梓紗「ねぇねぇ、はるって力強いよね?」
陽「えっと…そんなことないと…思うけど…?」
梓紗「えー、うそだー」
陽「どうしてそう思うの?」
梓紗「だってさぁ、模擬戦してるとき、きょうの攻撃を普通に受け流してるんだよ?あんなおっきい剣を!」
陽「ふふ、あのね、受け流すのはそんなに力はいらないんだよ」
梓紗「そうなの?」
陽「うん。朱優くんだって自分よりも大きい相手を軽々と投げるでしょう?それと同じようなものかな」
梓紗「んー、じゃあさ!その後はるが反撃したらきょうの方が何か重そう?に受け止めるのはなんで?」
陽「え、えーと…何でだろう…?相性とか?」
梓紗「きょう、すごく強いのに?」
陽「う、それは…」
梓紗「…やっぱり陽って力強いよね?」
陽「…それはどうかな〜」
梓紗「よし!じゃあ僕と腕相撲しよう!」
陽「うーん…いいけど…ふふ、さすがに梓紗くんには勝てるかな」
梓紗「あー!今僕のことバカにしたでしょ!」
陽「そんなことないよ?」
梓紗「むー!絶対バカにしてる!」
陽「梓紗くんは腕力より脚力の方が強そうだから」
梓紗「うーん、それはたしかにそうかも。はるはいつも剣使ってるもんね」
陽「うん、だから腕相撲は僕の方が強いかも」
梓紗「ねぇねぇ、じゃあしろとはるってどっちが力強いの?」
陽「それは僕かな」
梓紗「え…!」
陽「梓白だっていつも使うのは魔法だし足技だからね」
梓紗「あ、そっかぁ…ん?」
陽「うん…?」
梓紗「そういえば前にゆきがはるは力強いって言ってた!」
陽「えーと、僕雪音くんとはあまり模擬戦はしたことないけど…?」
梓紗「そーそー。それでね、ゆきがはるは俺とやるとき絶対手加減してるって言ってた!」
陽「え〜…そんなこと…ないけどなぁ」
梓紗「あとねあとね、戦闘のときと模擬戦のとき全然雰囲気が違うって!」
陽「だって…本当の戦闘みたいにやったら殺しちゃうよ?」
梓紗「…!?」
陽「…ふふ、なーんて。冗談だよ」
梓紗「む〜…こういうときはなばがいれば嘘かホントかわかるのに…。やっぱ僕と腕相撲しよ?それしか確かめる方法はない!」
陽「はは…まだ諦めてなかったか」
梓紗「それか僕と模擬戦!」
陽「それはできないかな」
梓紗「え〜、きょうとはよくしてるのに…」
陽「京くんは特別かな」
梓紗「む〜!きょうだけずるい!じゃあじゃあ、しろとはるはどっちが強いの?」
陽「もちろん梓白だよ。梓白はここにいる誰よりも強いからね」
梓紗「じゃあはるとゆきは?」
陽「…うーん。雪音くんじゃないかな?」
梓紗「はる、やっぱり本気でゆきとやったことないでしょ」
陽「どうして?」
梓紗「なーんかそんな気がした。はるって絶対みんなに手加減してるよね、そういうところもしろと一緒!」
陽「…梓紗くんってこういうときに鋭いところが怖いね」
梓紗「うん?なんか言った?」
陽「梓紗くんは怖いくらいに可愛いねって言ったんだよ」
梓紗「なんでいきなり?」
陽「いきなりも何も梓紗くんはいつも可愛いでしょう?」
梓紗「それはそうだけど…む〜…はるってわかんなーい…」
陽「ふふ、ふてくされてる梓紗くんも可愛いね?」
梓紗「もう!僕が可愛い話は今はいいの!」
陽「ふふ」