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    D_nedaisuki

    @D_nedaisuki

    終焉ノ栞とD音が大好きです

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    D_nedaisuki

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    シンさんに頼まれて書いた、C太主人公の小説です。
    こんな世界線もあってもいいかなと。

    #終焉ノ栞

    キツネの正体は、やっぱり××だったんだ『──ひとりの裏切り者『キツネ』によってゲームは始まった』

    無機質な声が教室に響く。
    まるで脳に直接流し込まれるかのような不快なノイズ。

    『抜け出したければ以下の条件に注意をし、終焉を迎えよ。──さあ、楽しい終焉ゲームの始まり始まり』

    ある日の放課後、A弥、B子、D音の三人と共に、A弥がどうしてもやりたいという、例のこっくりさんを行った。
    そこから、オレ達は最悪の終焉ゲームに巻き込まれてしまったのであった......

    とはいったもののその日のオレは、まるで映画でも見ているかのような感覚で、自分が死と隣り合わせの状況に置かれてしまったことの実感は不思議なまでに湧かなかった。

    それから数日。

    帰宅後、自室のPCを立ち上げ、いつもと同じようにモニターに映るA弥を眺める。
    どうやらオレの幼馴染みは、どこかこのゲームを他人事のように感じてしまっているオレとは違って、軽い、軽いパニックに陥っている様だった。
    仮にオレ以外の誰かが今のA弥を見ても、何ら引っ掛かりを感じることはないであろう。
    そんな小さな小さな違和感。
    小さい頃から毎日のようにA弥を守ってあげているオレだからこそ、その微細な変化に気づいてあげることができるのだ......!

    軽い愉悦に浸っているところ、突然モニター越しにA弥と目が合った。
    それは偶然、というにはあまりにも不可解な、まるで犯人を特定した探偵のような、そんな固い意志を感じさせる目であった。

    ──あり得ない。確かにA弥の部屋には1203個ものカメラや盗聴器を仕掛けているし、A弥のいない隙に勝手に合鍵を使って部屋に侵入したことだってあるし、故障したカメラを取り替えているところをいつの間にか帰ってきていたA弥に見られたことだってある。

    だが、あのA弥に限って、オレの監視に気付くなんてこと、あり得ないだろう?

    だって、A弥は昔から本当にしょうがないんだから......!

    そうこうしているうちにオレの家の玄関の開く音がした。あれこれ考えている間に、A弥がオレの家まで来るには十分な時間が経過してしまっていた。

    まずい......!
    本当にA弥がオレの視線に気付いて、オレのところまで来ているとしたら......?

    「本当にしょうがないなあ、C太は」
    「ひっ......!」

    意を決するよりも先に背後からあの幼馴染みの声が聞こえた。
    不意を突かれてしまったことによって、オレは情けなく椅子から転げ落ちてしまう。

    「こんなにも無力でこんなにもしょうがないC太が、キツネなわけないよね?」

    何を言っているんだ?
    オレがキツネ?
    そんなわけあるはずがないだろう。
    オレはいつだってA弥のために、A弥を守るために生きてきたんだから。

    A弥は続ける。

    「そんなしょうがないC太のために、今から選択肢を上げよう。おとなしくここで僕に殺されるか、キツネじゃないことを今証明して見せるか」

    さっきから一体なんなんだ?
    しょうがないのはオレじゃなくてA弥だろ?
    そんなA弥がオレを殺す?
    今までオレに守られて生きてきた、オレにゾッコンなA弥が、できるわけないだろ?

    「はじめは軽い盗聴だったのにね。僕が気付かないとでも思ってた?」

    さらに続ける。

    「知らないフリをするのも大変だったよ。最近も『誰かからの視線を感じる』って、わざわざ白状するチャンスを何度かあげてたのにさ」

    ......は?オレがA弥に踊らされていた?
    ............それこそ、あり得ない!

    「やっぱりキツネの正体はキミなんだろ!!」

    そういって、A弥はどこから取り出したのか、大きなハサミを振り上げる。

    きっともう、目の前のコレはA弥ではないのだろう。
    オレをキツネ呼ばわりして、そうやって自分を正当化して、お前こそがキツネなんだろう......!?

    一瞬の出来事だった。

    オレは裏切り者のハサミを奪い、彼の首に深く刺した。

    しかし、その力加減も、オレに反抗されて驚いたときの顔も、それは確かにオレの知っている、かよわいA弥のものだった。

    「......っ。C太...や.........キ...が......」

    追い詰められて弱っているときに見せるその表情でさえ、それは、紛れもなくA弥本人のものであった。

    大切な、大切な幼馴染みが動かなくなって、それからようやくオレの頭はまともに回り始めた。

    オレがA弥を殺した?
    ......オレが?

    「......うっ......おえぇぇっ......」

    色濃く広がる生々しい血の匂いと目の前に広がる最悪の光景に、思わずオレの胃は逆流を始める。

    「かはっ......ごほっ.........」

    止まらない。

    「......おぇぇええええええ」

    身体的な拒否反応なのか、精神的ショックからなのか、胃の中が空になっても、次から次へと口の中に酸味が溢れてくる。



    ──A弥の血と自身の吐瀉物が際限なく広がったこの部屋で、オレは目を覚ました。

    オレは今までどれくらいA弥のことを誤解してきていたんだろう。
    A弥はこんなにもオレのことを理解ってくれていたのに......

    今になってやっと、これまでのことが現実味を帯びてオレの上に重くのし掛かってくる。

    ............A弥はもういない。

    引き出しからナイフを取り出す

    もう何もかもがどうでもいい......

    返り血や吐瀉で汚れきったその服で、着替えもせずに外に出る。

    多分、オレがキツネだったんだ............

    この足は、今頃彼女らが調べものをしているであろう図書館へと向かう。

    B子を、D音を、殺さなくちゃ......

    あは、あははははは.........!!!
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