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    梨那★

    @aroma9lapis

    blst★シン大中心…エイプリルフールイベから以降、脳内が臣さんと大内くん中心と化してます(*^^*)
    銀大の中学生日記的な関係が好き…きっと学生の時青春謳歌しそこねた者同士だしうちの銀大の銀星良く喋ります(ㆁωㆁ*)

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    梨那★

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    【俺の彼氏は眼鏡男子/銀大】
    支部の「いーすわ、どーせ銀星が送ってくれるんすもん」の続きです
    銀星はイチャコラ→大牙としたい的な感情です🍀夢ぽい銀大好きな方どーぞ^_^
    #腐ラスタ #銀大

    #腐ラスタ
    rotatorCuffStar
    #銀大

    俺の彼氏は眼鏡男子/銀大 赤とんぼがちらほらと見えだした。この辺りの緑地と言えば公園で未だ紅葉する時期には早い。木々と芝生を行き交うとんぼの赤が映える。

    「駅に集合で良かったじゃねぇすか?」

     9月の終わり、キラキラとした噴水の飛沫が気持ちいい。薄っすら浮かぶ汗は風によって熱を奪われいつの間にか心地よいものとなっていた。

    「眼科受診の日、寝坊したのどこの誰だっけ」

     昼と夜の長さが同じになりこれから日が短くなる。ジリジリとした陽射しに別れを告げ太陽が恋しい季節がやってくる…秋と冬の狭間。俺は恋人?とはまだ呼べない相手が待ち合わせ場所にやってきたそれだけで心が弾んでいた。責める言葉とは裏腹にだ。彼を待っている時間でさえ愛おしい。

      ✽✽✽

    〜眼科受診の日〜

     早めに駅に着いた俺は10分もすれば来るだろうと疑わず待っていた。予定の時間より早いとわかっていて時計を5分と経たずに見てしまう。誰かと待ち合わせをするなんていつ以来だろうか。

    「次のに乗ってるかな」

     駅前のカフェは窓際がカウンター席になってる。決まってそこにはカップルが並んでるから景色の一部として気に留めないようにしていた。自分には関係のない世界…幸せの尺度なんて人それぞれとは思っても引け目を感じる。だから敢えて眺めたりはしない。
     なのに今はカップルの仲睦まじい姿に胸が熱くなっていた。

    「距離近い…リア充ってヤツかぁ」

     会話の内容なんて聞こえないけど楽しそうに触れ合う様子がみていて擽ったくなってしまう。いつか自分も…なんて頭に過るが大牙と自分があんなに楽しくしてる姿を想像することはできなかった。お互い距離を積極的に縮めるタイプではない。ただ一方的に俺が助けたくなってしまうと言うだけ。学生時代の話になった時とても『似ている』と思ってからは尚、拍車が掛かっていると思う。程々で距離を置かないとと心に留めて、今日は買い替えの為の受診であってデートではないのだからと。それでもやはりカフェカウンターの席が気になってしまう。先程のカップルはもう席を外し居なくなっていた。

    「大牙まだかな」

     トゥルルル…

     大牙?

    「どーしたの?……うん、うん…それで」

     そう大牙から寝坊したって連絡がきた。正直予定がズレたのには参ったけど苛立ちより何より俺は電話の向こうで慌てることもなく淡々と会話する大牙にホッとした。

    「寝坊しましたわぁ〜ふぁぁ……んんっ…寝みぃ」
    「今起きたのかよ」

     電話越しの声は寝起きで少し鼻にかかっていて聞き苦しくって聞かせられるものじゃなくて。そう絶対にこんなの自分以外には聞かれたくないって言うか…ずっと聞いていたいって思ってしまった。

    「さーせんって、今から支度するんでっていま何処」
    「バーカ寝ぼけてんな?駅だよ?言っだろ駅前に集合なってさ」

     なんなんだよふざけるなよ全く…仕方ないなぁ

    「わかったよ、待ってるからな…そーだ駅前のカフェわかる?」
    「あー…あのリア充の巣窟的な、イヤイヤ無理っしょ荷が重すぎるわ。そこよか少し路地入ったサテンあるんでそっちに…」

     電話しながら着替えているのかガサゴソと雑音が絶えない。

    「遅刻してるヤツの要望は却下なっ切るぞ、早く来いよ」

     カウンター席から手を振って迎えてやろうと思ったが既に窓際はカップルで埋まっていた。

    「驚かせてやりたかったんだけど」

     冷静に考えれば大牙が来るまでにきっと俺が落ち着かない。あの仲睦まじい空気の中、一人で待ってる自信があるかといったら自信はない。席が空いてなかった事に感謝しつつ二人掛けのテーブル席で待つことにした。

      ✽✽✽

    「だからって迎えに来なくても…」

     大牙の部屋から近い大きな公園で彼を待っていた。寝坊したのが悪いって言ってるわけじゃただ原因はそうなんだけど。

    「時間決めた意味だよ」

     受診して正確な視力がわかった。でもまだ眼鏡は古いままだ。大学の時から愛用してると言うそれは鼻あてが安定しないから気にしては位置を直している。

    「受診の後に眼鏡見に行く予定だったろ」

     袖から覗く手が華奢に見えてしまうのはパーカーがオーバーサイズだからだろう。強めの言葉を投げかけてはその姿に頬が綻んでしまう。


    「さーせんって」

     眼鏡見に行って即日納品されて大牙は新しい眼鏡を当然かける。その後はお茶して買い物してって…仮想デートの予定が狂ったんだここで笑顔になってる場合ではない。

    「怒ってんすか…眼鏡作るの延びただけじゃねぇす?今日この後付き合いますって、銀星のヤボ用に」

     こちらを見上げると同時に眼鏡がズレるから袖から少しだけ出た指で位置をまた戻す。

    「ほら、すぐズレるんだから今日のデー……じゃなかった買い物は新しい眼鏡で出掛けられたのに」

     付き合ったのは俺の方。なのにこれじゃあ付き合ってるのが大牙みたいだ。

    「そーすよね、そーでしたわぁ〜俺に付き合ってくれてんの先か」

     最初はそうだったんだ。

    「プッ…お前は」
    「…暇なら付き合えって言ったの誰だよ」

     この自然体なのに巻き込まれるから、どっちが付き合って付き合わされてとかもう。

    「えっ!?覚えてないのか」
    「??あーー……どーせ暇なんしょって俺か」
    「言った言った、ははははっ」

     どうでもよくて結局のところ俺は大牙に付き合わされてるのに心地よさを覚えている。

     



     
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