朝6時 朝6時。
窓を開け頬を撫でる風はひんやりと冷たく、部屋に差し込む陽射しは柔く穏やかだ。耳触りの良い外音と深みのある朝独特の芳香が眠気を覚まし、休日を演出してくれる。
早起きしたが予定のない日の朝の支度は特別に優雅で、忙しい朝とは対照的に時の流れがゆったりとしている。
「なにしてんの」
舌足らずなとろけた声色が届く。肩からずるずると引き摺られているタオルケットは一緒に暮らすことになった時に2人で買ったものだ。ベッドにいる時は絶対に手放さないしいつも寝るときはそれに顔を埋めている。
そいつのお陰で、かわいいリョータの寝顔にキスは出来ないのだけど。
「リョータおはよう」
今日は朝から予定は無いはずだが、珍しい。
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