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    猫子(ねこ)

    @ndy_14cols

    14色の日常(プチ会話集)を投稿していきます。
    タイトルに◇◆がついているものは今より少し前の話(過去編)
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    猫子(ねこ)

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    ◈14色の日常◈
    王と魔王
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    #14色の稀石

    紫音「やぁ、花依斗。僕とちょっとお話しない?」
    花依斗「ふん。珍しく真面目な話か」
    紫音「うふふ、よくわかったね?君に折り入ってお願いがあるんだ」
    花依斗「用件をさっさと話せ」
    紫音「僕が偶然受けた依頼なんだけど、君と一緒に行きたいんだよね」
    花依斗「ほう?」
    紫音「いやね、ちょっとオブシディアンでは扱えないというか、セレナイトにも頼むほどでもないしなーって」
    花依斗「それでわざわざこの俺を?」
    紫音「そ。僕と君なら2人で十分だと判断した」
    花依斗「ますます怪しいな。夕凪や神崎ではなくわざわざ俺を選んだ理由を話せ」
    紫音「えー、そんな大した理由じゃないよ。雪の手を煩わせるほどのものではないのと…梓白は2人きりになるの怖いんだもーん」
    花依斗「怖い?」
    紫音「僕さぁ…ここができたばかりのときだけど…梓白と遊ぼうとしたらぶっ飛ばされたことあるんだよねぇ。‘’ケンカ売る相手間違えんなよ‘’って。ほんと冗談抜きで死ぬかと思った」
    花依斗「…それは確実にお前が悪い」
    紫音「その後さ、普通にいつもの感じで‘’なーんて。ちょっとやりすぎちゃった。立てる?‘’…って怖くない?怖いよね?彼、たまに何考えてるかわかんないし沸点もわかんない」
    花依斗「何考えてるかわからないも沸点が分からないもお前だけには言われたくないと思う」
    紫音「だからぁ、僕は梓白がちょーっと怖いの。わかる?2人きりじゃなければ全然いいんだけど」
    花依斗「あいつ、俺にこいつともっと仲良くしろとか言って仲悪ぃのはてめえの方じゃねえか…」
    紫音「花依斗くんどうしたの?」
    花依斗「…なんでもない」
    紫音「そう?…まあその点…花依斗くんは優しいよねぇ。僕といつも遊んでくれるから♡そういうとこ好きだよ」
    花依斗「気色悪い」
    紫音「んふふ〜、とか言って花依斗くん僕のこと嫌いじゃないの知ってるよ?」
    花依斗「お前の歪んだ性格以外は嫌いじゃない。いや、お前からそれを抜いたらお前じゃなくなるな」
    紫音「でしょでしょ〜?僕はこれが僕なの」
    花依斗「花葉から聞いた話とは随分と印象が違うが」
    紫音「何の話?」
    花依斗「神崎は2人して俺が花葉から聞いた話と全く違う人物だった。お前は大人しく内気で兄の方が活発だったと聞いていた」
    紫音「…そりゃあ、花と僕たちが一緒にいた頃はかなり前だもの。人間誰でも時が経てば変わることだってあるでしょ?」
    花依斗「…そういうことにしておく。過去の片鱗は所々に見えてはいるからな」
    紫音「それで、僕のお願い、聞いてくれるの?」
    花依斗「お前と組む件か?俺にお前と組むという地獄のような時間以上の利益があるなら考えてやる」
    紫音「僕と組んだら退屈させないよ?」
    花依斗「俺は楽しさは求めない。楽しさを求めているのは夕凪だ」
    紫音「うーん。そうだな…今回は梓白だとちょっと強すぎるんだよね〜」
    花依斗「どういうことだ?」
    紫音「んー、超平たく言えば、魔法と物理がバランスよく使えて、僕と同じくらいの戦闘力の人がいいの。オブシディアンだとこの条件に合う人がいないし、雪や梓白だとちょっと強すぎる」
    花依斗「それで俺が選ばれるのは癪だが」
    紫音「なぁに?僕より強いって言いたいの?僕たち、これまで何度もやり合ったことあるけど優劣ついたことないでしょ」
    花依斗「…ふん」
    紫音「納得してくれた?」
    花依斗「なぜそこまで戦闘力にこだわるのかは知らねえが…いいだろう、引き受けてやる」
    紫音「ふふ、ありがと。僕たちならきっとあっという間に終わるよ」
    花依斗「あっという間に終わらないと困る。いつまでもお前と組むのも嫌だからな」
    紫音「君、そんなに成星が好きなの?」
    花依斗「お前こそ少しでも早く大好きな兄の元へ帰りたいだろ?」
    紫音「当然。僕は雪より大事なものなんてないからねえ」
    花依斗「そういういうところが歪んでるんだよ。この兄狂いが」
    紫音「君は逆にかわいい弟くんたちのことは心配じゃないの?」
    花依斗「あいつらはこの俺の弟だ。簡単にくたばるようなタマはしていない」
    紫音「それは果たしてあの2人を信頼しているのか、自分によっぽど自信があるのか…」
    花依斗「当然後者に決まってるだろ」
    紫音「あは、花依斗くん素直じゃないなぁ。そんなこと言っておいて弟たちのことを信頼しているのも知ってるよ。いいお兄ちゃんだね」
    花依斗「…ふん。何を勝手に」
    紫音「僕にはわかるよ。君が本当はいい人だってことくらい」
    花依斗「…お前昼から酒でも飲んでるのか?」
    紫音「僕?僕は絶賛素面だよ」
    花依斗「ますます気色悪い」
    紫音「いやぁ、それほどでも」
    花依斗「褒めてねぇよ」
    紫音「ふふ、花依斗くんがいい人なのはそういうところで出てるんだよ。じゃ、この件はよろしくね。ああ、別に他言無用じゃないから。雪や梓白に言っても問題ないよ」
    花依斗「ああ。…俺の足を引っ張るなよ」
    紫音「それ、そのまま君に返すよ」
    花依斗「チッ…口が減らねぇやつだ」
    紫音「うふふ、それも君にお返しするよ。僕たちで思いっきり楽しもうね!」
    花依斗「ふん、この俺を選んだんだ。お前の期待以上の成果を出してやるよ」
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