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    ao_pumi23

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    ao_pumi23

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    プトミラ/💚💛/大切だから失うのが怖い。

    幸せ幸せ
    (プトミラ)

    「ウィット、お前が好きだ」

    「…悪いな、俺にはその気はない。お前には俺よりもっといいこがいるぜ、クリプちゃん」

    そう言って笑うミラージュの顔は今にも泣き出しそうだった。

    「どうしてそんな顔をする?」

    「そんな顔?いつもと変わりねぇよ」

    「隠そうとするな。何でそんな泣きそうな顔をしている?」

    「目にゴミでも入って潤んでるんだろ、気のせいだ」

    「気のせいじゃない。事実だ」

    「お前に俺の何がわかる!?」

    怒鳴ったミラージュはそんな自分に驚き、クリプトに背を向ける。

    「悪い、もう出て行ってくれ」

    「ウィット」

    「頼む。これ以上お前に嫌われたくない」

    「嫌うわけないだろ。好きだと言っている」

    「だからそれは無理だって」

    「じゃあなんで俺に嫌われたくないんだ?」

    「…」

    「ウィット」

    「…お前にはミラちゃんがいるだろ」

    「は?何故今ミラの名前が出てくる」

    「俺には母親がいる。記憶が危うくなっている大切な母親だ。俺は母さんを1人にはできない。最期までそばに居るって決めたんだ。笑顔にするって決めたんだ。だから俺は、お前の隣にはいられない。お前だってそうだろ?」

    「俺は…確かにミラは家族だし大切だ。だけど、ミラを救ったその後、命が終わるその時まで隣にいて欲しいのはお前なんだ、エリオット」

    クリプトの言葉にミラージュが振り返る。
    その頬には大粒の涙が伝っていた。
    ミラージュは泣いていた。
    自分の心臓を抑えて何かの痛みに耐えるように。

    「俺は、俺だけ幸せになんてなれない。怖いんだ。もう誰も失いたくない!だからっ」

    クリプトは泣きじゃくるミラージュを抱きしめた。
    腕の中で暴れるミラージュ。
    心に傷だらけのミラージュを護るように強く優しくクリプトは抱きしめた。

    「俺がいる」

    「お前だって消えるかもしれないだろ!」

    「消えない。仮にお前が居なくなったとしても見つけてやる。絶対だ」

    「俺のこと忘れるかもしれない」

    「俺を誰だと思っている?脳に焼き付けてでもお前のことは忘れない。約束する」

    「信用できない」

    「これから嫌ってほど分からせてやる」

    「こんなの横暴だ」

    「でもお前も俺のこと好きだろ?」

    「…」

    「ウィット?」

    「…っ、あぁ!好きだよ!好きだ!これでいいだろ!?」

    「ふっ、あぁ上等だ」

    ミラージュは降参というようにクリプトの肩に頭を押し付けた。
    その頭をクリプトが優しく撫でていく。

    「ウィット、お前はひとりじゃない。お前の母さんも、レジェンドも、俺もいる。だから1人で抱え込むな。お前らしくないぞ、“ミラージュ“」

    「お前の前ではエリオットでいさせろよ」

    「殺し文句だな。喜んで」

    「…なぁ、テジュンって呼んでいい?」

    「2人きりの時だけな。間違っても皆の前で呼ぶなよ?」

    「呼ばねーよ、多分」

    「やれやれ、困った恋人だ」

    「でも、好きなんだろ?」

    にやりと笑うミラージュに、先程までの陰りはない。
    それに気がついたクリプトは笑う。

    「あぁ、どんなお前も好きだよエリオット。お前が生きてるそれだけで俺は幸せだ」

    ミラージュは母親イヴリンの言葉を思い出す。
    そして今、同じ言葉を愛する人から受け取り、もう一度涙した。

    今度の涙は嬉し涙だった。
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