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    カイネ

    @kainefry0

    成人済/fryとgrc・pngの夢女/腐カプ✗
    ⚠up後もたびたび作品の加筆・修正をします⚠
    fry落ち長編【二度、恋をする。】
    1〜4→ゼロ執の順番にお読みください。

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    カイネ

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    fry落ち(たまに📖沿い)
    夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
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    二度、恋をする。23
    テストも無事に終わり、ナマエは久々に【ミチクサ】を訪れていた。いつもはカウンター席に腰掛けるが、今日は窓側のテーブル席に身を置き、ノートパソコンと向き合う。テーブルの上には頼んだカプチーノと手帳にスマホ、びっちりと文字が書き込まれたノートにポーチが並んでいる。パソコンの画面とにらめっこしながらキーボードをカタカタと打ち、時折、目頭を抑えてはため息をつき、再びキーボードを打つと言う作業を繰り返す。宮本はそんなナマエに目をやりながらも自分の作業を進めて行く。他に客は居らず、ナマエの打つキーボードの微かな音と店内に流れるBGMが心地良い。『あ…』不意にナマエの口から声が漏れ、宮本はそちらを見た。ナマエはパソコンから顔をあげ、店の外へと視線を向けている。宮本は不思議に思い、窓の方へと視線を動かす。そして窓ガラスをはさんだ向こう側に1人の男が立っている事に気付いた。金色に近い髪が風になびき、男の青い瞳があらわになる。「(あいつは…)」風が強かったあの日。【ミチクサ】の向かいの歩道でナマエと抱き合っていた男だと宮本は気付き、眉間に皺が寄る。そんな宮本とは裏腹にナマエは笑顔を浮かべ、席を立った。そして荷物をそのままに宮本に一言声を掛け、店の外へと出て行く。どうやら男が外へ出て来るように合図したようで、宮本の心の中をどす黒い影がじわりじわりと侵食して行った。

    カラン――…とドアベルが鳴り、ナマエが歩道へと出て来る。『こんにちは。先日はどうもありがとうございました。』「こちらこそ急に付き合って貰ってすみませんでした。…ところで今日は日曜日ですが、お仕事ですか?」安室はそう言って窓ガラスの向こうにあるパソコンを指差す。『えぇ…。気分転換にと思って外へ出たのですが、なかなかはかどらなくて…。そろそろ夕飯の買い物に行こうかなって思ってたところなんですよ。』そう言ってチラリと腕時計を見る。時刻は午後3時30分を少しまわったところだった。「へぇー!奇遇ですね。僕も今から買い物に行こうと思ってたんですよ。ナマエさんさえよかったらどうです?一緒に。」安室の提案に目を大きく見張るナマエにさらに安室が誘惑の言葉を放つ。「僕…車で来てるので、重いお米も買えますよ?」『なんでお米を買いたいって知ってるんですか?!』「さっきあそこの窓から覗いた時に、手帳へ貼られた【やることリスト】の中に【お米を買う!絶対!】って書いているのが見えて…。」『うぅ…お恥ずかしい…。』そう言ってナマエは俯き、頬を赤らめる。「パソコンを持ってお米も…となると大変でしょう。この前、映画に付き合ってくれたお礼をさせて下さい。」そう言ってウインクを飛ばす安室にナマエは『よろしくお願いします』と頭を下げた。そして一度【ミチクサ】の中へ戻るとテーブルの上に広げていた物を慌ててまとめると鞄へと詰め、残っていたカプチーノを飲み干す。伝票を持ち、レジへ向かうといつものようにそれを宮本へと渡した。会計を済ませてお釣りを財布に直していると、ふいに声を掛けられ、ナマエは顔をあげる。「あの…先程の男性は彼氏さんですか?」『え?』「あ、いや!この前、向こう側の道で抱き合っているところを見て…」宮本の言葉にナマエはこの前の出来事を思い出し、慌てて否定する。『ち、違いますよ!あれはその抱き合っていたワケではなくて…』「そうなんですか…。」何故か安心したような表情を浮かべる宮本を不思議に思いながらもナマエは鞄を持ち直し、【ミチクサ】を後にした。

    【ミチクサ】を出て、すぐのところに安室の愛車であるRX-7を見つけ、駆け寄る。そして助手席のドアを開けた。『お待たせしてすみません。』「大丈夫ですよ。ささ、乗って下さい。あ、荷物は後部座席に置きますね。」安室はナマエの手からパソコンの入った鞄をさり気なく取ると後部座席へと置いた。流れるような安室の動作に息が漏れる。「ナマエさん?シートベルトはしましたか?」安室にそう話掛けられ、慌ててシートベルトを閉める。その様子を楽しそうに見つめる安室の瞳。「さ、準備はいいですね!行きましょう!」RX-7は他の車のあいだを滑るように駆け抜けて行った。

