Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    asoso9353

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 36

    asoso9353

    ☆quiet follow

    文庫ページメイカーで上げたものを再掲載
    6話視聴後ですが話は5話の後6話の前くらいの時系列
    娘(ルル)のことで話すイサルイ
    CP要素は薄め

    覚悟と信頼と 空母から蹴り落された後、大事を取って部屋で身体を休めていたイサミ・アオの元に、ビールを2本持ってルイス・スミスが詫びにやって来ていた。ビールはありがたくいただくことにして、しばし雑談をしていた2人だったが、次第にイサミをこんな目に合わせたルルの話題になった。話題が切れたタイミングで、
    「なあ、イサミ……ルルのこと、どう思う?」
     声のトーンを落とし、スミスがイサミに問い掛けてきた。質問の意図が分からず、イサミはスミスに問い返す。
    「どうって?」
    「俺があの子を拾った経緯は聞いているんだろう?」
    「ああ、まあ」
     この空母内にいる者でそれを知らぬものはいない。ハワイを強襲したデスドライヴズの1体、スペルビアを倒した直後に、ルイスが海辺で発見し助けたのだ。検査をしても尋問しても(そもそも尋問は意味がなかったが)彼らとの繋がりは全く分からない。だが、デスドライヴズの情報を地球にもたらしたブレイバーンがルルのことを知っていたという点で、彼女への疑いを晴らすことが出来ないのである。
     スミスは真っ直ぐイサミに向き合って、真剣な声で告げた。
    「もし、もし仮に、ルルがデスドライヴズの連中の元へ行ってしまうことがあれば、『敵』として我々の前に立ちはだかることもあるかもしれない」
    「なんで今、そんな話……」
    「そうなったら、キミはどうする?」
    「……」
     それは決して否定できない、あり得るかもしれない想定。
    「キミは敵ごと、ルルを攻撃できるかい?」
    「……俺は」
     イサミはスミスの突きつけた仮定の話を想像してみた。あのスペルビアと同じようなデスドライヴズと、そこにいるルル。
     今までは敵のことなど何も知らなかったから無心で戦えていた。剣を振るうこともビームを放つことも躊躇いはなかった。
     だが、もしそこにルルがいるなら――。
     想像しただけでイサミは目の前が真っ暗になる気分だった。その時に、これまで同様に戦える自信がない。
     イサミの表情を見ていたスミスは、彼が答えられないことで彼の内心が想像できてしまった。スミスはイサミの両手を自分の手でそっと包んだ。
    「すまない、変な話をしてしまったな」
    「いや」
     謝罪をするスミスはイサミを安心させるように微笑んでいる。が、それがイサミを気遣わせないためのスミスの配慮であることは、すでにイサミには分かるようになっていた。それと同時に、彼はずっと、恐らくルルを拾ってからずっと、彼女の世話をしながら彼女が敵かもしれないという不安を抱えていたのだろうことも察してしまった。そして彼の抱えるもう一つのこと――覚悟も想像できてしまった。
    「おまえ、そうなった時は、自分がルルと戦おうって思ってるんじゃないか?」
     イサミがそう指摘すると、スミスは驚いた表情を一瞬見せ、すぐに苦笑を浮かべた。
    「ハハ……バレバレだったかい?」
    「分かるに決まってる。自分の手で何とかしようって思ってるんだろ。おまえも大概、一人で抱え込むヤツだよな」
    「彼女を拾ったのは俺だ。その責任は取らなければいけない。だからもし、何かあった時は、絶対に俺に任せてほしい」
     彼女をここへ連れてきたこと、多くの人と関わりを持たせたこと、恐らく彼女が敵に回ればそれによって敵への攻撃の手が緩んでしまう者もいるかもしれない。それがその者にとって命を奪われる結果となるかもしれない。そうなってからでは遅いのだ。
    「だから俺が――」
     ルルをなんとしてでも止めると言おうとしたスミスを先んじて、イサミが口を挟んだ。
    「ああ、おまえが絶対にルルを止めろ。俺たちを攻撃させないようにルルを説得しろ」
     イサミの言葉はスミスの想像を超えたもので、驚いて言葉が止まってしまった。
    「イサミ、キミは、ルルを止められると思うのかい?」
     スミスも心のどこかでそれを信じている。ルルはずっと自分たちと共にいて、毎日楽しく生活している――そんな未来がこの先にあるのではないかと。だが半面、軍人としての自分はそれを否定する。彼女が敵なのだとしたら、被害が大きくなる前に何とかしなければ――たとえそれが自分の手を汚し心を砕くことになっても――とも考えてしまう。
     しかし彼はそれを否定した。
    「おまえならできる。絶対に」
    「イサミ……」
     どうして彼はここまで言い切れるのか。本当にキミはまっすぐで、諦めが悪くて……。
    「俺はおまえを信じてる。だから絶対におまえがなんとかしろ」
     こんなにも自分のことをまっすぐ信じてくれるんだ、キミは。スミスは目を伏せ、イサミの言葉を受け取った。
    「分かった。俺が絶対に何とかする。キミがそう言ってくれると、本当に何とかできそうな気がするよ」
     信じてくれる人が傍にいることが、こんなにも心を強くさせられるなんて知らなかった。
     イサミはスミスの心が定まったことが分かり、薄い笑みを浮かべた。
    「最初からそう言え。全くおまえは本当に……」
    「ありがとう、イサミ」
    「まあ、そんな状況が来ないことが一番だな」
    「それもそうだ」
     想像でこんな議論をしていてもな、とお互い笑い合う2人だった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    asoso9353

