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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    i7SS100本ノック 22本目
    天とモンてんとレンジとたまご

    ##i7_SS

    エッグ・クライシスはすぐ傍に 専用容器に卵を入れ、電子レンジで時間設定。音を立てて加熱を始めたそれを確認して、天は冷蔵庫から薄切りベーコンのパックを取り出した。換気扇にスイッチを入れておもむろにフライパンを出したところでぐいぐいと脚に妙な圧力を感じて見下ろせば、モンてんが慌てたように全身で天を押し出そうとしている。
    「どうしたの、モンてん」
     困惑を綺麗に隠してモンてんを掬い上げて目線を合わせれば、天の手の上でぴょんこぴょんこ跳ねながら電子レンジを指し示した。
    「ああ、卵をレンジに入れたら爆発すんじゃないかって?」
     切羽詰まった顔でこくこくと頷くモンてんを宥めるように天は努めて優しく「大丈夫だよ」と微笑んだ。
    「普通にレンジにかけたら確かにそうなっちゃうけど、ゆで卵メーカー使ってるからね。今までのゆで卵も実はレンジで作ってたんだよ」
     天の告白に背後に落雷を背負い、「なんと!!」という顔をしてモンてんが固まった。
     モンてんからすれば、一緒に暮らし始めた当初に龍之介が真剣な顔で言っていた「爆発しちゃうから卵とアルミホイルは絶対にレンジに入れちゃ駄目だよ」という忠告を守らなかった天が危ない目に遭うのかもしれないと焦っていたのだろう。
    「ボクを守ろうとしてくれたの?」
     すっかり落ち着いたらしいモンてんがこくりと頷く。危険性がないことがわかったので大人しいものである。
    「ありがとう、モンてん」
     ふっと相好を崩せばモンてんもまた嬉しそうに満面の笑みを向けた。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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