    「いっぱい買っちゃいましたね。」『買っちゃいましたね。』後部座席に置かれたエコバッグの膨れ具合がそれを物語っている。「大型スーパーって何でもあって天国みたいなところですよね。」安室はそう言って、ふふっと笑う。「あ、そうだ。ナマエさんのマンションは来客用の駐車場ってありますか?」『たしかあったと思いますけど…。』「お米…重いでしょ?部屋の前まで持って行きますよ。」安室はそう言って、先日の映画帰りに名前を送り届けたマンションの方へとウインカーを出す。『そこまでしてもらうわけには!』「僕がしたいんです。…駄目ですか?」運転席からちらりとこちらを見る安室にナマエの胸が高鳴る。『うぅ…駄目じゃないです。よろしくお願いします。』安室に口で勝つ事は出来ないと悟ったナマエは素直に負けを認め、白旗を振る。そして鞄の中から自宅の鍵が入ったポーチを取り出そうとしてある事に気付いた。『あ、あれ?』「どうしましたか?」『あ、いや…家の鍵を入れているポーチが見当たらなくて…。』鞄の中には手帳、スマホ、ノートは入っているが、肝心のポーチだけが姿を消している。「ポーチだけがないんですか?」路肩にRX-7を停め、こちらを見る安室に小さく頷く。『ど、どうしましょう!』慌てるナマエを落ち着かせるように安室は肩に触れ、ナマエの瞳をまっすぐと見つめる。「落ち着いて…今日あった事を一緒に思い出してみましょう。」『えっと…昼すぎに自宅を出て鍵をポーチに入れてそれから…しばらく散歩をして安室さんに会ったミチクサへ入りました。で、ポーチに入っているUSBを出して…ちょっと待って下さいね。』そう言ってナマエは鞄に入っているパソコンを見た。『あーやっぱり…USBを外すの忘れてる。』「と言う事は、あの店に忘れて来た可能性が高いと言うわけですね。」安室はそう言うとサイドブレーキを外し、RX-7を発進させた。『すみません…そそっかしくて…。』「誰だってミスをするものですよ。気にしないで下さい。」『そう言って頂けるとありがたいです。…でも安室さんってミスとかしなさそうですよね。』「そうですか?…そうでもないですよ…今でも後悔してる事だってあります。」そう言った安室の横顔がなんだか寂しそうでナマエはそれ以上言葉を続ける事が出来なかった。

    「じゃあ僕は車を停めて来ますね。」ナマエを【ミチクサ】の前で下ろし、再び安室はRX-7を走らせる。閉店時間には間に合ったようで店内には明かりが灯り、客も数人いるようだった。ナマエはドアをゆっくりと開けるとドアベルが鳴り、宮本がこちらに近寄って来た。「いらっしゃいませ!夕方ぶりですね。」宮本にこう声を掛けられ、ナマエは恥ずかしさに頬を赤らめた。『あ、あの…すみません。ちょっとお尋ねしたいのですが、このぐらいの花柄のポーチ忘れてませんでしたか?』両手で大きさを表現し、宮本に問う。「花柄……あぁ!そう言えば椅子の下に落ちてましたよ。持って来るので確認お願いします。」宮本は一度カウンター裏へ回り、姿を消す。ナマエと宮本のやり取りを店内の客達がチラチラと見ており、恥ずかしさからさらに頬が染まるのを感じた。

    カラン――…とドアベルが鳴り、振り返ると安室が中に入って来ているところだった。「ポーチはありましたか?」安室の問いに答えようと口を開いたその時。「お待たせしました。はい、どうぞ。」宮本の手に握られた花柄のポーチを見てナマエの口から『あ…』と声が漏れた。ナマエの反応からこのポーチが本人の物だと分かり、宮本も目尻が下がる。だが、ポーチを渡し終えた直前、一瞬ではあったが安室に冷たい視線を投げた事に安室は気付いていないふりをした。ナマエは受け取ったポーチのチャックを開けると中身を確認する。そして自宅の鍵の存在を確認すると、それに付けているキツネのキーホルダーを愛おしそうに撫でながら小さな声で『よかった』と呟いた。「無事に見つかってよかったですね。他に失くなってる物とかはないですか?」安室の言葉に再度、ポーチの中を覗く。自宅の鍵の他に保険証、かかりつけの病院の診察券などを入れていたが、特に失くなっている物はないようだった。『大丈夫です。』「それならよかった。では送って行くのでそろそろ行きましょう。」安室はそう言うと【ミチクサ】のドアを開けた。『あ、はい。…あの、ありがとうございました。では。』ナマエは宮本に一礼すると安室に続き、店を後にした。

    『本当にありがとうございました。安室さんがいなかったら今頃途方に暮れてたかもしれません。』「いえいえ…僕は何もしてませんよ。……そう言えば、ポーチが見つかった時…鍵が見つかって安心と言うよりも鍵に付いてるキーホルダーが見つかって安心してるように見えたのですが…。」安室の指摘に名前は持っていた自宅の鍵とキーホルダーを握り締めた。『これは私にとって大事な物なんです。』「大事な物…ですか?」安室の言葉に小さく頷き、口を開いた。

