「あの…。ちょっと良いですか…」
「どうした、サギョウ。一人で着るのは難しいか? ならば、俺が手伝」
「こっ、れっ!!」
サギョウは半田がハンマースペースから取り出したメイド服を突き付けた。どこぞの量販店で売っていそうなビニール袋に入ったペラッペラの、一度着たらお役ゴメンになりそうな洋服とは全く違っていた。
「もしかして、先輩…」
「ああ。俺の手作りだ」
胸を張って得意気に答える。然り気無く、ゴビー用のホワイトブリムまで用意されていた。殴りたい。このドヤ顔。
「サイズはピッタリな筈だが?」
そのピッタリ加減が問題なのだ。ゴビーは器用な手付きでホワイトブリムを装着した。
「似合っとるぞ、ゴビー」
「うむ。推せる」
「ギィー♪」
カズサとヒヨシがゴビーを褒める。可愛いゴビーは何をしても可愛い。だが、自分は。いくら童顔と言えど、二十歳を過ぎた成人男性なのだ。それに…。
「あの…何で、サイズ…」
「それは、お前が寝ている時にだな…」
そうだった。
いつか無理矢理着せられたセロリーマンの着ぐるみ。あれだってそう言えば、合意を取って作られたモノではなかった。あの時からサギョウのスリーサイズやら何やらは半田に把握され済みだったのだ。
「ぐっ、うっ…うぅぅ…」
【以下、ちょっとだけエッチなやつ】
花弁に守られた雄しべの如く。本能のまま、種を残そうとピンと張りつめたサギョウの雄しべが主張していた。服を汚さないようにたっぷりのフリルを両手で押さえ込んでいるもののボリュームが有りすぎる。
大量のフリルと内股で秘密の花園が護られていた。
「ふふっ」
可愛すぎてエッチ過ぎて思わず笑みが零れてしまう。それを揶揄されたと勘違いしたサギョウが涙を溜めた目で睨み付ける。