キスの日 (ポカぐだ♀) レイシフト先、木陰でぼんやりと煙草をふかしていた。あらかたエネミーは一掃したからしばらくは暇だろう。
マスターは今日の野営を準備し終えたらしくこちらにやってきた。
「ねぇ、テスカトリポカ、キスして」
悪戯っぽい表情でキスをねだるマスターを見て、テスカトリポカは思案した。これ、どういうキスをすればいいやつだ?
ベッドの上でするようなやつか? それとも額へ祝福するような軽いやつか? はたまた、触れるか触れないかのお子様向けのやつか。
「どんなキスがお望みなんだ? お嬢。ちゃんと言えたら叶えてやっていいぜ」
からかうように返してやるとマスターの頬が一気に紅潮して硬直した。なるほどね。考えなしのおねだりということか。
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