    ***
    京都――…海外旅行者や修学旅行生が賑わう観光地でナマエと1人の男子学生はグループからはぐれてしまい、困惑していた。『どうしよう。』「うーん…。」本来なら6人で行動しないといけないグループ行動をしている途中だったが、残りの4人が人混みに紛れてどこかに行ってしまったようだった。
    探そうにもあまりに人が多く、探せそうにない。ナマエは鞄から携帯を出し、同じグループの子に電話をかけるが繋がらず、困り果てている。一方、男子学生…降谷零は幼馴染にしてやられたと眉間に皺を寄せていた。「(ヒロの奴…わざとはぐれたな…。)」降谷とナマエを2人きりにしようと企んだ他の4人がわざとはぐれた事を察した降谷は小さなため息を漏らした。『ごめんね、降谷くん…。』「ミョウジが謝る事じゃないさ。悪いのはあいつらだし。」『でもお土産見てたのは私だから。』降谷は自身のせいでみんなとはぐれたと思い、落ち込むナマエの頭を優しく撫でた。「僕も一緒にお土産見てたし、おあいこだ。…携帯、連絡つかないんだろ?もうあいつらなんかほっといて2人でまわろう。」そう言うと降谷はナマエの手を取り、観光客のあいだを縫うように歩き出した。ナマエは繋がれた手の熱を感じ、頬を赤らめる。後ろから見た降谷の耳も心なしか赤らんでいるようにも見えた。

    予定で立てた最終目的地に辿り着けるように観光地をまわって行くと一軒の雑貨屋が目に飛び込んで来た。ナマエの瞳が輝いている事に気付いた降谷はさり気なくその雑貨屋へ立ち寄る。ナマエは嬉しそうに後へと続いた。古民家をリノベーションした雑貨屋の隣にはちょっとしたカフェスペースがあり、コーヒーのいい香りが鼻腔をくすぐる。2人は休憩がてら、カフェスペースへと腰を下ろした。そして抹茶ラテとケーキのセットを頼む。程なくして届いたそれを口に運び、ほっとひと息つく。目の前で嬉しそうにケーキを頬張るナマエを見て、なんだかデートしてるみたいだな…とぼんやり考えた降谷は自身でも驚き、頬を赤らめた。カフェでひと息ついたのち、思い思いに店内を見てまわる。ふと、ナマエの目にひとつのキーホルダーが止まった。デフォルトされたキツネの首に鈴が付いており、揺らすとチリンチリンと音が鳴る。「あ、それ可愛いな…。」いつの間にか隣に来ていた降谷がそう呟く。『買って来よっかな。』「…じゃあさ、僕も買うから、お互い交換しないか?」『え?』急な申し出にナマエは目をぱちくりさせる。「嫌だったらいいんだ…忘れ『する!交換する!』店内にいた他の客がこちらを見て「若いっていいわね」と微笑むのを見て、2人はそれを購入し、そそくさと店を後にした。
    ***

    「じゃあそのキツネのキーホルダーはその男の子と交換した物なんですね。」『えぇ。なんだか恥ずかしい話しちゃってすみません。でも私にとっては忘れられない思い出なんです。』「………その彼とは?」安室の問いにナマエはキーホルダーから視線をあげ、窓の外を見た。『……高校を卒業して、それっきりです。…彼もキーホルダーを大事にしてくれてたらいいんですけどね。』そう言って無理矢理と笑顔を浮かべるナマエに安室は胸が締め付けられる思いだった。

    ナマエを無事に送り届け、自宅マンションへと戻った降谷は電気も点けずに部屋の中にいた。手には先程ナマエが持っていたキツネのキーホルダーと同じ物が握られている。「……大事に持ってるに決まってるだろッ…!」あの時の悲しそうな表情を思い出して奥歯を噛み締める。自身が【降谷零】だと伝えられたらどんなに楽だろうか。だが、それは出来ない。だからしばらくは【安室透】と言う仮の姿でナマエとの過ごせなかった日々を出来るだけ埋めたいとただただ願うばかりであった。

    4
    ピンポーン――…呼び鈴が鳴り、ナマエは玄関へと向かう。そしてチェーンと鍵を開け、玄関のドアを開けた。ドアを開けた先には1人の女性が立っており、手には紙袋が握られている。『おかえり、夏子!』「ただいま!」女性の名前は澁谷夏子…ナマエとは大学からの友人で先日まで海外へ行っており、帰国したばかりだ。『向こうはどうだった?』「こっちとは全然違って、いろんな刺激受けて来たわよ!はい、これお土産ね!」そう言うと澁谷は手に持っていた紙袋を名前に手渡した。ナマエはそれを受け取り、礼を告げる。そして澁谷をリビングへと通した。「で?」『“で?”って、何?』「もう!とぼけちゃって!彼よ、彼!例の喫茶店の彼!あれからどうなの?!もしかしてもう…!」鼻息荒く詰め寄る澁谷にナマエは慌てて口を開いた。『ちょ、やめてよ、夏子!いつも言ってるじゃない。そんなんじゃないって!』「“そんなんじゃない”…ねー…。」疑うように見つめる澁谷の目にナマエは顔を伏せる。そんなナマエへさらに詰め寄り、澁谷が三日月のように瞳を細めた。「ねぇー!お昼まだでしょ?今からさ、その喫茶店へ行こうよ!」『え?!』「いいじゃん!はい、決まり!そうと決まれば、ささ!用意して!」澁谷に無理矢理立ち上がらせられ、背中を押される。言い出したら引かない澁谷の性格を知っているナマエは反論も出来ない。ため息をつくと、『余計な事は言わないように』とだけ釘を刺して出掛ける準備を始めたのであった。

