろうか。
    「まあ、そういうわけだ。これからはよろしくな、真島」
    呆気にとられる真島を気に留めることなく、柏木は鍵を開けると部屋の中へ入っていった。バタンという扉が締まる音で真島は我に返る。当然そこに柏木の姿はない。
    「なんや、なんや! どういうこっちゃ! 隣が……は? どうなっとんねん!」
    理解の追い付かない状況に混乱していた真島だが、ふと周りを見渡せば夜も更けた住宅街。叫びたい気持ちをなくなく堪え、ため息をつきながら部屋に戻る。
    「……考えてもしゃあない、か。寝よ」
    誰に言うでもない一人言を零した真島だったが、一瞬にして情報量の多い事態に外が赤みを帯びるまで眠ることはできなかった。
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    bocchi_takagi

    MOURNINGnotすけべでエロい趙さん書こうと思ったんだけど難しくて頓挫した。
    すけべじゃないエロチャレンジ 誰が言ったかはもう過去のことで、大事なことは目の前にある事実だけである。横浜流氓の元総帥、趙天佑は女から見ても、男から見ても大変色気のある男だ。異人町にある中華マフィアの総帥ともなれば、おいそれと近づくことはできず、一般市民であれば闇を煮詰めたような世界と関わることすらしない。ただ偶然が重なり、彼のそばに近づいた者は口々に言うのだ、彼からとても「良い匂い」がする、と。
     一口に匂いと言っても、鼻を掠めるような香水であったり、風呂上がりの優しい石鹸の香りであったり様々だが、人々が口にするのはそれらであって、そのいずれでもない。見えないはずの匂いが時に色となって現れる。
     それを助長させているのは恐らく、彼特有の話し方が一端を担っている。気だるそうに間延びした言い回し。それでいて放たれる言葉は刃の様に鋭く、音となり首元に突き刺してくる。懐に入り込まれそうな懐っこさを見せたかと思えば、地鳴りを起こしそうなほどの低いではないのにドスの聞いた圧のある響き。彼自身、総帥という立場に対して自信なんてものはないのだが、傍目に見れば収まるべくして収まったとも言うべき器量の高さ。艶めいているように見えるのは贔屓目だろうか。
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