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    AmakAsuka

    @AmakAsuka

    安赤小説を書いています。この二人の立場、性格等の関係で、物語はシリアスに始まることが多いですが、必ずハッピーエンドになります。

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    AmakAsuka

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    安赤ワンドロワンライ 第28回お題「クリスマス」
    そしかい後、アメリカに戻っていた赤井が突然現れて……。幸せな思い出と、幸せな未来。

    ##安赤
    ##AMAK
    ##安赤ワンドロワンライ

    クリスマス「は?」
    「お帰り、降谷くん。夕食かな」
    「はあ」
     提げているのはコンビニの袋。気分だけでもと、何となく唐揚げ弁当にした。庁舎に戻ると、玄関前に赤井がいた。警備なんてなしで、もうこいつを立たせておくだけで十分なんじゃないか。
    (……いや、そうじゃなくて)
    「なん、で」
    「五年前の約束を果たしにきた。忘れてしまったかな」
    「五年前……」
     クリスマスイブ、五年前。スコッチと三人で……。
    「あの時に何か?」
    「ふむ。やはり眠っていたのかな、君は」
     赤井の脳裏に浮かぶのは、テーブルに突っ伏して、かわいい声で呟くバーボンだ。

       ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

    「僕が殺しても生きてろ、ライ……」
    「物騒だな」
    「バーボン、何言ってんだよお前」
    「やくそく、しろよぉ……」
    「わかった」
    「え、しちゃうんだ。約束」
    「それで、五年後にまた三人でパーティーしような……」
    「それも約束する」
    「お前、ほんと……こいつに甘いのな」
     その自覚はあった。まっすぐな暴れん坊。大事にしてやりたい。
    「五年後か……俺たち、その時はどこに飛ばされてるんだろうな」
     スコッチは、寝ているのか酔っているだけなのかわからない金髪の頭を、大切そうに見やった。
    「少なくとも、魚の頭に見つめていられたくはない」
    「ハハッ。お前、そんなにこれ苦手なんだ?」
     肩をすくめてみせると、ますます笑われた。
     何の因果か、故郷にほど近い地域で聖夜を迎えることとなった。イギリスっぽいもの食おうぜ!と張り切って、スコッチが買ってきたのは、フィッシュアンドチップスにスターゲイジーパイ。子供の頃に父が作ってくれたのだが、どうにもこれだけは苦手だった。幼い弟に至っては泣き出してしまった。母は「子供にはわからないのよ。務武さん、私が半分いただくわ」と言い、ぺろりと平らげていた。
    「じゃあ、俺がとびっきりうまいの作ってやるよ。五年後に」
    「じゃあ、の意味がわからん」
     それでまた、彼は笑った。バーボンは「ん〜……」と声を漏らし、こてん、と顔の向きをこちらに変えた。エキゾチックな肌、今は閉じている真っ青な双眸。彼が天使なら、すべてを告白して許されたいと思った。

       ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

     あれから、ちょうど五年。地球よりも重い感情を赤井に対して抱いている降谷は、腕をつかみ、自宅に連れ帰った。働き過ぎの上司を心配していた風見は、「下で赤井に会った。また明日な」というメッセージに、思わず頬をほころばせた。
     赤井が仕入れてきたシャンパンと、忘れてはいけない酒。唐揚げ弁当は半分こし、冷凍ピザやサラダ、作り過ぎた筑前煮などを並べると、なかなか豪華な食卓になった。
    「しばらくこっちにいる。こき使ってくれ」
    「へえ……いいな、それ」
     スコッチを飲みながら、嬉しそうにはにかむ降谷。その横顔があまりにも美しくて、「しばらく」とは「死ぬまで」であることは、もう少しあとで教えようと思った。
    「………ふーん。まあ作れそうだな」
     見蕩れているうちに、降谷は端末で何やら調べていた。
    「何をだ?」
    「これ」
    「……」
     画面の中から、いくつもの魚の頭が赤井を睨みつけていた。

