姫花「ごきげんよう！諸君！」
梓白「ごきげんよう、姫？」
雪音「ああ、おはよう」
紫音「ふふ、わざわざ僕たち幹部を呼び出すなんてどういった用件かな？」
朱優「花依斗さん、何か聞いてないですか？」
花依斗「…いや、俺も呼び出されただけだ」
京「姫、どうしたの？」
姫花「どうしたなんて聞くまでもない！今日は年に一度しかない大事な日！！はい、それは！？」
花依斗「…ああ、あれか」
雪音「あれだろうな」
紫音「あれね、君の出番じゃない？」
朱優「おそらくな」
梓白「ほら、君も何かわかるんじゃない？」
京「あ、あれか！はーい！わかった！」
姫花「どうぞ！」
京「はるのた…」
姫花「そう！陽様の誕生日！！！」
京「やったー！あたり！！」
梓白「ふふ、よくできました」
花依斗「…お前はあれで当たり扱いでいいのか」
紫音「わ、珍しく花依斗くんがつっこんでる」
雪音「もちろん俺たちも祝うつもりだ」
姫花「当ったり前よ！盛大に準備するために呼んでんだから！」
京「うんうん！はるのためにいっぱい準備しようね！」
朱優「ところでなぜこのメンバーなんだ？俺は料理を作るから呼ばれた理由は分かるが…」
姫花「今日依頼がない暇人たちの集まりだよ？」
雪音「ああ。俺は今日は何も予定はないから俺にもやらせてくれ」
紫音「雪がやるならもちろん僕も手伝うよ」
姫花「雪、紫音！ありがと！」
梓白「大事な相棒のためとあらばもちろんお手伝いさせていただきますよ」
京「俺もやる〜！」
姫花「へへ、だよねだよね〜！」
朱優「花依斗さん、無理に参加しなくてもいいと思いますが…」
花依斗「…いや。あいつにはいつも姫花も俺も世話になっているからな。断る理由はない」
紫音「あ、花依斗くんやっさし〜」
姫花「俺、兄貴のそういうとこ好き！」
花依斗「ふん、言ってろ」
梓白「さてさて姫様？最初は何から始めますか？」
姫花「うーんと、まず朱優には料理をお願いしたいんだけど…1人だとさすがに大変だよね？」
朱優「…そうだな。効率を考えるなら手は借りたいところだ」
姫花「なら陽様に最高の料理を作るために誰でも連れて行って！！」
雪音「誰か指名はあるか？」
朱優「花依斗さん、お願いできますか？」
花依斗「構わない」
紫音「えーっ、じゃあ僕花依斗くんと一緒になれないじゃん」
朱優「今日の主役はお前ではなく陽さんだ。陽さんにとって最高の誕生日にしてもらうことが俺たちのすべきことだろ」
紫音「ぶー…花依斗くんと一緒がよかったなぁ…」
雪音「紫音。俺では役不足かもしれないが一緒にやろう」
紫音「…うふふ！雪と比べたら誰も勝てないよ。むしろ花依斗くんの方が役不足！」
梓白「ふふ、君、なんか勝手にフラれてない？」
花依斗「まったく、相変わらずだな」
姫花「じゃあ残った俺たちは部屋の飾り付けね！」
京「おっけー！」
姫花「では各自持ち場につきたまえ！陽様のために働くのだ！！」
京「おー！」
…
…
朱優「ありがとうございます。花依斗さんに手伝ってもらえればいいものが作れそうです」
花依斗「ふん、大いにこき使うといい」
朱優「さすがにそれは…」
花依斗「お前ほどではないが料理はできる。心配には及ばない」
朱優「わかってますよ。だから花依斗さんにお願いしたんです」
花依斗「何から始める？」
朱優「ケーキは俺が作るので他の料理をメインにお願いできますか？」
花依斗「わかった」
朱優「あとはケーキの味見を少し」
花依斗「ふん、悪くない」
朱優「じゃあ始めましょうか」
花依斗「ああ」
…
朱優「…」
花依斗「…」
朱優「花依斗さんはやっぱり優しいですよね」
花依斗「…いきなりどうした」
