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    赤ボールペン

    @lamwpam9

    支部の下書きの供養目的ではじめました
    支部↓
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    赤ボールペン

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    前の五歌の続きで書き始めるも迷走してしまいボツったもの二人の絡みシーンは無し!
    むっちゃブツ切り&他キャラがメインで出てくる
    支部で続き望んでくれた人ごめんよ~難航してる…

    #呪術廻戦
    jujutsuKaisen

    五歌 続きボツ「んー、霞ちゃん…ね」
    「はい」
    伊地知は車内の後部座席の2人をバックミラー越しに確認すると自身のこの場の合わなさに胃が締め付けられるようにキリリと痛む。任務出発前にどうしても話したいことがあると彼女が強引に乗り込んできた時から抱いていた嫌な勘は見事に当たった。
    「これはねー、僕が皆に言ってること…というか決めてることなんだけどね、僕は基本同じ職場の身内の子にはよほど好みでも手出さないの。何でか分かるかな?」 
    「き、気まずくなるから…とかですか?」
    まだ幼い少女はすでにその丸い瞳に涙を浮かべながらもその目は五条から離さない。
    「それぐらいで済んだらいいんだけどねー。やたら僕のこの脚を引っ張りたがってる連中が多くてさ、特に君みたいに長年の先輩の生徒さんってなるとこれまた色々と拗れて面倒事になりそうだ」
    「はい、はい、それは分かってます」
    「……まぁどうしてもって言うんならハグもキスもなんならその先もしてあげるよ?でもそれだけ。どこまで頼み込まれて関係を持っても僕からしたらただの京都校の生徒のひとりのままだ。僕は君にそれ以上の感情を持つことはない」
    「それでも…ッ」
    五条さん、とあんまりなその言いように口を挟むのをなんとかこらえる。少女にとっては苦く酸っぱい思い出になろうがそこに自分が入るのは余計だろう。
    「それでも本当に良いなら。でも自分をそんなに安売りしちゃ駄目なこと分かるぐらい君は馬鹿じゃないだろ?」
    その後も三輪は中々引き下がらなかったが五条は変わらず軽い態度で受け流し、とうとうこらえきれないといった様子で肩を震わせ嗚咽をもらしながら車から走り出て行った。
    「………まいった、そんな可愛く退出されても僕は追いかけられないんだけどな」
    「庵さんなどとの立場上分からなくもないですが、それにしても今回は少し言い過ぎたのでは?」
    「歌姫よりもあのジジイに知れたらどんな騒ぎになると思ってんのさ〜あの子の青い春を僕たち大人が無責任に汚すべきじゃない」
    珍しくふざけずに達観した口調でそう話すと気を取り直すように五条はアイマスクを調整して付け直した。

    (ついこの間交流戦であんなことがあったってのに三輪はまた東京出張か…少し休ませてあげるべきかしら)
    デスクのPCで確認した教え子のスケジュールに庵歌姫は頭を悩ませる。
    そこまで家が裕福でない三輪は一部高専の学費を免除して貰っているということを負い目に感じているのか学長の使いなんかを率先して勤めることが多い。それだけならまだしも一部の補助監督達が断れないという所につけ込んで諸々の雑用を当たり前のように頼み込み彼女をパシリのように扱っていたことが分かり、一度問題になったこともある。
    (自分が生まれてくる家なんて選べないし誰も気になんてしてないのに…生真面目過ぎるのよね)
    過剰に自身の育ちを気にして自虐ネタをかます時もある彼女を見て担任として常々そう感じていた。
    「あれ、誰やおもたら歌姫ちゃんやん」
    思案にくれていた頭に突如聞き慣れぬ声が入って歌姫はハッとした。
    (げっ、禪院直哉…)
    「いくら心のなかでも"さん"ぐらいつけようや、こっちかて歳上やけど"ちゃん"呼びしたってんねんし」
    完全に相手への苦手意識がリアクションに出ていたのか心の声を読み取ったかのように呆れた様子で馬鹿にするように禪院直哉は口を動かす。
    「…失礼致しました。直哉さんどうかされましたか?」
    この業界に"禪院"の名を持つ者は御三家といえど他の二家と比べても多過ぎるため基本彼らは歳や相手など関係なく下の名前で呼ばれている。
    「うん丁度良かったわ真依ちゃんおれへんかな?」
    「真依…になんの御用でしょう?」
    「いやなんや交流戦で真希ちゃんとえらい可愛い姉妹喧嘩して負けたらしいやん?そやから慰めたろ思うてな、術師としては姉妹両方雑魚やけど、オンナとしては君の方を認めとるでって」
    「ご要件はそれだけでしょうか?」
    悪趣味なその笑顔に怒りで身体中の血液が沸騰しそうになりながらも冷静を保って聞き返す。
    「そうやで。いくら教師でも君みたいな傷モン女に慰められても自信なんかつかへんやろう思ってわざわざ来てあげたんよ」
    「今すぐ帰って下さい」
    この保守的な業界で不快な人やどうしても折が合わない人は老若男女問わず沢山居る。楽厳寺学長とだって打ち解けるまでに時間はかかったし未だにお節介な見合い話を持って来られたり生徒達への教育についてぶつかったりもする。しかしそれらも半分仕方のないことだと諦めたり譲歩している所もある。
    それでもこの男だけにはそれが出来ない。耐えられない不快感に許せない怒りがその都度腹の底から湧き上がる。真依にか真希にかそれとも顔の傷を嘲笑れた自分にか。誰に対してなのかは分からないが今すぐ此処から自分の視界から立ち去って欲しい。
    「なんやそんなブスになって…顔ぐらい取り繕れやボケ」
    半笑いで指摘されるも今更ニッコリとしたお世辞用の笑顔なんてとても浮かべられない。
    「お願いします帰って下さい。真依には絶対に会わせません」
    「あーそういやここ来る前入口んとこでこんな前髪した子がなんやメソメソしとったから話聞いたげたらどうも悟君相手に失恋してしもたみたいでな、今度相談乗るよ言うたら喜んでライン交換してくれたわ…カスミちゃんやったかな?」
    「なっ!?」
    思わぬ人物と既に接触していた事実を聞かされ完全に我を忘れるがそんな反応も想定内だったようで上機嫌にヘラヘラと直哉は口を動かし続けた。
    「失恋したばっかっちゅーのにもうまん丸のおめめは綺麗なハート型なっとったわ、あの娘は次会うたらもう抱けるなぁ、あない小汚ない身なりして悟君がアカンかったらアッサリ僕になんて…身分の低さと中身の卑しさは比例するってホンマなんやねぇ」
    パンッと頬を叩く乾いた音が場に響いた。正気を何とか取り戻しても、しまったという後悔はない。






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