五十音台詞ノック3・『な』
珍しく静かに本を読むミラージュ。
クリプトがその所作をじっと見つめていると、視線を感じたのかパチリと目が合う。
「なぁに見てんだよクリプちゃんのえっち♡」
「うるさいお前に言われたくない」
「はぁ!?なんだよクリプト〜それって俺が魅力的ってことか?」
「まったく、めでたい奴だ」
ふいと横をむくがミラージュは知っている。
クリプトが照れていることを。
(耳が赤くなってること言ったら怒られるから言わないでおこう)
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・『に』
インタビュー中のミラージュ。
「え?クリプトのいいところ?ないないあるわけないだろそんなもん。え?いやー、まぁ、確かに声はいいし、俺のデコイと彼奴のハックは相性もいいし、見た目も俺程じゃないがイケてはいるし、何やかんや仲間想いだし…ってクリプト!?おまっ!いるなら声かけろよ!ちょ、待て!今のは違う!ぜーんぶ嘘!こら!待てって!にやけてんじゃねぇー!!!」
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・『ぬ』
ブギーはテジュンの太腿を撫でさすり、吐息を耳元へ吹きかける。
ピクリと反応するテジュンが可愛くて仕方がない。
「濡れちゃった?かわいいボーヤ」
最後にチュッと耳にキスをして離れていくブギーの腕を引き優しく、けれど強引に押し倒した。
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・『ね』
クリプトインタビュー中。
「あ?ウィットのいいところ?そんなの…顔がいい、声がいい、ずけずけ踏み込んでくるくせに嫌なところは触らない気遣いができる。優しい、料理が上手い。おっと、大事なことを忘れていた、かわいi「寝ろ!!!」
三徹目のクリプトを引きずりながら真っ赤になって帰るミラージュ。
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・『の』
風邪を引いたミラージュは布団で1人横になることしかできなかった。
心細い…そんな時寝室のドアが開き入ってきたのは伝染るから来るなと言っておいた恋人のクリプト。
「なんで…」
クリプトは黙ったままミラージュの側へより、汗で張り付いた前髪をはらってやる。
「いいから黙って看病されてろ、小僧」
言われた言葉はつっけんどんなのに、その表情は何より愛情に溢れていてミラージュの視界は潤む。
誤魔化すようにへらりと笑い
「のぼせそうだよ、ばか」
目元を優しくなぞる恋人の手を握った。