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    ya_so_yan

    @ya_so_yan

    9割文章のみです。勢いで書いたものを置いておきたい。後でピクシブに移すことが多いです。

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    ya_so_yan

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    🐬さんとpngくんがお話ししてるだけ。変な話。
    (※🐬🐏の話をしています)
    🐬さんの(たぶん)冗談。

    「なぁおい。いい加減、ラムに会わせろよ」
     ラムからの連絡事項を伝えている最中にそう催促されて、キュラソーはオッドアイを丸くした。

     ピンガは作業中だったPCのキーボードを叩く手を止め、デスクに頬杖をついてキュラソーを見上げている。その顔は見事な仏頂面だった。
    「何か頼みでもあるの? それなら、私から伝えておくから――」
    「そうじゃねぇ。俺も、もっとお近づきになりたいって言ってんだ」
     キュラソーの短く整えた眉が、ぴくりと跳ねた。
    「顔を拝めたのは辞令受けて以来じゃねぇか。いつも命令はあんたが伝えてくるばっかりでよ。俺だってラムの直属って立場のはずだが?」
    「……当然でしょう、彼の存在自体が機密扱いなんだから。会える相手は限られている。たとえ直属だろうとね」
     さも分別があるような淡々とした物言いにも、ピンガは引き下がらない。
    「ふうん……さすが、右腕のあんたは特別ってわけか、キュラソー?」
     問いかけとも皮肉とも聞こえる物言いに、キュラソーは直接は答えなかった。眦の切れ上がった目を細めながら、逆に質問する。
    「そんなにあの人に近づきたいのかい?」
     当たり前だろ、とピンガは軽く肩を竦めた。
    「ラムに気に入られれば出世間違いなしだ。あんたは面白くないだろうが、お気に入りの座を独り占めってのは関心しないぜ?」
     野心を隠しもしない態度に、キュラソーは溜め息をつく。
     しかし、ほつれた髪の筋を耳に掛け直しつつ、頷いた。
    「いいわ。一応、伝えといてあげてもいい」
    「おっ、話がわかるじゃねぇか」
    「ただし」
     しめたとばかりに厚い唇の端を歪めるピンガを遮って、キュラソーが歩み寄る。
     デスクに手をつきながら身を屈める。すらりと身長の高い女に覗き込まれて、ピンガは頬杖から顔を上げ、たじろいだ。

     そして、ぎくりとする。
     見下ろしてくる青い瞳と透明の瞳には、カミソリのように研ぎ澄まされた光が宿っていた。

    「あの人に近づいて、おかしな真似したら……殺すよ」

     確かに女の声であるにも関わらず、腹に響くような低い声だった。
     脅しではない、とピンガは直感して、黙って頷いた。

     素直な態度が功を奏したのか、キュラソーはふっと目つきを和らげて、わかってるならいい、と告げた。
     そうしてピンガに背を向け、ひとつにくくった銀髪を揺らしながら立ち去ろうとする彼女を、思わず呼び止める。

    「あんた……ラムの女なのか?」
     キュラソーがぴたりと立ち止まる。
     我ながら不用意な質問なのはわかっていたが、この際、ハッキリさせておこうと思った。

     ラムとキュラソーが共にいるところを見たのは一度きりだが、二人の間にはなんとも言い難い空気感があった。その正体はわからなかったが、間に何人も立ち入らせない雰囲気を覚えている。
     だから、そういうことだろうと、元から当たりをつけてはいた。

     キュラソーは振り返り、ピンガを見下ろすと……どこか勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

    「ラムが私のオンナなんだよ」

     は? と気の抜けた声がもれた。
     おんな。オンナとは。

     ピンガなりに頭をフル回転させる。
     キュラソーは紛れもない女で、ラムは疑いようもなく男で。
     しかしこの場合のオンナとは、会話の流れとニュアンスを考えれば、好き勝手されるほうということでは。
     ……いや、組織No.2相手にそんな真似ができるものか?
     そもそも好き勝手って、ナニを?

     しかし、そういえばこのキュラソーという女は、勝気とか男勝りとかいう言葉では片付けられない勇ましさがある。
     対して、ラムはいかめしい外見に反して、その物腰は誰にでも丁寧で柔らかい。どことなく、女性的とさえ感じる時もある。
     だから、つまり……つまり??

     ははは、と軽やかな笑い声が転がり落ちてきて、ピンガは我に返る。
    「悪い悪い。お前にはまだ早い冗談だったわね、坊や」
     キュラソーは機嫌良く揶揄を寄越しながら、ひらひらと片手を振って去っていった。姿勢のいい後ろ姿も、さっそうとした歩みも、様になっていた。

     取り残されたピンガは、なんだかわからないが、とにかく妙に悔しかった。
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