姫花「ねぇねぇ雪」
雪音「どうした?」
姫花「何でも屋ってもっと人数増やしたりしないの?」
雪音「これ以上人数を増やすつもりはない」
姫花「え!…バイトとかは?」
雪音「…必要か?」
姫花「ほらほら、報告書とか事務作業を代わりにやってくれたり〜…」
紫音「ああ、そういうのは朱優がいれば十分」
朱優「自分たちの報告書くらい自分で書け。それに、関わる人間が増える分、俺たちの仕組みだって外部に漏れかねない」
姫花「んえー、そっか。俺たちフツーにやってるけど、周りの人達からしたら結構特殊なポジションなんだもんね」
紫音「そ。みーんな普段街中で僕達と会っていてもいざここに来てみて僕たちが何でも屋だって分かるんだから。結構な仕組みなんだよ?これ」
雪音「そうだな。お前や樹のお陰で成り立っている」
紫音「えへへ、そお?まあそうなんだけど」
姫花「んー、じゃあ何でも屋結成したときから他の人は加入させない前提でメンバーを選んでたの?
紫音「半分当たり。半分はずれ。一応保険はかけてたよ」
雪音「当初は今いる誰かが万が一来なかったとしたら他の人間を誘うつもりではいた。まあ全員来るとは思っていたがな」
紫音「うふふ、僕達の採用基準なんだと思う?」
姫花「顔」
朱優「…もう少し考えようという姿勢を見せろ」
姫花「だって俺たちの共通点顔がいいしかなくない?あとはみんなバラバラっていうか…戦闘だって全員がめちゃくちゃ強いわけじゃないし」
雪音「それがいいんだ。俺たち何でも屋は戦闘ができるだけでいいわけではない。それだったらその辺の傭兵でも雇えばいい。俺が大切にしているのはお前たちの個性なんだ。それぞれの得意なことを活かせばいい」
紫音「そーそー。みんなそれぞれいいところも悪いところも含めてみんななんだよ」
姫花「…ふーん。そうなんだ」
紫音「どうしたの?」
姫花「んー、いや、なんか改めてがんばろーって思った。2人はほんとに色々考えて俺たちを選んでくれたんだなって」
雪音「お前の俺達の気持ちが伝わったようで嬉しい。これからも俺にお前の力を貸してくれるか?」
姫花「でも報告書書くのはめんどくさーい」
朱優「それは避けようがない」
姫花「あ、じゃあ全員顔がいいのってたまたま?」
雪音「そこは全く考えていなかったな」
紫音「ま、そのおかげで何でも屋は実はホストクラブだとかアイドル、なーんて噂も巷では囁かれてるけどねぇ」
姫花「何その噂面白すぎ」
紫音「ほんと、僕たちの存在が曖昧だからって好き勝手言ってくれるよね。こんなに身近にいるのに」
姫花「俺たちが都市伝説扱いされてるってほんとおもしろい。…あれ、メンバーを選んだのって朱優もだっけ?」
朱優「俺はこの2人に言われたメンバーの所在地を特定してこいつらに報告しただけだ」
姫花「…なんか朱優が一番ヤバイことしてない?」
紫音「朱優の特定能力は素晴らしいからね。SNSの投稿は気をつけなね?」
姫花「わー、朱優が身内でよかったー…」