或る朝 カーテンを閉める間も無く、お互いを貪り求めてベットに縺れ込んだ翌朝。いつも通り身体はバキバキで、身じろぎするだけで痛いし怠い。
口を開けて、気持ち良さそうに寝ながら、身体に巻きついているデカい身体が恨めしい。
「……えーじぃ」
捻り出した声は酷く掠れていて、誰が聞いても喉を酷使したことが丸分かりだ。
この男の腕の中から逃れようと懸命に身を捩っても背中にかかる寝息は少しも乱れることなく、最近さらに逞しくなった腕は動く獲物を逃すまいとぎゅうと強く締め上げてくる。
こちらに来て体格のアドバンテージが日本にいた時と比べて活きない、むしろディスアドバンテージとなっている現実に直面しメニューの増えた筋トレは当たり前に生活の一部として取り入れられており、着々と逞しく育っている身体は俺だけじゃなく、色んな人をも魅了しているんだろう。
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