牧仙「牧さんも高校生だったんすね」
己のベッドの上に押し倒して、シャツを捲り上げて、今まさに二人で初夜を迎えようとしている恋人───仙道から発せられた言葉に、牧は一瞬動きを止めた。
オレは3年前から高校生だが?
不本意ではあるが、翔北の桜木達が言うように、自分が年相応に見られないことは理解している。バスケット関係者に顔と名前が知られるまで、制服を着ているのにも関わらずコーチや監督に間違えられることもしょっちゅうであった。だがこの恋人は、牧の老け顔について一度も言及しなかったはずである。
───牧さんって、対戦相手に威圧感与えられていいですよね。
───お前、年下にも舐められてるもんな……。
───うーん、迫力がねーのかな?
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