朱優「誰かの誕生日のとき、いつも準備に参加してますよね」
花依斗「それを言ったらお前もそうだろう」
朱優「俺はケーキを作る役目がありますから。でも花依斗さんはこう…決まった役割がなくてもいますよね？」
花依斗「ふん、依頼がない日に誕生日のやつがいることが多いだけだ」
朱優「ふふ…そういうことにしておきます」
花依斗「それに、今回は依頼があったとしても行こうと思っていた」
朱優「そうなんですか？」
花依斗「俺の周りには何かと七瀬に世話になっているやつが多いからな」
朱優「ああ、姫花ですか？」
花依斗「あいつは世話になりすぎだ。それにあいつだけじゃない。成星だってそうだ」
朱優「ふふふ…」
花依斗「何がおかしい？」
朱優「姫花のことはともかく、まさか成星のことも考えいるとは思いませんでした」
花依斗「当然だろ。あいつだってもう身内みたいなものだ」
朱優「それ、成星にも言ってますか？」
花依斗「むしろあいつが言ってくる」
朱優「ああ…そういうこと…」
花依斗「あいつも依頼が終わったら合流すると言っていた」
朱優「そこまでして陽さんの準備にも参加するとは…」
花依斗「あいつも義理堅い人間だからな」
朱優「だから花依斗さんと合うんでしょうね」
花依斗「ふん、どうだか」
朱優「なら、成星はこっちに入ってもらいましょうか。その方がより多く作れる」
花依斗「ああ、そうだな。七瀬が食いきれないくらい作ってやろう」
…
…
紫音「ねぇねぇ雪」
雪音「どうした？」
紫音「みんなでただ飾り付けするのはつまらないじゃない？だから僕たちは魔法を使おうよ」
雪音「いい案だな。そうしよう。であれば梓白も呼ぶか？」
紫音「いやいや、彼がここで魔法使ったら部屋なくなるから」
雪音「ふ、たしかにそうだな」
紫音「魔力が高すぎるのも考えものだよね」
雪音「そうだな。あれでもだいぶ加減はしているようだが」
紫音「ま、日常生活で魔法を使う必要がなければいいんじゃない？」
雪音「今俺たちは日常生活で使おうとしているがな」
紫音「ふふ、たしかに〜」
雪音「どう飾りつけるかはお前に任せよう。俺の魔法が必要なところは教えてくれ」
紫音「うん、わかった。せっかくなら僕たちの魔法を合わせたものも作りたいな」
雪音「いいな。そうしよう」
京「やっほー！」
雪音「京か。どうした？」
京「2人はどんな飾り付けするのか聞いてきてって言われたの！」
紫音「ああ、おつかいを頼まれたのね」
京「うん！2人はどんな飾り付けするの？」
雪音「俺たちは魔法を使ってやろうと思っている。だからお前たちとは違う感じになると思う」
京「ふんふん、なるほどー。じゃあ俺たちのエリアもやってくれる？」
紫音「もちろんそのつもりだよ。君たちもこちらの飾り付けもやってくれるかな？」
京「うんうん！伝えとくね！」
雪音「ありがとう。こっちのエリアが終わったらお前たちの方もやる」
京「わかった！あ、あとね？」
紫音「なあに？」
京「魔法の飾り付け、俺も見たい！」
雪音「もちろん構わない」
京「えへへ、やった〜」
紫音「なんなら君もやる？」
京「うーん…」
雪音「紫音。わかっていて言うのはやめろ」
紫音「ふふ、冗談だよ。ごめんね？」
雪音「京。俺たちの魔法を好きなだけ見ていてくれ」
紫音「とは言っても、あっちにも戻らないとでしょ？ほどほどにね」
京「うん！ありがと！」
…
…
姫花「ねぇ、梓白は陽様にプレゼント用意した？」
梓白「何をおっしゃいますか。みんなでいくつかプレゼント用意したでしょ」
姫花「もー、わかっててそうやってとぼけんだから。俺が聞いてるのは個人的に用意した？って話！」
