空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:26.2「で、何があったんだよお前ら」
ギャラリーを押し退け、フェルマーと共に空き教室へと汐見を押し込んだ高師は呆れ混じりの声色で前置きもなくそう切り出した。
「あ! シュンメ誤解しないでね、これはビジネス浮気みたいなもので」
「フェルマーお前には訊いてないし、ビジネス浮気って何なんだそれは!」
あまりにも能天気なフェルマーの言葉へ思わず叫んでしまう高師を追うように「ヴィン、俺をダシにすんな」と不機嫌そうな声色で汐見の声が刺さってくる。
「汐見、お前は本当に何なんだ。いきなりこっちの教室まで来て」
「……別に」
尊大な態度で椅子に座りながら高師の言葉にはふい、と顔を逸らし一言だけを口にする汐見の態度は完全に拗ねた子供の仕草で。そんな汐見の態度にこの短い時間だけで何度吐き出したのかも分からない二酸化炭素を再び口から漏らした高師は、フェルマーへと視線を向ける。
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