金繕い 手入れバグ、なのだという。
「いつ直るのかはわからんが、まあ、血は止まっているから問題はなさそうだな」
そういって鶴丸は傷口を撫でた。
本来ならば、手入れ部屋に入ればそこは再生されるはずである。しかし今は、痛々しいほどの傷跡が残っていた。出血が多かったのか頭がぐらぐらすると鶴丸は枕から頭を起こすこともできない。手入れ直後の貧血症状は珍しいことではなく、これについては深く気にする必要はなさそうだった。
大倶利伽羅は、ゆっくりと傷口を撫でる。
「痛むか」
「いいや。それについては問題ない」
傷口は硬い。まるで瘡蓋のようであったが、異なるのは傷口が輝いていることだ。金継ぎのように、鶴丸の傷口は金色に光っている。鶴丸の白い肌に、金はよく映えた。
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