梓白「ふふ、君はもちろん用意したんでしょ？」
姫花「当たり前よ！用意しない選択肢なんてない！」
梓白「陽様は幸せ者だねぇ」
京「ただいまー！」
梓白「おかえり。随分と楽しんできたようで」
姫花「あの2人、どんな感じだった？」
京「ゆっきーとしおんは魔法使って飾り付けするって言ってた！」
姫花「あー、その手があったかぁ。うーん…でも俺そんな魔法得意じゃないしなぁ…」
梓白「いいじゃない。2組で同じことしたってつまらないでしょ」
姫花「梓白、魔法でドカーンとできたりしない？陽様に似合う感じの！」
梓白「俺がドカーンってやったら陽様の誕生日どころじゃない大惨事が起きるけどそれでもよろしければ」
姫花「…遠慮しておきます」
京「俺たちのとこもやって！ってお願いしてきたよ？」
姫花「お！超気が利く〜！さっすが」
京「えへへ〜」
梓白「では俺たちはどうしますか？」
姫花「んー、まぁシンプルに手作業で飾っていこうかぁ…」
京「うんうん！姫の飾り付けいつもオシャレだもん！」
梓白「そうだね。指示はお任せしますよ」
姫花「うん、ありがと」
…
姫花「あ、そういえばさっきプレゼントの話して話しそらされたんだけど」
梓白「そらしたなんてそんな。京がいいタイミングで帰ってきただけだよ」
京「何のお話してたの？」
姫花「陽様にプレゼント買ったって話」
京「あ！俺も買ったよ！」
梓白「おや、君も？」
京「うんうん！はるに似合いそうなの探したんだ〜」
姫花「へー、じゃあここ全員陽様に個人的なプレゼント用意したってことだ？」
京「しろは何用意したの？」
梓白「俺は彼と後日食事に行く約束をしていてね。そこで彼の好物をご馳走しようかと」
姫花「え！？陽様とデートってこと！？」
梓白「そういうこと♡」
姫花「ずるい！！！俺も行きたい！！」
梓白「残念。もう予定も合わせちゃった」
京「いいなー、美味しいもの」
梓白「気に入ってくれるといいけどね」
姫花「京は何用意したの？」
京「俺はねー、香水！」
姫花「こ、香水…！？」
梓白「こら。こいつが！？って反応しないの」
姫花「いや、京が香水あげるなんて意外すぎるでしょ」
梓白「ふふ、まぁそれに関しては俺も気になる」
京「はるの好きそうな匂いのがあったの！」
梓白「匂いで判断するとはさすが、としか言いようがないね」
京「あとね、ボトルもはるっぽくてオシャレなの！」
姫花「わ、ほんとだめっちゃオシャレ〜」
京「えへへ、でしょでしょ？」
梓白「さて、君は何を用意したのかな？」
姫花「アクセサリー作ってみたの」
京「わ…！手作り？」
姫花「そう。売ってるの買うんだとなんか無難すぎるし、せっかくなら俺的に陽様に似合いそうなの作ってみようと思って」
梓白「いいねぇ。君が作ったとなれば安心と信頼のオシャレさ」
京「うんうん！姫、何でも作れちゃうもんね！」
姫花「へへ、陽様も気に入ってくれるといいけど」
京「絶対気に入るよ！俺もほしい！」
姫花「それはまた今度ね？」
梓白「いいね。みんなそれぞれ違うものを用意している」
京「なるせとかも用意してるって言ってたもんね！みんな何プレゼントするのかな」
姫花「…」
京「ひめ？どうしたの？」
姫花「…陽様、喜んでくれるかな」
梓白「当然でしょ。こんなに華やかに飾り付けて、美味しい料理もあって、加えてこんなに素敵なプレゼントがいっぱいあるんだから」
京「うんうん！はるは絶対喜んでくれるよ！」
梓白「ほら、陽様が帰ってくる前に完璧に準備しないとだよ？彼の想像以上にしてやろう」
京「うんうん！はるにいっぱいニコニコしてもらおうね！」
姫花「へへ…そうだね！みんなありがと」