紅く染まる
・恋の囁き
ダンデに恋をしたのは11年前まだまだダンデがチャンピオンになったまさにその年の、初戦でダンデにまけ控え室で一人モニターを眺めていた時だった。
ダンデに負けたことが悔しくなかったわけではない。
もちろん悔しかった。悔しかったけど、モニターの中心底楽しくて止まらないと言った様子でバトルをするダンデがとても輝いて見えていつの間にか夢中になってダンデを応援していた。
ダンデを見つめるキバナの紅く染まる頬はまるで秋に色づく紅葉のようで、
がんばれ、がんばれ!がんばれ!!
控え室なのを忘れてしまうほどに夢中になっていた。
こんなに夢中になるなんて今までなかった。心臓が飛びはね、呼吸すらできない程、恋の囁きだなんて温いほどのこのキバナの心を焼く感情は……きっと……。
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