    自宅マンションを出て、しばらく歩くと【ミチクサ】が見えて来た。先日のポーチ紛失事件以降、訪れていない。何となく気恥ずかしさもあり、行く事を躊躇してしまう。そんな事を考えていると前方から子供たちの声が聞こえて来た。その中に見知った顔を見つけ、ナマエは立ち止まる。『こんにちは、江戸川くん!』「あ、ナマエお姉さん!こんにちは!」ナマエの挨拶に立ち止まったコナンに続き、他の子供たちも立ち止まる。「誰だ、この姉ちゃん?」「この人は蘭姉ちゃんが通ってる高校の先生だよ。」コナンがそう紹介すると、子供たちは口々に先生と呟く。そんな中、灰原だけがコナンの影に隠れてじっとナマエを眺めていた。『初めまして、ミョウジナマエです。学校で先生やってます。よろしくね。で、こっちは私のお友達で、澁谷夏子さん。夏子さんも学校の先生なんだよ。』簡単に自己紹介すると子供たちも順番に自己紹介を始める。「俺は小嶋元太ってーんだ、よろしくな!」「僕は円谷光彦です。よろしくお願いします。」「私は吉田歩美だよ!よろしくね。」『ちゃんと自己紹介出来て偉いね!…そっちの女の子はちょっぴり恥ずかしがり屋さんかな?』ナマエはコナンの服を掴み、隠れる灰原に目線を合わせるようにしゃがむと、そう声を掛けた。笑顔を浮かべ、しばらく待っているとコナンの後ろから少し顔を覗かせ、灰原は小さく口を開く。「……灰原、哀よ。…よろしく。」『はい、よろしくね!ところで、江戸川くん達はこれから遊びに行くところかな?』「うん!知り合いのおじさん家に猫を見に行くんだー!」『猫かー!いいなー!車に気を付けて行くんだよ?』コナンは明るく「わかった!じゃあまたね!」と返すと、他の子供たちを連れて歩き出す。灰原はすれ違う際、ちらりとナマエを見た。その視線に気付いたナマエは灰原の方を見て、笑顔を向けると右手をひらひらと振る。灰原は少し驚いた顔をしたが、小さく手を振り返す。その行動を嬉しく感じ、ナマエは小さくなって行く子供たちの背中を見送った。「あれ…ナマエさん?」子供たちを見送っているとふいに名前を呼ばれ、辺りを見渡す。すると横断歩道を渡ってこちらに向かって来る安室の姿が目に入った。『あ、安室さん!こ、こんにちは!』ナマエの少し上擦った声に夏子は目を細める。何かを確信した表情だ。「こんにちは…そちらはお友達ですか?」『はい、大学からの友人で…「澁谷夏子って言います!ナマエがいつもお世話になっています。」澁谷は深々とお辞儀をする。安室はそんな彼女に習い、お辞儀を返した。「いえいえ。僕の方こそいつもお世話になってるんですよ。ね、ナマエさん?」そう言って、ナマエにウインクをひとつ送る。『そんな…私は何も!あ、安室さん…今日はポアロお休みなんですか?』「いえ…今日は、これから出勤ですよ?」安室のその言葉に澁谷が声を上げる。「私達、今からそこに行こうとしてたんですよ!もしよかったら一緒に行きませんか?」澁谷の提案にナマエは目を丸くする。安室はその提案に考える素振りも見せずに、「いいですね、行きましょう!」と返した。予想していなかった出来事にナマエの頭は着いて行かず、言葉も発せられない。トントン拍子に事が決まって行き、気付けば【ポアロ】に到着していた。「では僕は準備がありますので。」そう言って、ポアロの奥へと姿を消す安室と入れ違いにポアロの女性店員…榎本がナマエ達を迎える。「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ!」案内されたテーブル席に着き、店内を見渡す。昼食のピーク時間を過ぎているためかそんなに客は多くない。澁谷とメニュー表を眺めているとカウンターの奥からポアロのエプロンに身を包んだ安室が出て来た。そして榎本と一言、二言、言葉を交わすと今度は榎本が奥へと姿を消す。どうやら休憩のようだ。榎本から仕事を引き継ぎ、他の客のオーダーであるコーヒーを入れながらサンドイッチを手際よく作って行く安室にナマエは視線を外す事が出来ない。ふと手元から視線を上げた安室と視線がぶつかった。慌てて視線を反らすナマエとは逆に安室はにっこりと笑みを返す。そんな2人の様子を見ていた澁谷は嬉しい気持ちに胸が温まった。

    ○名前変換サイトで連載していた作品です○
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    カイネ

