紺碧「姫花」
姫花「やっほー紺碧。どうかした?」
紺碧「別にどうもしない」
姫花「あ、暇だから話そってね。おっけー。俺もちょうど暇なんだよね」
紺碧「今日は花葉といないんだな」
姫花「四六時中一緒なわけないでしょ。そりゃ花葉も俺の兄貴だし、バディだから一緒にいる時間は多いけどさ」
紺碧「ふーん…」
姫花「ふふーん…もしかしてヤキモチ?」
紺碧「…そんなわけねえだろ」
姫花「俺はちょっと寂しいけどな〜。紺碧とこうやって普通に話せる時間、仕事中あんまないじゃん?チームも違うしさ」
紺碧「別に…仕事以外では話せてるだろ」
姫花「そうなんだけどさぁ、こう…仕事とオフって話す内容とか雰囲気?違うじゃん?俺は仕事してるときの紺碧のことももうちょっと見てみたい」
紺碧「トリオでやってるときは見れるだろ。…そもそも3人の依頼あんまないけど」
姫花「そうなんだよねぇ。トリオも決めてあるにはあるけど、結局バディかチームが基本じゃん?で、結局俺は紺碧と組めないの」
紺碧「混成のときにでも組むか?」
姫花「組みたいって言って組ませてもらえるかな?」
紺碧「梓白とか花依斗さんはよく組みたいって言ってるじゃん」
姫花「あ〜、梓白と兄貴は組みたいって言わなきゃ組ませてもらえないじゃん。2人して強いから戦力が偏るって」
紺碧「うーん…なんか、戦闘以外なら組めたりするんじゃないか?」
姫花「戦闘以外って…潜入とか調査とか?」
紺碧「まぁそんなとこ」
姫花「たしかにね〜そういうのならいけそう」
紺碧「…ああ、でもダメか」
姫花「なんで?」
紺碧「お前は戦闘の方が好きだろ」
姫花「んー、まあそりゃそうだけどさ。でも紺碧となら戦闘じゃなくてもいいよ」
紺碧「なんだそれ」
姫花「だってさ、戦闘じゃない方が移動中とかも紺碧と話せるじゃん?」
紺碧「お前の主旨が仕事じゃなくて俺と話すことになってんだけど」
姫花「だってさ、俺、紺碧と話してるの好きだから。俺ね、紺碧には嬉しかったこともムカついたことも全部話したくなっちゃうんだよね」
紺碧「…」
姫花「どうしたの?」
紺碧「お前さ、よくそういうの言えるよな」
姫花「なんで?隠す必要なくない?こういうの言われるの嫌?」
紺碧「別に嫌じゃ…ないけど」
姫花「ならいいじゃん。好きって言われて嫌な気持ちになる人なんてそうそういないでしょ?だからそういうの、俺はちゃんと伝えたいの。伝えられなくなって後悔しないようにさ」
紺碧「…あのさ」
姫花「うん?」
紺碧「なんで俺とずっと関わってくれんの?」
姫花「…え?」
紺碧「…俺、別にお前みたいにキラキラしてないし…というかどっちかっつーと地味な方だし。超普通じゃん。なんか、お前からしてみると物足りなくない?」
姫花「…なに今更。ねぇ、1発殴っていい?いや、1発じゃおさまらないかも」
紺碧「待て、なんでそうなる。拳をおろせ、そして胸ぐらを掴もうもするな。殴る前に言葉で言ってくれ」
姫花「じゃ、殴れるように胸ぐらは掴んだまま言うわ。ほんっとさ、紺碧って昔っからそうだよね!別に俺はキラキラしててもしてなくても紺碧がいいから一緒にいるの!てか、紺碧が地味とか普通とか思ってんの紺碧だけだから。誰もそんなこと思ってない。紺碧には紺碧のいいとこいっぱいあるもん。てかそんなこと言うやついたら俺がぶっ飛ばしてやるよ」
紺碧「…」
姫花「…で、言葉で言ったけど?伝わってないなら殴っていい?」
紺碧「待った。わかった、伝わったから殴らなくていい。そろそろ胸ぐら掴むのもやめてくれ」
姫花「え〜ほんとかなぁ」
紺碧「…てか殴っても伝わらないだろ」
姫花「わかりましたって言うまで殴り続けるだけよ」
紺碧「こっわ…パワハラじゃねーか」
姫花「へへ、紺碧のそういう的確なツッコミも好きだよ」
紺碧「そりゃどーも」
姫花「あのさ、世の中バランスって大事じゃん?何でも屋が全員キラキラしたパリピだったらこんな風にはなかったと思う。なんかカオスんなって組織としてもなんかすごい低能な感じ?仕事の質とか結果より、とりあえず仕事終わった〜お疲れ〜!飲み会ウェーイ!…みたいな」
紺碧「あー…言葉がひとつひとつ頭悪そうだけど言ってることはわかる」
姫花「でしょ?だからさ、何でも屋にも真面目な人は必要なの。もちろん俺にも。俺はあんま頭いい方じゃないし。…結構喧嘩早いとこあるし。だから紺碧みたいな落ち着いてる人は居心地いいんだよ」
紺碧「…落ち着いてるっつーか尻に敷かれてるが正しい気がすんだけど」
姫花「なんか言った?」
紺碧「なんでもないです」
姫花「なんかね、紺碧は月って感じ!ギラギラはしてないけど、存在感はちゃんとあるの。俺はそういうのいいと思うよ」
紺碧「ふーん…」
姫花「あとさ、さっき。俺たちが組むなら俺が戦闘好きだからとか考えてくれてたでしょ。紺碧のそういう他の人のことも考えられるとこ好きだよ」
紺碧「べ、別にあれはそういうんじゃ…」
姫花「直すべきところしたらそうやってすーぐツンツンしちゃうとこだね〜(*¯꒳¯*)ま、俺はそれでもいいと思うけど」
紺碧「…お前こそ昔っからそうだよな」
姫花「うん?何が?」
紺碧「お前と知り合ったときは俺もにこにこしてたけどさ、段々慣れてきて俺が素直になれなくてそっけなくなっても気にせず笑っててくれただろ」
姫花「だってこっちが本来の紺碧なんでしょ?俺は紺碧が素を見せてくれるくらい仲良くなれたんだなーって嬉しかった」
紺碧「だから俺もこいつとは素で話していいんだなって思えて居心地よかったから…その…ありがとう」
姫花「お、お〜…!紺碧が素直にありがとうと言うなんて…!」
紺碧「なんだよその反応。だったらもう言わねえよ」
姫花「あは、ごめんて〜。俺こそいつもありがと!」