梓紗「ねぇ!しろ!」
梓白「やぁ、どうしたのかな?」
梓紗「僕としろっておそろいだよね!」
梓白「君と俺がおそろいなことは色々あるけど、どれのお話かな?」
梓紗「名前!」
梓白「名前…?あぁ、同じ漢字を使っているから?」
梓紗「そう!」
梓白「ふふ、言われてみればそうだね」
梓紗「んふふ〜やっぱおそろいはいいよね〜」
梓白「君はおそろいが好きだね」
梓紗「うん!だってそれだけで仲良しって感じするじゃん。あ、でも誰とでもおそろいならいいってわけじゃないよ?」
梓白「そうなんだ?」
梓紗「うん!何でも屋のみんなとおそろいなのがよくて、他の人とおそろいじゃなくてもいいもーん」
梓白「ふふ、そう。君のおそろいでもいい人に選ばれるなんて光栄だね」
梓紗「ねぇ、しろって猫だったときの名前はなんていうの?」
梓白「シロだよ」
梓紗「猫だったときの名前、ずっと使ってるの?」
梓白「そう。苗字と漢字は後から樹がつけた」
梓紗「えへへ、しろって名前、大事にしてるんだね」
梓白「まぁ…ね。…初めて他人からもらったものだからね」
梓紗「ねぇねぇ、じゃあしろって名前は誰がつけてくれたの?」
梓白「ああ、それは…」
成星「梓白。ここにいたか」
梓白「ごきげんよう。名付け親さん?」
梓紗「え!!!」
成星「…何の話だ?」
梓紗「しろって名前、なるせが付けたの!?」
成星「…?ああ、こいつの名前か?そうだ。猫だった頃に俺が付けた」
梓紗「へぇ〜!!そうだったんだ!!ねぇねぇ、なんでシロって名前にしたの?白い猫だったの?」
梓白「いいえ?俺はずっと銀色でしたよ?黒いスジも入ってたっけ」
梓紗「え、じゃあなんでシロ…?」
成星「…雪の日に出会ったからだ」
梓紗「…だったらユキとかにしない?」
成星「それだと安直だろう」
梓白「シロも中々に安直ですけどね」
成星「あと最初は白猫だと思ってた」
梓白「は?何で」
成星「雪かぶってただろ」
梓白「あのねぇ、それ、すぐこいつ白猫じゃないなってなったよね?」
成星「なったけど…なんかシロっていうのがしっくりきてたんだよ」
梓紗「うーん、白色が似合ったとか?」
成星「ああ、タオルにくるまってるお前はかわいかったな」
梓白「それでシロ…?余計に俺関係ないんだけど」
梓紗「でもしろは今も白いの着てるよ?」
成星「たしかにセレナイトは白ベースの衣装だからな」
梓白「はぁ、ギベオンは白じゃないですけどね」
梓紗「グレーのしろもかっこいい!」
梓白「そりゃそうでしょ。俺だもの」
成星「自己肯定感の塊」
梓白「君の相棒には負けるよ」
成星「そりゃそうだ」
梓白「あはっ、一切の否定の色なし」
成星「否定するようそがなにもないからな」
梓紗「ん〜…」
梓白「どうしたの?」
梓紗「なんか…僕の思ってた仲良しと違う〜…」
成星「…どういうことだ?」
梓紗「だってさぁ、しろとなるせはしろがねこだったときから友達なんでしょ?もっとかわいい〜♡って頭なでなでしたりするんじゃないの?」
梓白「残念ながら俺はもう猫ではないからね」
成星「今のこいつはかわいくないし」
梓白「むしろ君の方がかわいいもんね?」
成星「かわいくした覚えはない」
梓紗「僕は今だって頭なでなでされるの嬉しいけどなあ…」
梓白「仲良しの形は人それぞれだよ。俺と花依斗が君と京みたいにギューってして頭わしゃわしゃし合ってたらキモくない?」
成星「…言葉で聞いただけで吐き気がするな」
梓紗「えへへ、でもはるとなら想像できるかも〜」
梓白「あ、ああそう…?」
梓紗「うん!しろとはるはいつも仲良しだもん!」
梓白「ふふ、実はね、成星と陽の方が仲良かったりもするよ」
梓紗「え!そうなの?」
成星「…なんとなく居心地がいいから一緒にいるだけだ」
梓紗「そういうのも仲良しって言うんだよ?」
梓白「ごめんねぇ、梓紗。彼ね、お友達が少ないからそういうのあまり分からないの」
梓紗「そうなの?じゃあ僕がいっぱい教えてあげるね!」
成星「俺は友達をたくさん作るつもりはない」
梓紗「え〜…じゃあ僕とは友達じゃないの…?」
成星「何でも屋は家族のようなものだろ」
梓紗「…!えへへ!なるせ大好き!!」
成星「おい、いきなり抱きつくな」
梓紗「これも仲良しの形だもん!」
成星「わかったからもう離れろ」
梓紗「わ、なるせすごいいい匂いする!」
成星「匂いを嗅ぐな」
梓白「ふふ、楽しそうで何より」