    MOURNINGpng夢(?)
    ⚠タヒネタ・夢主コロしてます 鬱展開苦手な方は注意⚠
    #decnマイナス
    書きたいひとコマを書いただけ。4⚠閲覧注意⚠目の前には同僚Aが横たわっていた。しつこく言い寄られ、ただ軽く突き飛ばしただけなのに動かなくなった同僚Aと突き飛ばした感覚の残る両手を交互に見つめ、ナマエは歯をガチガチと震わせる。どうしようどうしようどうしよう…頭の中で警告が鳴り響くが足がすくみ、身体は動かない。「ナマエ?」不意に背後から声を掛けられ、ナマエが慌てて振り返るとそこには首を傾げ、こちらを見るグレースの姿があった。『グ、グレース…わたし…どう、しよう…』今にも崩れ落ちそうな足を何とか奮い立たせ、震える手でグレースにすがればこの場の状況を瞬時に理解したグレースの瞳の色が変わった。「…まずは“コレ”をどうにかしないとね。」グレースは落ち着き払った様子で同僚Aだったモノを静かに見下ろす。この状況がまるで日常生活の一部であるかの様に錯覚するほど、平然とした態度のグレースにナマエは言葉が出ない。「彼…最近は仕事がうまくいってないって愚痴ってたわね。」『…え、えぇ…何をやっても、空回りだ…って…』「なら、自殺として処理しましょう。」同僚Aの亡骸に近付くとグレースは頭を持ち上げる。「あぁ…頭の打ち所が悪かったのね。まぁ海にでも捨てれば何とかなるわね。」パッと手を離すと同僚Aの頭が床へゴトッと落ちた。「遺書を用意して、思い詰めた様子でドライデッキの方へ向かってたとでも言っておけばどうにかなるでしょ。」変わり映えのしない潜入生活に退屈を覚えていたピンガはグレースの仮面の下でほくそ笑むとナマエの身体をそっと抱き締める。「ふふ、これでワタシ達…共犯、ね。」にっこり微笑むグレースの目の奥は一切笑っていない。ピンガは退屈な日常を壊してくれたナマエに感謝の念を抱きながら優しくナマエの髪を撫でた。「(平和ボケした奴らに囲まれてうんざりしてたところだ。せいぜい愉しませてくれよ、ナマエ。)」
    795

    カイネ

    MOURNINGfry夢(?)
    夢主設定→fryの部下 霊感持ち
    #decnプラス #decn夢
    霊感持ちのfryの部下がK組とわちゃわちゃする話。物心が付いた時からなんとなく生きてる人間、死んでる人間の区別はついていた。でもそれを口に出して言うと周りの大人達は皆、嫌な表情を浮かべ、冷たい視線で私を見た。それが身内であっても、だ。「気持ちの悪い子」のレッテルを貼られ、小さい頃はたびたび居心地の悪い思いをして来た。だから大人になった今では俗に言う幽霊とは一切関わらないように気を付けている。なのに…なのに…『(どうして私の上司にはあんなにたくさんの幽霊が憑いてるの!?)』こちらに背を向け、風見さんと話すのは上司の降谷零。その背後にはここ最近になって現れた4人の男の姿があった。爪楊枝を咥えたガタイのいい男はダテ。顎髭を生やした優男はモロフシ、後ろ髪が長めの色男はハギワラ。そして癖っ毛でサングラスをかけたスカした男はマツダ…と言うのが観察していて分かった名前だ。おそらく、警察関係者なのだろう。まぁこの4人…とにかくうるさいのだ。会議中だろうが、捜査中だろうがとにかく降谷さんの後ろであーだこーだと話すもんだから集中する事が出来ない。おかげで私は捜査資料を何度も読み返すハメになっている。「おい、ミョウジ!」『は、はい!』不意にこちらを振り返った降谷さんに名前を呼ばれ、姿勢を正す。「この前、頼んだやつだが…」『はい、それでしたら…』先日、降谷さんから頼まれていた資料を取り出そうと持っていた鞄に手を突っ込む。すると頭上から覗き込まれる感覚に一瞬、手が止まってしまった。「いつ見てもちんちくりんな女だな。」「えー俺は可愛いと思うけどなぁ〜?マスコットみたいで!」マツダとハギワラだ。自分達の姿が視えていないと高をくくり、いつもこうやって言いたい放題言って来る。「でも公安で働いてるって事は優秀って事だろ?なぁ、諸伏?」「そうだね…女性の登用は狭き門だと思うからここにいるって事はかなり優秀だと思うよ。」「ようするにゴリラみたいな女って事だろ?」どこをどう解釈すればそうなるのか、マツダと言う男は私に対して【ゴリラみたいな女】のレッテルを貼りたいようだ。せっかくモロフシの言葉で上がった気分もだだ下がり、私はバレないようにマツダを睨みつけた……つもりだった。「おい、お前…俺達の事が視えてるだろ?」睨みつけた先には私の視界に入る様、わざわざしゃがみ込んだマツダが居て、しっかりと目が合った。私は突然の出来事に驚き、不覚にも平静を失ってしまう。そん
    1047

