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    ※カルディナの事件から何だかんだ5年経って恋人なのかどうなのか微妙なオルテメです。初めてではない朝チュン。軽いやつです。

    #オルテメ

    職権濫用最悪だ。
    最悪以外に言葉が出なかった。起きたら横に一糸纏わぬ姿の審問官、自分も同じ産まれたままの姿…。記憶がほぼない。とりあえずシャツを羽織ってベッドサイドに腰掛け状況を整理する。

    そう、あれは昨日仕事帰りに審問官と共に軽い食事を摂った後のこと。審問官が「そういえば巷でこういうものが流行っていまして」と緑色の液体が入った小瓶を見せてきた。「これはアルコールとハーブ、増強剤みたいなものですね。特に危険性はなく、少しの催淫作用があるとか」そう言って傾けた小瓶をランプの光に透かした。「2本ありますが、試してみますか?」と悪戯ぽく尋ねてくるからそれに乗って2人同時に一本ずつ飲んだところから記憶が曖昧なのだ。

    だいたい素直に抱いて欲しいと言えばいいものを。遠回りにそんな物まで用意して。まったく、と小言が出そうになったがそういう性格なのは昔からなので今更言ったところで仕方がない。そうして一晩経った今、俺は宿屋の一室にいるわけだ。横に裸の審問官を伴って…。

    断片的な記憶はあるものの内容はほぼ覚えていない。軟膏の瓶が転がっていたから確かに抱いたのだろう。それすら曖昧なのだから一体何を盛ったのか後で問い詰めてやらなければ。横でスヤスヤと寝息を立てる審問官の銀髪を撫でてみたが全く起きる様子がない。とりあえず散らかった服を畳んで書き置きを残し俺は部屋をあとにした。

    ◇◇◇

    起きたら黒髪の彼は既にいなかった。
    頭がガンガンする。昨日飲んだアレのせいだろう。記憶が曖昧で後孔の痛みが少しと鈍い腰痛。これは相当激しく抱かれたらしい。折角そういう機会があったのにほぼ覚えていないとは何とも惜しい事をした。いつも遠慮がちに、どこまでも優しく、腫れ物を触るように抱いてくる彼がもどかしかった。

    あれこれ思索した末に行き着いたのが異端騒動の時に押収した液体。成分や入手ルートを調べるとかなり強めの媚薬でニューデルスタの娼館でほぼ同等のものが買える事が分かった。そこからは表向きは調査目的という事で苦労して手に入れた代物だ。まさか記憶が飛ぶほどの強さだとは思わなかった。

    何とか体を起こすとサイドテーブルにきっちり畳まれた着替えと書き置き、軟膏の瓶が見えた。職権濫用等の件できっと絞られるに違いない。職場に行きたくない、この時ばかりは本気でそう思った。
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