花葉「ゲームとかって睡眠とか毒とか状態異常系の魔法あるじゃん?現実にそういうのないの?」
紫音「あるよ。ただ…」
樹「魔法というより呪いの類になるね」
花葉「の、呪い?」
紫音「そう。そういう人の状態にふかーく干渉するものは魔法ではなく呪いになる。いくら魔法が普及しているとはいえ、一般の人にはあまり扱えない代物だね。それ故に呪いの魅力に囚われ全てを捧げた者や呪いの力を得るために血が流れたりしている」
花葉「そう…なんだ」
樹「花葉くん興味あるの?」
花葉「…まあできるようになれば戦術の幅は広がるかなって思っただけ」
紫音「君自身ができなかったとしても相手が扱えれば君たち雷属性の特殊魔法でその能力を一時的に手に入れられるよ」
花葉「呪いもコピー対象になんの?」
樹「うん。ただ、呪いをコピーしたらコピーした側にどんな影響があるかはわからないけど」
花葉「どんな影響って…死ぬとか?」
紫音「うふふ、試してみる?」
花葉「え、遠慮します…」
紫音「花は身を危険にまで晒して新しい力を手に入れなくても自分の可能性を広げられる子だと思ってたんだけどな?」
樹「花葉くん、こういうのは入るのは簡単でも一度入ってしまうと抜け出すことが難しくなる」
紫音「それに、呪いの力なんてなくてもはるかに強い人間はいるでしょう?君の身近な存在で」
花葉「…うん。そうだな」
樹「そういえば成星くんも前に呪いのこと知りたがっていたな」
紫音「ああ、僕のとこにも来たよ」
樹「…教えたんですか?」
紫音「いいや?彼は誰かを本気で呪いたいわけではなさそうだったからね。君の許可なく危険なことはさせないよ」
樹「…まぁ、成星くんの何でも興味を持って吸収しようとするところはいいところではあるんだけど。逆にそれが成星くんを危険に晒しかねない」
花葉「…というと?」
紫音「好奇心は猫をも殺す、ということだよ」
樹「僕はこれからも成星くんに呪いは教えられません。成星くんには今のままでいてほしいですから」
紫音「闇堕ちした成星もおもしろそうだけどね?」
花葉「…ん?てことは2人は呪いを扱えるってこと?」
樹「ふふ。ご想像にお任せします」
紫音「うふふ。君には僕たちがどう見えてるのかな?」
花葉「…これ以上は踏み込んじゃいけない気がする」
紫音「うんうん。やっぱり花は賢いね」