    カイネ

    MOURNING⚠🎞沿いでネタバレ注意
    夢主設定→grc(png)の同僚で恋人同士
    #decnプラス #decn夢
    書きたいひとコマを書いただけ。2パシフィック・ブイ メインルームーー…巨大なモニターの下で作業を進めるグレースにナマエは近付くと『お疲れ様』と声を掛けた。「あら、ナマエ!お疲れ様〜」グレースはにっこりと微笑むと座っていた椅子から立ち上がる。『今、直美から連絡があったんだけど、もうすぐしたら警視庁の方々がこちらに来られるそうよ。』「分かったわ。」グレースがそう返事したと同時にメインルームに繋がる大きな扉が開く。二人がそちらを見やるとパシフィック・ブイの局長を務める牧野とエンジニアである直美、そして警視庁から来たと思われる男性二名と小さな男の子がひとり、扉をくぐって中へと入って来るのが見えた。『子ども?グレース何か聞いてる?』と隣を見上げれば、グレースはさぁ?と肩をすくめる。一体、どう言う経緯で子どもが混じっているのか分からないまま、牧野によるスタッフの紹介が始まった。ナマエとグレースはよく分からないままに牧野へと近付いた。「では、メインスタッフを紹介させてください。」巨大なモニター下のコンソールまでやって来た牧野がそう言って順番にエンジニア達を紹介していく。グレース、レオンハルト、エド、直美と順番に紹介され、みな各々にアクションを返す。ナマエはグレースの陰でメインスタッフ達へ尊敬の眼差しを向けていた。「…そしてグレースの隣にいる彼女がメインスタッフのサポートをしている日本出身のナマエ。」牧野の紹介にその場にいる者の視線がナマエに注目する。まさか自分まで紹介されるとは思っていなかったナマエは慌てて背筋を伸ばし、『よ、よろしくお願いします!』と一礼した。そんなナマエに「緊張しすぎよ〜」とグレースがナマエの背中をポンと叩く。「ケッ!仕事中にイチャついてんじゃねぇぞ。」その様子を見ていたレオンハルトがボソリと悪態をつく。そんなレオンハルトにグレースは厭味ったらしい笑みを浮かべ、「あら?“ワタシ”の可愛い“彼女”がそんなに羨ましいの?」と煽る。『ちょ、グレース…』大勢の前で“彼女”と断言され、ナマエの頬が紅潮する。グレースとレオンハルトのあいだに見えない圧を感じ、困惑するナマエに同情したエドが助け舟を出した。「あのさ〜、そろそろ時間じゃない?」エドの言葉に「あっ!」と牧野が慌てて腕時計に目を落とす。そして「総員!配置につけ!」と声を張った。ナマエは紅い頬を隠すように俯くと足早に席へと戻っていく。グレースはフン
    2997

    カイネ

    MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)
    夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
    #decnプラス #decn夢
    二度、恋をする。【ゼロの執行人沿い】⚠1〜4を読んでからお読みください4月28日土曜日__…ナマエは干していた洗濯物を取り入れると、テーブルの上に置いていたリモコンでテレビを点けた。そしてチャンネルをまわし、普段観ているワイドショーで止める。「《無人探査機【はくちょう】が火星からのサンプル採取を終え、日本時間の5月1日、いよいよ地球に帰って来ます。》」女性アナウンサーが帰還計画図に沿って、帰還カプセルの回収方法やカプセルの説明をしている。ナマエは取り入れた洗濯物をたたむため、テレビ画面から目をそらした。「《番組の途中ですが、たった今入ったニュースです。》」顔を上げると女性アナウンサーが探査機について説明していたスタジオから切り替わり、報道局が映っていた。緊迫した様子が男性記者の表情から読み取れる。「《お伝えします。来週、東京サミットが行われる国際会議場で、先程大規模な爆発がありました。その時の防犯カメラの映像です。》」記者がそう伝えると、テレビ画面が防犯カメラの映像に切り替わる。お腹に響くような音がしたかと思うと、国際会議場が爆発し、煙に覆われた。『サミット会場で爆発だなんて…。』洗濯物をたたむ手を止め、テレビの映像を食い入るように観る。「《現場となった統合型リゾート【エッジ・オブ・オーシャン】はまだ開業前だったため利用客はいませんでしたが、サミット警備の下見をしていた警察官数人が死傷したとの情報が入っています。繰り返します。》」再び、爆発現場の映像が流れ、ナマエはただただその映像を見つめる事しか出来なかった。
    19819

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    二度、恋をする。1
    【喫茶 ミチクサ】
    コーヒーの香りが漂う店内にマスターの宮本とカウンター奥に座る女性が1人。宮本はコーヒーカップを拭きながら女性へと視線を向けた。女性は真剣な眼差しを左手の文庫へと落とし、その世界にのめり込んでいるようだ。宮本にはどんな物語を楽しんでいるのかまではわ分からなかったが、女性の真剣な表情を見ているこの時間が嫌いではなかった。ふと、文庫のページが残りわずかな事に気付き、宮本の口から小さなため息が漏れた。ペラ…ペラ…と読み進められていく物語。そして女性は最後の行を読み終えると静かにそれを閉じると『ふぅ…』と息を漏らした。どうやら今、体験し終えた物語に満足しているようだ。しばらくのあいだ、余韻に浸っていたが文庫を鞄の中へ戻すとカップに残った僅かなコーヒーを飲み干しカウンターから腰をあげる。そしてレジでコーヒー代を払うと女性は『ごちそうさま』と礼を告げ、ミチクサを後にした。女性の名前は、【ミョウジ ナマエ】。帝丹高校で国語を教えており、生徒からは親しみを込めて【アダ名】ちゃん先生と呼ばれる事もあった。趣味は、静かな喫茶店を見つけてはそこで読書する事。先程まで居た【喫茶 ミチクサ】はここ最近贔屓にしている店だった。雰囲気も良く、コーヒーが美味しい。学校が休みの日はこうして米花町の喫茶店を渡り歩いている。なので、帝丹高校の学生と出会う事も少なくはない。
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    カイネ

