りかあま「それにしても理解さん。セクシーなところにチェリースポットがあるのですね」
浴室にて。独特の湿気がこもる室内で突如響いたその言葉に秩序のカリスマが叫び声を上げたのは仕方のないことだった。否、不埒なのが言葉だけだったらどれだけよかっただろう。問題は浴室内に負けず劣らずの湿度と熱を感じさせるその声が理解の耳のすぐ横から聞こえたということ。そして涼しげな色の瞳が理解の下半身を凝視しているということにあった。
一体いつからそこにいたのか。性のカリスマ・天堂天彦は洗い場の椅子に座る理解の背後に、まるで影のように寄っていた。顔は理解の耳のすぐ横にあるので、角度や目線を調整すれば白皙の青年の丁度そのあたりをまじまじと鑑賞することができるのだ。
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