助けてください、シャア大佐!「乗機が破壊された時が私の死ぬ時なのだ」
「機体は備品なので代えがありますが大佐に予備は御座いません。ご自身の予備を用意できてからどうぞ」
「船外活動の際は着ている」
「出撃の時も着用してください」
たまには艦内を見回るかとバーに掴まって水平移動していると、ソドンの通路で言い争う声。
そっと曲がり角の先を覗いてみれば、数km先からでも視認できそうな赤い軍服に白いヘルメットというやたらと目立つ格好の問題児……もとい上官に、最近その相棒のようなポジションに落ち着いた真面目な同僚が詰め寄っていた。
「今更私がノーマルスーツなど真っ先に着てみろ、兵が恐慌状態に陥るぞ」
「やってみなければわかりません。それに安全対策は上官がきちんと率先して行ってこそ部下もついてくるというものです」
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