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    #decnプラス #decn夢
    二度、恋をする。35
    帝丹高校での仕事を終え、自宅マンションへと辿り着くと郵便受けの中身をチェックする。会員登録しているデパートからのお知らせなどに交じって白い封筒が入っていた。宛名が書かれておらず、裏返してみても差出人の名前も見当たらない。ナマエは不思議に思いながらもマンションの階段を上がって行く。ヒールの音が静かにコツコツと響いた。ナマエは鞄から花柄のポーチを取り出すと、キツネのキーホルダーが付いた鍵を鍵穴に差し込む。『ただいま…。』誰もいない部屋に向かって、帰宅の挨拶をする。一日履きっぱなしのヒールを脱ぎ、洗面所へと向かった。手を洗い、うがいを済ませると着ていた服を脱ぎ、部屋着へと着替える。普段と変わらない行動なのに何故か違和感を感じ、ナマエは辺りを見渡す。だが、特に変わった様子はない。ナマエは首を傾げながら脱衣所を後にした。簡単な夕飯を作り、テレビを見ながらそれを口を運ぶ。バラエティ番組から流行りの芸人のギャグが聞こえて来る。ナマエは食べ終えた食器を持ち、流しへと向かう。洗い物を済ませ、食後のコーヒーの準備をしている時、ふと白い封筒の存在を思い出した。お湯が沸くまでまだ時間がある。ナマエは郵便物の中から白い封筒を取り出しそれを開けた。封筒の中には一枚の便箋が入っており、ナマエは恐る恐る便箋を開く。『な、に…これ…。』開いた便箋には【君のことは守るから安心して】と書かれていた。手書きではなく、パソコンで打たれた物でどんな人物が書いたのか想像出来ない。ナマエは気持ち悪さを感じ、その便箋を思わず投げ捨てた。『…ど、どうしよう。』初めての事に頭がうまく回転しない。心臓も信じられない速さで鼓動を打ち、次第に呼吸も乱れ始めた。『(落ち着け…!落ち着け…!)』早鐘を打つ胸に手を当て、必死に呼吸を整えようとしていると、ふいに安室の笑顔が脳裏に浮かんだ。ナマエは、はっとしてスマホを掴むとアドレスから【安室透】の名前を探す。だが、探している途中で、その手が止まった。本当に今すぐ安室に頼らなければならないのか?ただのイタズラではないのか?そう思い出すと気持ちがスーッと落ち着き、呼吸も普段通りに戻る。『(…安室さんだって今頃、プライベートな時間を過ごしてるんだから邪魔しちゃいけない…。)』ナマエはスマホをテーブルの上に戻すと床へ落とした手紙を拾いあげる。そしてなるべく内容は見ないようにして封筒へと直
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    カイネ

    MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)
    夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
    #decnプラス #decn夢
    二度、恋をする。46
    「それでナマエは大丈夫だったの?」澁谷の自宅マンションでコーヒーを飲みながら先日のストーカー事件が話題にあがる。『安室さんと毛利さんのおかげでなんとか…。まだ少し夜は怖いけどね。』そう言うとナマエは苦笑いを浮かべた。「だよね…。」『…夏子?』澁谷の様子に違和感を感じ、ナマエは澁谷の顔を覗き込む。「………実はさ、」

    「………なるほど。勤務先の学校から何者かに跡を付けられているような気がすると言うわけですね。」安室の問い掛けに澁谷は小さく頷いた。「…それで、調査のお願いって出来ますか?」「えぇ、もちろん。任せて下さい!」安室はそう言うとポケットから名刺ケースを取り出す。そしてそこから名刺を一枚出すと、澁谷へと差し出した。「基本、調査の報告はメールで行います。」澁谷は名刺に書かれているアドレスを見る。「わかりました。あとでこのアドレスへメール送っておきますね。」手帳へと名刺を挟み、安室を見た。安室は「お願いします」と返事を返すと、ナマエの方へと優しい視線を向ける。澁谷はそんな安室の様子を見て大きな声を上げた。「あ!ごめん、ナマエ!私ちょっと用事思い出したから帰るね!」澁谷はそう言うとナマエの返事も聞かぬ間にコーヒー代をテーブルへ置くと勢い良く席を立つ。『ちょ…夏子?!』澁谷の背中に向かって言葉を投げるも届かず、慌ただしく店を飛び出して行った。『慌ただしくてすみません。』ナマエは小さく頭を下げる。「いえいえ。…ところでナマエさん…あれからしばらく経ちますが、どうですか?」『少しずつ普段の生活に戻っては来てますが、やっぱり夜になると少し、怖いです。』カプチーノが入ったカップの縁を撫でながらそう答えたナマエは何かに気付いたようにパッと顔を上げた。『あ、安室さん!』「はい、なんですか?」『あれほど色々して貰っておきながら私…安室さんへの支払いが…!あのお幾らですか?』ナマエはそう言って鞄の中から財布を出そうとする。だが安室はにっこりと微笑み、それを制す。「ナマエさん…あれは僕が好きでやった事です。なので報酬は入りません。」『そ、そんなわけには!』ナマエ自身が気付いていないところで色々としてくれたに違いない安室に対してこればかりは引き下がれない。ナマエは強い眼差しで安室を見つめる。「……うーん…そこまでおっしゃられるのなら、そうですね。」安室は顎に手をやり、少し考える。そして
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    カイネ

