共食い赤い夕焼けの中、ひぐらしの鳴く声が聞こえていた。
――ココはどこだろうか?
村の探検と称して、確か……友達になったばかりの子と一緒に遊んでいたはずだ。
山に流れる小さな川で魚を見て、木々が生い茂る草むらのトンネルを一緒に走り抜けて……。
村に来たばかりの体が小さく、体力のない子供は、友達の背を必死に追いかけて最後尾を走っていた。
草むらを抜けた……!
そう思った瞬間、抜けた先がこの場所だった……。
あれだけ青々と葉を揺らしていた田んぼには、収穫が終わったのか、枯れ草のような跡だけが残っている。
つい、先ほどまで、頭上では太陽が照りつけ、汗ばむほどだったはずなのに――。
今は、赤く染まった空の下、カラスが一羽、寂しげな声を響かせていた。
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