ぜさむ感想ゼロサム、とてもとても最高でしたね。まさかこんな戦い方をしてたなんて思いもよらず……バトルを思い出してまた涙が出ます。
そもそもの話、今回ポッセがセカンドバトルに参加することになったのは、乙統女との交渉の際にダイスが「俺らもバトルに出せ、価値を証明してやる」と言ったことが発端となっています。乱数の体調が芳しくないことは周知の事実であり、苦しい戦いになるのも織り込み済みで臨んだわけですが、実際にらむちゃんがやられてしまい窮地に立たされた時、主催者である母に啖呵を切って出場を決めたダイスではなく、夢野の方が作戦を持ちかけました。この場面を見て、この時点ですでにダイスと幻太郎の背中を預け合った連係プレーは始まっていたのだなと思いました。
必ず勝たなければならない、そう思った夢野は、思い切った作戦に出る。このカードの切り方は、兄の原稿を差し出した時にも似てますよね。夢野、ダイス以上に大胆に勝負する男……このあたりでもう泣きそうになっていました。
バトル開始と同時に、夢野の前に飛び出すダイス。俺に任せろ!ではなく「任せたぜ!」のところ、あくまで自分は盾になって散る駒であって、倒れるまでおまえを守るからあとは任せた、という意味を感じました。マイクも腰にさしたままで……涙
この作戦においては自分が倒れてしまっては意味がないので、必死にダイスの背中を盾にする夢野ですが、この図も、相当な信頼関係がないと成立しないものなんですよね。
そして、ここからは箇条書きになりますが、
〇「死」の文字を打ち返すダイス
〇特大の「SHIT」顔面に食らっても足を地につけるダイス(ここでオールバックになるのも良良良)
〇りおーさんからの流れ弾が夢野に向かってきても手を伸ばして助けるダイス
〇夢野が衝撃を食らって「かふっ」となっている次のコマで足を踏ん張り、最後地面にとばされた時も夢野の前に出て庇った状態になっていたダイス
推し、かっこよすぎる!!!!!!!!!!!!!!!
指先ひとつ動かなくなる最後の最後まで夢野を守り切ったところを見て、私は本当にすごいものを見れたなって泣いてしまいました。
ダイスがこれまでの人生で、ここまで人から信頼され、そしてそれに応えようとしたことはあったのか。親との離別~白ブレ~家出の流れを見ると、ふつうの人だったらとっくに人間不信になっているのではと思うんですが、親に捨てられたのにもかかわらず大人になった今も「家族が離れ離れになるのは辛いこと」と思っているダイスは、そういうある種素直な心を持っていた――あるいは、そうでありたいと願っていたのかもしれないなと私は思っちゃうんですね。
ダイスも夢野も、そしてらむちゃんも、本来の自分というものを封じて生きている(いた)ので、そういった孤独の中で、心から誰かを信頼すること・されることってほぼ不可能に等しいような気がしているのですが、それが今回こういう形で叶って。その上で「傷跡が絆」になったというすばらしい展開、本当にありがとうございます……となりました。
私は個人的に「秘密の共有」なんかしなくても、それぞれの荷物を必死で抱えたままであっても、そのままの状態で心を結びつけることは出来るのでは…と思っていたので、それを表すような今回の戦い方はとてもとてもすてきだなと思いました。まさに、個(1)が3つ揃ってポッセなんですね。
話が前後しますが、ダイスが倒れたあと、夢野の独壇場が始まります。ここは本当にかっこよくて、絵もすばらしかった。
〇水の中から出てくるスピーカーの演出は「小生は夜の海のダイバー」かな
〇ページブチ抜き、大迫力のイミテーションスピーカー見参シーン!!!!
〇そして目に灯る炎!!!!!!
〇圧倒的なパワーを「模倣」して見せるシーンは、やはり迫力がすごい!!!
〇相手が踏んだ韻を踏み直す高等テクニックをみるにつけ、「模倣」というのは「猿真似」や「コピー」ではなく、言葉のプロである夢野だから出来るすご技なんだなって思い知らされる。
〇言葉で戦うH暦において、夢野は強い!!!!!めちゃくちゃかっこいい!!!
〇最後蘇ってきたサマ!!!強者と戦い抜いたという意味で、ハマへのリスペクトを感じてとても良かったです
まとめきれていないのですが、とにかく素晴らしくて何度も読んでいます。
このストーリーは一体どなたが考えられたのかも気になるんですが、どなたが……?
以前放送されていたヒプナミ(ヒプのキャラがDJを務めるラジオ番組)の脚本も本当に素晴らしかったのですが、それと並ぶような感じで、とても気になりました。ぜひ本編ドラパも……お願いしたい……です(小声・完)