フルーツサンドは美味しかった「…本日も博士とベルゼブブ様は研究室に篭りきりですか」
清廉な純白に包まれた可憐な戦乙女から、ふぅ、と物憂げなため息が溢れた。
戦乙女十三姉妹の一人、ゲンドゥル。彼女にはある悩みがあった。
彼女の唯一無二の相棒であり己の命を捧げたエインヘリャルであるニコラ・テスラは、ラグナロク後、対戦相手であった蝿の王ベルゼブブと紆余曲折の末…気の合う研究仲間兼かけがえの無い友人としてよく共に研究に勤しんでいる。それはいいのである。人と神が仲良くするなど夢物語であったから、ラグナロクの闘士達が各々良い関係を築いているのは半神半人のワルキューレとしては喜ばしいことだ。
ただ…ベルゼブブとテスラの場合、よほど気が合うのか二人して研究室に篭りきりになって寝食を疎かにすることが頻繁にあるのだ。
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