    MOURNINGfry落ち(たまに📖沿い)
    夢主設定→教師 fryの高校の同級生 両片想いのまま卒業
    #decnプラス #decn夢
    二度、恋をする。【ゼロの執行人沿い】⚠1〜4を読んでからお読みください4月28日土曜日__…ナマエは干していた洗濯物を取り入れると、テーブルの上に置いていたリモコンでテレビを点けた。そしてチャンネルをまわし、普段観ているワイドショーで止める。「《無人探査機【はくちょう】が火星からのサンプル採取を終え、日本時間の5月1日、いよいよ地球に帰って来ます。》」女性アナウンサーが帰還計画図に沿って、帰還カプセルの回収方法やカプセルの説明をしている。ナマエは取り入れた洗濯物をたたむため、テレビ画面から目をそらした。「《番組の途中ですが、たった今入ったニュースです。》」顔を上げると女性アナウンサーが探査機について説明していたスタジオから切り替わり、報道局が映っていた。緊迫した様子が男性記者の表情から読み取れる。「《お伝えします。来週、東京サミットが行われる国際会議場で、先程大規模な爆発がありました。その時の防犯カメラの映像です。》」記者がそう伝えると、テレビ画面が防犯カメラの映像に切り替わる。お腹に響くような音がしたかと思うと、国際会議場が爆発し、煙に覆われた。『サミット会場で爆発だなんて…。』洗濯物をたたむ手を止め、テレビの映像を食い入るように観る。「《現場となった統合型リゾート【エッジ・オブ・オーシャン】はまだ開業前だったため利用客はいませんでしたが、サミット警備の下見をしていた警察官数人が死傷したとの情報が入っています。繰り返します。》」再び、爆発現場の映像が流れ、ナマエはただただその映像を見つめる事しか出来なかった。
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    カイネ

    MOURNING⚠🎞沿いでネタバレ注意
    夢主設定→grc(png)の同僚で恋人同士
    #decnプラス #decn夢
    書きたいひとコマを書いただけ。2パシフィック・ブイ メインルームーー…巨大なモニターの下で作業を進めるグレースにナマエは近付くと『お疲れ様』と声を掛けた。「あら、ナマエ!お疲れ様〜」グレースはにっこりと微笑むと座っていた椅子から立ち上がる。『今、直美から連絡があったんだけど、もうすぐしたら警視庁の方々がこちらに来られるそうよ。』「分かったわ。」グレースがそう返事したと同時にメインルームに繋がる大きな扉が開く。二人がそちらを見やるとパシフィック・ブイの局長を務める牧野とエンジニアである直美、そして警視庁から来たと思われる男性二名と小さな男の子がひとり、扉をくぐって中へと入って来るのが見えた。『子ども?グレース何か聞いてる?』と隣を見上げれば、グレースはさぁ?と肩をすくめる。一体、どう言う経緯で子どもが混じっているのか分からないまま、牧野によるスタッフの紹介が始まった。ナマエとグレースはよく分からないままに牧野へと近付いた。「では、メインスタッフを紹介させてください。」巨大なモニター下のコンソールまでやって来た牧野がそう言って順番にエンジニア達を紹介していく。グレース、レオンハルト、エド、直美と順番に紹介され、みな各々にアクションを返す。ナマエはグレースの陰でメインスタッフ達へ尊敬の眼差しを向けていた。「…そしてグレースの隣にいる彼女がメインスタッフのサポートをしている日本出身のナマエ。」牧野の紹介にその場にいる者の視線がナマエに注目する。まさか自分まで紹介されるとは思っていなかったナマエは慌てて背筋を伸ばし、『よ、よろしくお願いします!』と一礼した。そんなナマエに「緊張しすぎよ〜」とグレースがナマエの背中をポンと叩く。「ケッ!仕事中にイチャついてんじゃねぇぞ。」その様子を見ていたレオンハルトがボソリと悪態をつく。そんなレオンハルトにグレースは厭味ったらしい笑みを浮かべ、「あら?“ワタシ”の可愛い“彼女”がそんなに羨ましいの?」と煽る。『ちょ、グレース…』大勢の前で“彼女”と断言され、ナマエの頬が紅潮する。グレースとレオンハルトのあいだに見えない圧を感じ、困惑するナマエに同情したエドが助け舟を出した。「あのさ〜、そろそろ時間じゃない?」エドの言葉に「あっ!」と牧野が慌てて腕時計に目を落とす。そして「総員!配置につけ!」と声を張った。ナマエは紅い頬を隠すように俯くと足早に席へと戻っていく。グレースはフン
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