     次の年は、二人で例のパイを作った。赤井が目を閉じて食べるのを、降谷は笑いをかみ殺して見ていた。テーブルには、スコッチ。亡き友を想い、明日を想う。
     桜が咲き初める頃から、二人は身も心も預け合う間柄となっていた。このイブの夜も熱烈に愛され、日付が変わってしばらく経った頃、ようやく小休止となった。少し眠そうな恋人の様子に、愛おしさが込み上げてくる。赤井は慎重に、「クリスマスプレゼントと言えるかどうか、わからないが……」と切り出した。
    「なに……?」
    「しばらくこっちにいると言っただろう?」
    「うん……」
    「あの『しばらく』というのは、『死ぬまで』という意味なんだ」
    「は?聞いてない………待て、どこから問い詰めたらいいか……」
    「大した問題ではないさ。君に殺されない限り俺は死なんよ。……それに、たとえ君に殺されても生きている約束だ」
    「うん……」
     見つめ合い、誓いのように厳かなキスを交わす。
     自分より体格のいい男の体に、降谷は腕をまわしてぴったりと寄り添った。プレゼントを抱きしめて離さない子供のように。
    「でも……ひとつ問題が」
    「何かな」
    「僕はもう、あなたを殺せない……」
    「ならば……二人で生きようか、零くん」
     天使は、こく、と頷いた。

     赤井はまだ知らない。夜が明けたら、「ライフルバッグの中身、今日のうちに見ておいた方がいいですよ。年末年始、何が起こるかわからないので」と言われることを。そこに、青い石をはめ込んだ、金の指輪があることを。

     Merry Christmas!


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    AmakAsuka

    DONEエアブー230528の展示作品です。安赤ワンドロワンライのお題「最後の日」をお借りしました。
    バーボンが、スコッチの最期の言葉を聞くことができていたら、と想像してみました。映画の影響で、幹部を手伝ってくれる構成員も登場させています。その後、ライが組織を抜け、2年後に赤井秀一として日本に戻ってくるまでを書きました。
    これだけで読めますが、6/23からのエアブーで続きを展示します。ハッピーエンドです。
    最後の日「おい。バーボンはどこにいる。誰か知ってるか」
    「今日は〇〇会の取引のために潜ってますぜ」
    「そうか……奴が戻ってきたら、気を付けろ。荒れるぞ」
    「兄貴、心配してやってるんですかい。そりゃあバーボンは、ライとデキてるとかデキてないとか言われてやしたが」
    「んなことはどうでもいい。ライのこととなると逆上するあいつが面倒なだけだ」
    「逆上ですかい?俺には、いつもより冷たく見えやすよ」
    「ウォッカ。赤い星と青い星、どっちが熱いか知ってるか」
    「え。あ、青い方……あー。そういうことですかい」
     真っ赤になって怒っている時よりも、静かに青い目を光らせている時の方が、恐ろしい。裏切者としてライに始末されたスコッチの死以来、バーボンのライを見る目は、氷のように冷たい。
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    AmakAsuka

    DONEPixivの1000字コンテストに応募した、「ボトルメール」をテーマにした小説です。ハッピーエンド。pixivの方は、コンテスト用に少し縮めてあります。こちらが完全版となります。零くんがこんな危ないことをするか?とも思いますが、パッと浮かんできた光景を書いておきたかった。赤井さん相手なので突飛なことをしてしまう上に今よりももっと若かった零くん、ということで、広い心でお読みいただければ幸いです。
    ボトルメール一、あなたは海の彼方

     僕の中に残っていた、温かいもの。それが粉々に砕かれた瞬間。破片をかき集めて、ボトルに入れ、蓋をした。優しい笑顔、気遣ってくれる声、交わしたいくつもの言葉。かけがえのない親友を失ってからも、なおも心の中から消すことができなかった日々。
    「さよなら、ライ」
     海に流して、すべて忘れよう。それでもこんな風にボトルメールにして、ぷかぷか浮かぶのを眺めているのは、未練にほかならないけれど。
         ♢ ♢ ♢ ♢ ♢
    「よぉ、シュウ!」
    「トム。しばらくだな。あの件は片付いたのか」
    「ああ、手こずったがな。この前アドバイスもらって助かったよ。さすがは『ライ』だな」
    「それは禁句だ」
    「ハハッ。悪い悪い」
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