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    D_nedaisuki

    @D_nedaisuki

    終焉ノ栞とD音が大好きです

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    D_nedaisuki

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    上げ忘れてたので上げます。
    B子主人公。

    #終焉ノ栞

    百合咲く旅路桜舞う春の季節に、旅に出ようと考えた。
    人は、誰しもが「仮面」を被って生きている。
    みんなが褒めて、憧れると言って、頼って、好きになって、告白していく私は、本当の私とは全く程遠い人間だ。
    狡猾で、すぐに感情をむき出しにする。
    そういった人格が私の中には確実にいる。
    いつしか私は、人に囲まれれば囲まれる程、孤独感を感じるようになっていた。
    そんな、本来の自分と周りの望んでいる自分とのギャップに悩まされている私は、世間の人々が、やれ新学期だ就職だで自分のことに手一杯になるこの時期を狙って、決して誰にも注目されないように、本来の自分を晒け出しながら、ひとり旅を満喫しようと決めたのだ。



    当日、いつもより早めに起床した私は、軽い朝食と身支度を済ませ最寄りの駅へと向かう。
    目的地までの切符を購入し改札を抜けて少しあるいたところに見覚えのある人影が立っていた。
    「B子ちゃん~」
    「......どうしてあんたがここに?」
    「え~偶然ですよ~」
    にっこりと笑う彼女の名前はD音。
    私とは違って小柄で、華奢で、長く綺麗な黒髪が特徴的な女の子。
    なぜだか最近学校でも彼女は私が屋上に行くタイミングになると屋上にいるし、学校に到着するタイミングになると下駄箱付近にいるし、なんならトイレに行くタイミングには必ず先にお手洗いにいる。
    心でも読まれているんじゃないかと怖くなることもあるが、彼女なりに私を気にしてくれているのかとも思うのでなんとも言えない。
    「D音もこれからお出かけするの?」
    「はい、少し思い切って遠方の温泉地まで」
    「はぁ......随分と奇遇ね」
    「B子ちゃんもですか~?嬉しいです!」
    やっぱり怖いかもしれない。
    そう、私は常日頃から仮面を被り続けていることのリフレッシュをするため、今日はちょっぴり有名な極楽湯を堪能することにしたのだ!
    D音と一緒することになったことはイレギュラーだが、彼女は私の本性を知る数少ない友人の一人なので問題はない。
    私達は他愛もない話に花を咲かせながら、電車に揺られていく。
    たまには「本当の私」を見てくれる気の知れた友人と二人で休日を過ごしてみるのも悪くないかな、とD音の眩しい笑顔にあてられ、そう思わされてしまうのであった。
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