    MOURNING3人で一緒に(イサルイルル家族)

    最終回視聴後
    本編終了後のイサルイ(イサスミ)というよりはイサルイルル家族小話
    別の話の導入として書いてたんですが、なかなかエッな展開に持って行けず断念したので供養
    「3人と見守る周りの人」っていうシチュは大好物なので何度だって書きたい

    スミは軍人思考+自己肯定低い系 ブレバンが使ってたハック機能やらクー様が使ってた空間転移も使える設定(ほぼ使わない
    3人で一緒に(イサルイルル家族)「だいぶ身体の調子も戻ってきたようだし、そろそろ通常食にしても大丈夫でしょう」
     ニーナ・コワルスキー中尉がカルテを眺めながらルイス・スミス中尉に本日の診断結果を話す。スミスの体調の経過はすこぶる良好だ。スミス本人はもちろんだが、一緒に聞いていてたイサミ・アオ3尉もルルも喜びを隠せない。3人で喜び合うその様子はどう見ても家族だ。ニーナは微笑ましい気持ちで3人に話しを続ける。
    「もうちょっとしたら、今の特別病棟から出られると思うわ」
    「あの、それでしたら1つ相談があるのですが」
     手を挙げたのはスミス本人ではなく、イサミだった。イサミは真面目な表情でニーナに質問した。
    「もう少し広い病室はありませんか?」
     診察結果ではなく、病室の広さについて質問されるとは予想外の出来事で、ニーナはイサミに問い返した。
    4478

    asoso9353

    DONE叶うなら、ずっと一緒に(イサルイ)

    最終回視聴後
    本編終了後のイサルイ(イサスミ)で、8話前からすでに出来上がって経験済みな設定(謎時空)
    離れようとするルイとそれを止めるイサとルル
    みんなで幸せになってほしい(願望)
    できればイサとルイとルルは本編後も一緒にいてほしいですが果たして
    追い込まれたら変な風に振り切れるのはイサの方だと思っています
    叶うなら、ずっと一緒に(イサルイ) デスドライヴズとの戦いが終わった後、奇跡的に生還を果たしたスミスとの再会を喜ぶイサミとルルだったが、それからすぐにスミスはATFの上層部の手によって連れて行かれてしまった。状況から考えて、メティカルチェックを受けさせられているのだろうということは想像に難くなかった(ルルがスミスに助けられた時もそうだった)。
     しかしほどなくルルがスミスに会いたいと涙ながらに訴えて来て、イサミはひとまず直属の上司に質問に行った。実際、イサミ自身も我慢の限界だった。いくらメディカルチェックをしているとは言え、全く面会が出来ないというのが納得できない。
     不機嫌さを全く隠さずにイサミがサタケに質問をするが、上司も全く状況が分からないという。
    6354

    asoso9353

    DONEあなたに感謝の言葉を(CPなし)
    最終回視聴後
    本編終了後
    特にCPはありませんが、イサルイ工場の作品なので風味はあります
    戦い終わったあと、生還したルイって普通に考えると不審じゃないかい?と思い前半はちょっとだけ不穏。でもあの世界の倫理観はそんなにおかしくないので、このくらいはやってほしいなという気持ちを込めて
    ルイはクー様の能力全部引き継いでたらいいなぁと思ってます(緑目だからあるよね)
    あなたに感謝の言葉を(CPなし) デスドライヴズとの戦場に駆け付けたATFの面々は、TSに乗っていた者が真っ先にその場に到着した。イサミ・ルルに加えて戦死したはずのスミスまでその場にいて、驚きと喜びで迎えられた。3人は大きめなタオルをもらい、とりあえずはそれを身に着けた。
     イサミもルルもスミスの側を離れなかったが、ATFのハイデマリー少将達が近づいてきたのが見えると、スミスはルルの手を自分の身体から離した。途端にルルが不安げな顔になる。
    「スミス? どうしたの?」
    「ルル。キミはイサミと一緒に戻るんだ。イサミ、ルルのことをよろしく頼む」
     子供のことを頼むような口調で、スミスはイサミにルルのことを託す。ルルは本能的にスミスが自分から離れることを察し、恐怖した。
    3647

    recommended works