ワンドロ没案「ほお、綺麗な並木道だな。」
「でしょ?見つけたとき真っ先に君に見せたいと思ったんだ。」
そう類はいつもの聞き分けの良い執事の顔をして主である司に言う。天馬司。傍から見れば普通の青年だが彼は日本の未来を背負う重要人物だ。この日本にはいくつかの財閥が存在しておりその中でも天馬の家は特殊な家の一つだ。なのでこうやって外に出ることも本来はままならないのだが時折こうして息抜きと称して類は司を連れ出している。今日はこないだ外に出かけた時に見つけた大通りの並木道に彼を連れてきた。季節は秋に差し掛かり紅葉も黄色から赤に変わりつつある。もうしばらくすればここも多くの人で賑わうだろう。司も立場がなければここでショーをしていただろうに。
1100